カートリッジ、フォノイコライザーも変えて試聴

オーディオテクニカのレコードプレーヤー「AT-LP7」レビュー。高い基礎性能、グレードアップの幅も広い

井上 千岳

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2018年06月13日
オーディオテクニカのベルトドライブ型アナログレコードプレーヤー「AT-LP7」を井上千岳氏がレビュー。実売9万円前後と入門者にも手が届く価格ながら本格的なレコード再生を志向する本機の実力を紹介する。

■本格志向のマニュアル・プレーヤー「AT-LP7」

オーディオテクニカではこれまで、自社製のカートリッジを搭載したカジュアルなアナログ・プレーヤーを発売してきた。フォノイコライザー内蔵でUSBやBluetoothに対応したモデルもあり、フルオート機も少なくない。本機「AT-LP7」はやはりフォノイコライザー内蔵だが、それらとは方向性を変えた本格志向のマニュアル・プレーヤーである。

AT-LP7(予想実売価格¥90,000前後)

各部の仕様を見るとジュニアモデルとの相違が明らかだが、まず筐体は厚さ40mmのMDF製である。全重量は8.3kgあり、ターンテーブルの重量を差し引いたとしてもしっかりしたシャーシになっていることがわかる。

このシャーシには、底部に大型のインシュレーターが装着されている。高さ調整も可能で、シャーシの重量と考え合わせると安定度の高いセッティングができそうである。

ターンテーブルは、厚さ20mmのPOM(ポリオキシメチレン)製である。POMはデルリンというデュポン社の商標で知られているが、柔軟で金属に近い特性を持つエンジニアリング・プラスチックで、ターンテーブルでの使用例も少なくない。耐摩耗性にも優れ、恰好の素材と言っていい。ここでは切削加工で使用されている。「AT-LP5」がアルミ合金ダイキャストであったのと比較すると興味深い。

厚いMDFのシャーシ、金属に近い特性を持つPOMのターンテーブルと、高さ調節が可能なインシュレーターを備える

駆動はベルトドライブである。シャーシの一角に直流モーターを搭載し、33/45回転の切り替えが可能である。スピードセンサーでターンテーブルの回転を検知し、ワウフラッター0.08%という精度で回転速度を制御する。なお電源はACアダプターである。

トーンアームは、J字のスタティック・バランス型である。1960〜70年代の設計を踏襲した独自のデザインだという。高さ調整が可能で、アンチスケーティング機構も装備している。S字ではなくJ字というところが面白い。なおピボットはジンバルサポートのようである。ヘッドシェルとして重量10gの「AT-HS10」が付属する。

スタティック・バランス型のトーンアームは1960〜70年代の設計を踏襲したという独自のJ字型形状

カートリッジもまた標準装備として付属している。VM型の「VM520EB」で、一昨年一斉に発売されたVM500シリーズのひとつである。カンチレバーはアルミパイプ。スタイラスには接合の楕円針を装着している。

AT-HS10

VM520EB

まずは内蔵フォノ・イコライザーを通して試聴

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