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何ができる? 使い勝手は?

5年目に突入のアップル「CarPlay」レビュー。iPhone連携はカーライフに何をもたらすのか?

公開日 2018/05/07 08:00 編集部:風間雄介
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ほかにも純正ミュージックアプリの場合、楽曲の送り/戻しはもちろん、お気に入り登録、ステーション登録、ライブラリ登録など、主要機能はすべて音声で操作できる。たとえばライブラリ登録する場合は、ハンドルのボタンを押しながら「ライブラリに登録」と言うだけ。すると「登録しました」とSiriからフィードバックがある。

声で操作するのがSiriの基本だ

ただし、これは筆者のクルマの問題かもしれないが、音声認識の精度は今ひとつだった。「DAOKOを再生して」と何度指示しても、「石野真子の厳選したプレイリストを再生します」と言われてしまった。

なお、サードパーティー製アプリではこの音声操作が使えない。たとえばAmazon Musicを使っているときに、ハンドルのボタンを押して音声アシスタントを呼び出し「ビートルズを再生」と言うと、アップル純正アプリで再生が始まるといった具合だ。サードパーティ製の音楽アプリを使っているユーザーは、CarPlayのメリットを感じる場面が少なそうだ。

Amazon Musicを使っているときに音声アシスタント機能で選曲しようとすると画面のようなアラートが表示される

ほかにPodCastやオーディオブックの再生もCarPlayで行える。PodCastを日常的に利用しているという方には便利なのだろう。だがそれより、たとえばradikoがCarPlayに対応したら、社会的なインパクトは大きいはず。声でラジオ局を変えられたら便利だろう。実現にはいろいろ障壁がありそうだが…。

Bluetoothの方が便利なのでは? 疑惑

なお、iPhoneとナビを一度繋いでしまえば、CarPlayを起動中であっても、iPhoneはいつもどおり使うことができる。つまり、iPhoneの画面で選曲できる。

iPhoneとナビを接続していると、CarPlay非対応アプリの音も出力可能だ。試しにオンキヨー「HF Player」内のハイレゾ音源を再生してみたら、しっかり音が再生された。

このiPhone画面による操作をドライバーが行うのは危険だが、助手席に座った人が行う分には、手元で操作できて便利だ。ただしこの操作はCarPlay非対応ナビでも可能で、しかも以前から行えた。CarPlayの優位性とは言えない。

さらにもう一点付け加えておこう。最近のカーナビは、ほとんどの機種がBluetoothに対応している。Bluetoothであれば、ケーブルでつなぐ必要もなく、手軽に音楽を再生できる。またハンズフリー通話にも、多くのナビが対応している。また音声認識精度はそれほど高くないが、Siriを使うこともできる。

Bluetoothの音質も上々だった

CarPlayの大きな特徴で、メリットと言えるのは、何度も強調しているが、専用ボタンを使ったSiri操作が行え、音声フィードバックもクルマのスピーカーから行われるため、統合された使い勝手でSiriに指示できることだ。一方のBluetoothは、ワイヤレスの手軽さが最大の魅力となる。ケーブルをつなぐのでさえ面倒くさいという方は多いはずだ。

どちらも一長一短あるが、クオリティで比べるとどうなのか。ワイヤード接続のCarPlayによる音楽再生と、Bluetoothによるワイヤレスの音質を比べてみた。

Apple Musicで配信されているインディーロックバンド、Boy Azoogaの「Face Behind Her Cigarette」を、まずワイヤードで聴き、続いてBluetoothに変えてみた。すると一聴して腰高な音になり、少しシャカシャカ感が増すが、もともとそれほど音質がよいソースでないため、致命的なほど音質が劣化した印象は受けなかった。

だが、HF Playerを使ってロスレスのCDクオリティの音源やハイレゾ音源で比べると、その差は広がる。Bluetoothでは情報量の欠落が明らかで、ワイヤード接続によるメリットを実感した。

とはいえ、その音質差は、静かな場所で聴いて少し気になる程度。特に運転中は、その差をあまり感じられない場合が多いだろう。シチュエーションによって使い分けたい。

次ページ電話やメッセージをSiriで行うのは便利。一方、ナビは…

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