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連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

映画&プリンス好きのインストーラーがお出迎え!神奈川のスピーカー工房・エクスペリエンス

公開日 2026/06/23 06:30 遠藤義人
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スピーカーからカスタムメイドであつらえるインストールショップがある。神奈川・川崎にスタジオショールームを持つエクスペリエンスだ。お客さんの要望に応え、好みのサウンドや意匠に沿ったスピーカーをあつらえてくれる上に、ホームシアターのインストールも可能だ。

神奈川・川崎のエクスペリエンス・スピーカー・ファクトリーを訪れた

音にもインテリアにも妥協しないこだわり派向け

代表の荒谷正司さんは、国産ブランドのスピーカー販売や輸入オーディオの販売・インストールの経験を活かし、自宅兼スタジオでスピーカーのカスタマイズからインストールまで幅広く、「他にはないスピーカーが欲しい」というよろず相談に乗っている。依頼は建築設計会社や、必ずしも自作派ではないオーディオ愛好家まで幅広い。

「少ないですが、手描きで板のカット図を送ってくるだけのご依頼もあります。いただいた図面をパッと見て、うまく組み上がらないだろうというものがあれば調整し、カットもできます」(荒谷さん)

店舗の顔になるようなスピーカーを所望されることも多い。写真はレコードバーのもの

よくあるのは、組み上げたときに隙間ができる懸念がある場合や、板の被り方を変えた方がいい場合。

「同じ幅の板を切るときには、できるだけ同じセッティングで、一発で切ることができる図面にする。そうすれば、0.1mmといった誤差が生じにくくなり、精度の高いエンクロージャーが組み上がるんです。使用するユニットによってはネジ穴がここで干渉する、といった指摘も。バランスが難しいんですよ」(荒谷さん)

わたしもスピーカーを自作したとき、木工屋さんでカットしてもらったことがあるが、微妙な隙間が生じて収まりがつかず、誤魔化した箇所があった。やはりホームセンターで我流にカットしたものと、きちんと監修されたキットのようなものは板切りの作法から違うので、経験が必要なのだ。

ブックシェルフ型スピーカーの作例

音や意匠、シチュエーションの好みは千差万別

スピーカーの音は、使用ユニットはもちろん、周波数特性などだけでは決まらない。システムとしてのまとまりをどう付けるかに関わるので、荒谷さんの出番だ。

“自分の音” を持っている人なら、世にある製品の中から好みのものを選ぶのではなく、カスタムメイドしたいと考えるのは当然だろう。硬質でモニター調のサウンドを好む人もいれば、比柔らかめの音でリラックスして音楽を愉しみたいユーザーもいる。音の流行は変遷するし、好みも千差万別だ。

morelのユニットを使ってユーザーさんのお好みで仕立てたもの。サウンドも上手く仕上がったという

「あまりにも色々な方々と接してしまっているので、自分がいいと思う音を、自分のブランドでユーザーさんに押しつけることがもはやできなくなってしまいました。ですからわたしの場合は、ユーザーさんとともに、同じ場所で同じ曲を聴きながら合わせていく。

『ここがこうです』といったご指摘を受けると、スピーカーの後に回ってちょっといじり、『どうですか?』って。『全然さっきよりいいです』と言っていただけるとお好みがわかる。そうやって設計していきます」(荒谷さん)

サウンドもそうだが、意匠も好みにできる。どこか見慣れたちょんまげスタイルや、カーオーディオで気に入っているユニットを使ってホームシアターに、なんていうこともできてしまう。

「ご夫婦揃ってインテリアデザインがお好きなお客さまは、寸法やバスレフダクトの位置、ユニットの見た目などについてもご要望を寄せられます。このケースでは塗料にもこだわっておられて、無塗装のまま納品しお客さまの方で塗装されました」(写真左)

床下にバックロードを作ったことも。コンクリートの基礎がバックロードホーンになっており、家を建てると見えなくなってしまう訳だが…。「これは凄いですよ。20Hz台まで中高域と同じレベルで再生しているので、教会のパイプオルガンの迫力たるや」(荒谷さん)

床下コンクリートバックロードホーンの特許はエクスペリエンス扱いのシメックスが取得

床下コンクリートバックロードホーン、工事中の様子

6月に東京ビッグサイトで開催された展示会「ホーム&ビルディングショー」のFUKUNOKIブースで見かけたバックロードホーンスピーカー「HORN SPEAKER」も荒谷さんの監修だった

同会場には福井の木材を使ったコンテナハウス、キャンピングトレーラーもあり、クルマで好きな場所に行ってホームシアター…なんて夢も抱かせた

ホームシアターのカスタムインストールも可能

スタジオショールーム。スピーカーも様々取り揃えており、この日はPHILE WEB向けのオススメシステムをセッティングしてくれていた

荒谷さんは映画が好きで、自身も生粋のホームシアターファン。

「最初にプロジェクターを買ったのは1996年。当時まだ学生でしたので高価なものは買えず80型の液晶でした。その後三菱の3管式やソニーの反射型液晶などを使い、いまはコレです」とエプソン「EH-LS12000」を指さす荒谷さん。

ショールーム後方。現在は透過型液晶であるエプソン「EH-LS12000」を採用

ラックには大量のブルーレイのほか、Princeのボックスものも散見される。聞けばPrinceのDJイベントなどにも頻繁に顔を出しているそうで、音楽にも造詣が深い。

そのあたりも含め映画や音楽のことについても話が尽きない気さくなショップなので、カスタムスピーカー、カスタムインストールに興味のある人は、ぜひ気軽に予約をして訪れたい。

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