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直下型LEDバックライト搭載の注目機

【レビュー】4K REGZA新モデル「Z9X」シリーズの実力をチェック

公開日 2014/05/02 11:38 山本 敦
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映像調整メニュー内の「プロ調整」に入り、「1080p画質モード」を「ピュアダイレクト」に切り替える。このモードの選択時に4Kマスター映像信号が入力された場合、超解像の効果を抑えながら平坦部をより自然で滑らかなテクスチャーに整え、微少信号の再現性を高めながら細かなオブジェクトも引き立たせる。効果を切り替えながら比較してみると、モードをオンにした時にはテクスチャー感が際立ち、階調が明らかに滑らかになる。平坦部分の色彩が深みを増すことで、映像に立体感が生まれてくる。

新搭載の「ピュアダイレクトモード」も試す

次に、映画『華麗なるギャッツビー』のBDソフトを「映画プロ」モードで視聴した。チャプター3の、ギャッツビー邸で催される華やかなパーティーのシーンでは、色彩感の再現がナチュラルだ。パネルの色域再現幅が広がって余裕が生まれた分、無理して各色域を伸ばす方向に振り向けるのではなく、正確で自然な色合いにまとめる方向に画づくりを行っていると感じた。プールのエメラルドグリーン、紅潮した人物の肌に乗る柔らかな赤い色など、細やかな色味がとても自然だ。

パネル性能のゆとりを上手に活かして、花火に照らされるブラックのタキシードや女性のドレス、人物の肌色の明暗を丁寧に描きこむ。試作機での視聴だったため、シーンごとに色がシフトするなど若干の不安定さが残っていたものの、長時間の視聴にも疲労感を感じない、ナチュラルな色再現性を確認できた。量産モデルでは安定した再現力をみせてくれるだろう。

多岐にわたる映像調整メニューを用意し、細かい部分まで自分の好みを反映させることが可能

地上デジタル放送の映像も視聴した。歴代のREGZA「Zシリーズ」が搭載してきた「デジタル放送アップコンバートノイズクリア」はZ9Xにも引き継がれている。こちらは高精細な大画面テレビでデジタル放送を見るためにアップコンバート処理を行う際、発生しがちなブロックノイズやモスキートノイズを抑制するための技術だ。デジタル放送のノイズパターンに合わせた処理をかけながら、エッジ部と平坦部それぞれに最適なノイズ低減処理を施す。Z9Xシリーズではさらに、デジタル放送の映像を1フレームごとに解析しながら、ノイズが発生しているエリアをより高精度に検出し、それぞれに最適な超解像処理も行っている。

実際のテレビ番組を視聴してみると、テロップなど文字周辺の精細感が非常に高く、フォント周囲のにじみやチラつきを抑えた、鮮明な輪郭表示を実現している。平坦部の階調処理もより滑らかになり、映像の奥行き感や精細感によりいっそうリアルになった印象だ。

テロップ周辺のノイズも抑えられ精細感が非常に高い

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