細長いスリムスピーカーをテレビの前にサッと置くだけで、7.1chのバーチャルサラウンドが楽しめる「YHT-S400」。最近テレビまわりの音が気になっているというホームシアター未経験の恵里さんに、「YHT-S400」を使用してはじめてのホームシアターに挑戦してもらった。

(構成・執筆 Phile-web編集部)




恵里さん

テレビドラマやDVDを観るのが大好きなホームシアター初心者。テレビ番組でホームシアターシステムが話題になっているのを観て以来、これまで意識していなかった音が気になるようになったという。好きな映画は「ラブ・アクチュアリー」「エターナルサンシャイン」。好きな音楽はマイケル・ジャクソン。






体験はじめ
   
  これまでオーディオ、ホームシアターに限らずきちんとした音を聴いたことがないと語る恵里さんは、YHT-S400のサウンドにどんな反応をするのか!?

Phile-web編集部(以下、編集部):今日は初心者でも簡単に扱える「YHT-S400」を使って、一緒にホームシアターのサウンドを体験してみたいと思います。宜しくお願いいたします。

恵里さん(以下、恵里)よろしくお願いします!どんな音が聴けるのが楽しみです。

編集部:恵里さんは普段どのようなAV機器を使用しているのですか。

恵里:うちには薄型テレビとDVDレコーダーがあって、普段からよくテレビは観ますし、録画したテレビドラマやDVDを週末にまとめて観たりしています。音はテレビのスピーカーのままで、これまで特に何も手を入れていません。

編集部普段テレビを使っていて音に不満を感じた経験などありますか?

恵里: 特にありませんでした。というより不満を感じる以前に、「テレビの音はこういうものだ」と思っていたので、疑うことがなかったというか・・・。それが最近テレビの番組でこういったホームシアターシステムの存在を知って。そんなに音は違うものなのかな、違いを確かめてみたいな、と思うようになりました。



  YHT-S400のユニット
 
         
  YHT-S400のスピーカー部は、左右2chのステレオスピーカーと中央にセンタースピーカーを配置した3ch構成。幅8cmのスリムサイズでテレビの前に置ける手軽さが魅力だ
 
YHT-S400のセンターユニット部。サブウーファーとAVアンプ一体型
いう斬新な設計。普通に使用している限りでは、ラックに収納しても振動しないヤマハならではのしっかりした作りだ
 
 





編集部:なるほど。今日この音を聴いてしまったら、普通のテレビだけでは物足りなくなってしまうと思いますよ。ではまず体験の前に、一緒にセッティングからやってみましょう。

恵里: 私こういう機械触るの苦手なんですが・・・。

編集部:大丈夫です!この製品は数多くのAV機器に接してきた我々の中でも5本の指に入るくらいセッティングに手間のかからないモデルですから。まずはセンターユニットとスピーカーを接続してみてください。同じ色の場所にスピーカーケーブル(付属品)を繋ぐだけです。

恵里:色分けされているのでわかりやすいですね。はい、繋ぎました。

  YHT-S400スピーカー背面
 
         
  センターユニットが一体型のため、スピーカーとユニット間は付属のスピーカーケーブルで同じ色の場所に接続するだけ。普通のシステムをAV機器に疎い人が使用する、このスピーカーとの接続の時点でどこにどの線を繋げばいいのかわからなくて混乱してしまうことが多い

 


編集部:では続いてテレビ番組とDVDソフトを視聴するため、テレビとレコーダーを接続してみましょう。まずテレビですが、センターユニットの「TV、光デジタル入力」と書いてあるところに付属のデジタル光ケーブルを、「TV、HDMI出力」と書いてあるところにHMDIケーブルを繋ぎます。レコーダーは「HDMI入力」と書いてあるところにを繋ぐだけ。HDMI入力は1/2/3とありますがどこに繋いでも大丈夫です。レコーダー以外にもPS3など最大3機まで同時に接続できるというわけです。

恵里:あれ、もう終わりですか?意外に簡単なんですね。私でもあっという間に接続できてしまいました!

編集部:すごくシンプルですよね。恵里さんのような機械はちょっと・・・という方でもこれなら安心して使っていただけると思いますよ。





編集部:さて、それではスピーカーを設置してください。設置といっても大げさなものではなくて、ほんとに“ただ置くだけ”です。テレビの足をまたいで設置したい場合は、付属の足をスピーカーに取り付けます。

スピーカー調整
  スピーカー足調整  
         
  足の取りつけも簡単!


  スピーカーの足はテレビにあわせて高さ2段階、横幅2段階の調整が可能

 


恵里:このテレビの足をまたぐ設計はかなりポイント高いですね。テレビ画面を遮らないし、テレビの付属スピーカーのような感覚で使える。狭い部屋に置いても圧迫感がなさそうです。あと私、まめに掃除をするのですが、このスピーカーは軽いから一旦どかしたい時も扱いやすくていいですね。

スピーカー設置
 
     
  テレビの前にポン!これでセッティングはすべて完了。いよいよお待ちかねの視聴タイムへ!  






  スイッチ  
     
  恵里さん、いよいよホームシアターの音を初体験・・・  

編集部:お待たせしました。いよいよお待ちかねの視聴です。まずは映画から観てみたいと思います。恵里さんにお気に入りのDVDということで「007 慰めの報酬」と「ラブ・アクチュアリー」を持参していただいたので、この2本のDVDを再生してみます。

恵里:どちらも大好きな映画です。ドキドキしますね!

編集部:YHT-S400には、再生するソースにあわせてリモコンの「サラウンドモード」ボタンからMOVIE、MUSIC、TV PROGRAM、GAMEの4つのモードを選べるようになっています。今回はMOVIEモードで聴いてみたいと思います。

恵里:「007」はアクションシーンの迫力がすごい!冒頭のカーチェースのシーンでは、普段テレビで聴いている時とあまりに違うので、思わず身を乗り出してしまいました。銃の乱射の音なんかも横からズドドドドドドと聞こえてきて映画館にいるみたいです!


視聴1
 
     
  「やっぱりアクション映画は大きな映像と迫力のサウンドで体験したいですね!」予想以上のサウンドに大喜びの恵里さん  

 

編集部:こんなに細いスピーカーなのによく低音でていますよね。さて、続いてクリスマス前の今の季節にピッタリな「ラブ・アクチュアリー」を観てみます。ラブコメなのでアクションシーンはありませんが、「007」とはまた違った楽しさを味わえると思いますよ。

恵里:終盤のクリスマスパーティーで子供たちが「恋人たちのクリスマス」をバンド演奏するシーンは臨場感たっぷり。客席の拍手の音や歓声が広がってきこえて、自分が会場にいるみたいでした。その後のロマンチックなシーンもいつも以上に感動しました。

視聴2
 
     
  「ラブ・アクチュアリー」は劇中にお洒落な音楽がたくさん使われているので、音の厚みがますことで作品の魅力がいっそう高まる  

 

編集部:今度はTV PROGRAMモードに切り替えてニュースやスポーツ番組など普通のテレビ番組を観てみたいと思います。

視聴3
 
     
  「テレビ番組の音がこんなに変わるのには驚き!のだめカンタービレをこのシステムで視聴したい!」と夢もふくらむ  

恵里:テレビ番組はあまり変化がないと思っていましたが、こうやってオン、オフの音を比較してみると、もう全然違いますね。鳥のさえずりや波の音なんかの雑音もよく聞こえるようになるし、何よりセリフがすごく聞きとりやすくなったなという印象です。

編集部:そうなんですよ。セリフの音をカバーするのがこの細長いスピーカーの中央にあるセンタースピーカーという部分なのですが、左右2個しかついていないテレビと比べて、センタースピーカーがあるだけで随分違うということがわかります。

恵里:野球中継も球音が明快!オーディエンスの歓声とか会場のアナウンスの声が混じり合って、球場のあの独特なムンムンとした熱気が伝わってきますね。





視聴を終えて
 
     
  YHT-S400でホームシアターライブの1歩を踏み出した恵里さん。これからアフターファイブの楽しみが増えますね!  

編集部:今日はいろいなコンテンツをホームシアターで楽しんでいただきましたが、率直な感想としてはいかがでしたか?

恵里:すごくおもしろかったです!こういうちゃんとした音の体験をしなければ、ホームシアターというのは自分とは違う世界のものだと思って一生テレビの音で満足していたかもしれないんですけど、知ってしまうと昔の自分にはもう戻れない(笑)音を比べてみてはじめて、綺麗なハイビジョンの映像と音の釣り合いがいかにとれていないかということに気が付きました。 

編集部:一番印象に残ったコンテンツはどのあたりでしょうか?

恵里:映画の迫力も本当に感激したけれど、テレビ番組の音の変化にも驚きましたね。あと「ラブ・アクチュアリー」を観ていて思ったんですけど、これはお家デートにピッタリなアイテムだと思いました。ロマンチックなシーンはよりロマンチックに感じるし、アクション映画がすごく盛り上がる。2人だけの映画館みたいな感じで楽しそう!今日は本当にいい経験をさせていただきました。

編集部:私も恵里さんのホームシアター初体験の場に立ち会うことができ嬉しかったです。ありがとうございました。

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YHT-S400のココが知りたい!
Q 1:「AVアンプとサブウーファー一体型のセンターユニット」って何がすごいの?

迫力のある音を再生するため一般的なホームシアターシステムには、通常のスピーカーやラックに収納するアンプに加え、低域をカバーする「サブウーファー」が必須。ところがこのサブウーファーは、大きく重いのでラックにも収納できず、床にそのまま置いて再生すると低音が下の階に響いてしまうというなかなかの曲者だ。ここであみだされたのが、YHT-S400で採用された新開発のセンターユニット。アンプにサブウーファーを内蔵して、まとめてラックに収納できるようになった。
Q 2:YSPとの違いは?

どちらも前方にスピーカーを置いて、あたかも後ろにもスピーカーを配置しているような包囲感を体感できるフロントサラウンドシステムだが、それぞれ再生技術が異なっている。

ヤマハの人気シリーズ「YSP」は、本体に内蔵している数十個の小型スピーカーの音をビーム化し、部屋の壁に反射させてリスナーの耳に届ける「デジタル・サウンド・プロジェクター・テクノロジー」を採用し、自然な臨場感を味わえるのが特徴。一方で、YHT-S400はバーチャルサラウンド技術「AIR SURROUND XTREME」を使用して仮想的なサラウンドを創り出している。YSPはサブウーファーの別途購入が必要なので、迫力のサウンドを手軽に楽しみたい人にはYHT-S400がおすすめだ。
     
  YSPシリーズ「YSP-600」の概念図   YHTシリーズ「YHT-S400」の概念図
 
 
Q 3:ブルーレイの音も再生できるの?

DVDやブルーレイで採用されているサラウンドフォーマット「ドルビーデジタル」「DTS」に対応しており、ブルーレイの再生も可能。またPS3やブルーレイプレーヤー/レコーダーといった、ブルーレイに収録されているより高品質なサラウンドフォーマット※の再生に対応している機器とHDMI接続することで、さらに高音質な音声を楽しむことができる。

※「DTS-HDマスターオーディオ」「ドルビーTrueHD」のこと。YHT-S400はこれらのHDオーディオデコーダーを搭載しないが、「マルチチャンネルリニアPCM」に対応している。
Q 4:HDMIリンクってなに?

デジタル機器をシンプルに1本で接続でき、今や接続ケーブルのスタンダードとなっている「HDMIケーブル」でYHT-S400とテレビやレコーダー(対応機器はこちら)を繋げば、テレビのリモコンでYHT-S400のボリューム調整や電源のオン、オフを操作できる機能。
Q 5:うちのテレビの前にもスピーカーを設置できる?

テレビの足をまたいでスピーカーを設置できるのがYHT-S400のポイント。37V型から40V型の主要テレビを揃えて確認してみた。下記4モデルはテレビの足からディスプレイ部までの高さが4.9mから最大7.6cm。付属スタンドの調整で、すべてテレビの足をまたいでピッタリ設置できた。ただREGZA「37H9000」のみ、スタンドを使用するとリモコン受光部がかぶってしまうので、スタンドなしで使用した。

         
  SONY BRAVIA
「KDL-40F5」
  PANASONIC VIERA
「TH-L37V1」
  TOSHIBA REGZA
「37H9000」
  HITACHI Wooo
「UT37-XP800」
 

付属のスタンドは高さを8cm/9.5cmに、両足間の幅を55cm/69.5cmと2段階ずつ調整できるようになっている。同メーカー、同サイズのテレビでも外径寸法に差があることがあるので、サイズは事前に確認しておこう。



SPEC
YHT-S400
¥OPEN(予想実売価格60,000円前後)

<センターユニット>●実用最大出力:100W (フロントL/R 50W+50W)、100W (内蔵サブウーファー) ●入出力端子:HDMI入力3、光デジタル音声入力1、アナログ音声入力1、Dockポート、HDMi出力1、アンテナ端子(FMチューナー) ●消費電力:35W ●最大外形寸法:435W×151H×361Dmm ●質量:8.6kg <スピーカー>
●型式:フルレンジ密閉型 ●ユニット:4×10cmコーン型×3 ●外形寸法:800W×50H×70Dmm(スタンド無し) 、800W×82H(97H:高さ可変式)×70Dmm(スタンド有り) ●質量:1.5kg

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