パオロ・テッツォンがジョインしたDIAPASONの第1弾も登場

<香港ショウ>海外ハイエンドスピーカー最新動向。MAGICO、estelon、Raidho、AUDIOVECTOR等

公開日 2026/08/17 13:12 編集部:筑井真奈
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8月7日から9日まで開催された香港オーディオショウでは、多くのハイエンドオーディオブランドがその姿を見せる。日本に輸入されているブランド、されていないものも含め、いくつか話題のトピックをご紹介しよう。

輸入商社ROKSAN TRADINGは、MAGICO、DAN D’AGOSTINO、TRANSROTORなどのハイエンドブランドを中心に取り扱う大手ディストリビューター。メインの大部屋ではMAGICOの「S7(2026)」がウィーン・ハイエンドに続いて登場、DAN D’AGOSTINOのモノラルパワーアンプ「Relentless 800 Z」を組み合わせて迫力ある再生を行っていた。

MAGICOの「S7(2026)」がウィーンに続いて登場!

アナログプレーヤーはTRANSROTORとReedを活用していたが、Reedの光カートリッジ「Reed SF」をあえてTRANSROTORに取り付けて、Reedの光カートリッジ用フォノEQと組み合わせていたのが面白い。部屋では日本の歌謡曲が大人気で、柏原芳恵や飯島真理のレコードを再生していると、部屋に溢れんばかりに人々が集まり、スマートフォンで動画を撮影していたのが興味深かった。

TRANSROTORの「Metropolis FMD」にReedのトーンアーム「5T」&光カートリッジ「Reed SF」を装着

別の部屋では、デンマークのRaidho Acousticsのフロア型スピーカーも展開。スリムなキャビネットだが、力感と繊細なニュアンス感を両立するブランドとして、今注目のスピーカーメーカーのひとつ。

Raidho Acousticsは「TD 2.2 Signature」(外側)と「X2.8 WALNUT」(内側)の2モデルを再生

現在は、上位グレードの“TDシリーズ”と“Xシリーズ”をメインに展開している。取材時には2.5ウェイスピーカー「TD 2.2 Signature」をMOONのエレクトロニクスと組み合わせて再生しており、ララ・ファビアンの歌声は、どこか見知らぬ土地に誘われるよう。

輸入商社Aria Audioの部屋ではデンマーク・AUDIOVECTORの3.5ウェイ・フロア型スピーカー「R5 Arrete」が登場。ソウルノートのトップライン“3シリーズ”やiFi audioのシステムと組み合わせてデモンストレーションを行っていた。

AUDIOVECTORの「R5 Arrete」もウィーンに引き続き登場

独自開発のハイルドライバー方式のATMトゥイーターはもちろん搭載。アジア担当者によると、「フラグシップスピーカーの『R10 Arrete』(約15万ユーロ、日本円で2700万円程度)と同じAMTやウーファーユニットを採用しています。R10はコンセプトカーであり、 R5ではその技術を現実的なラインに落とし込みました」とのこと。肌触りのよい清潔なサウンドが魅力。

輸入商社Purist Audioの部屋では、estelonとWilson Beneschの2つの大型スピーカーを用意し、時間によって鳴らし分けを行っていた。estelonはフラグシップの「Extreme MKII」をVITUS AUDIOと組み合わせ、優美で可憐なサウンドを部屋全体に満たす。

estelon 「Extreme MKII」

一方のWilson BeneschはAudio Researchの真空管アンプを組み合わせ、まったく異なる硬質感あるサウンドを奏でていたのが印象的だった。Wilson Beneschは現在日本の代理店はないが、海外のショウでは見かけて毎度印象に残るスピーカーのひとつ。今回はラテン語で「すべて」を意味する「OMNIUM」というスピーカーを展示。ボリス・ベルマンの「プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番」の、ゴージャスで煌めくピアノサウンドは時間を忘れて聴き惚れてしまう。

Wilson Benesch「OMNIUM」

Sonus Faberを離れたスピーカーエンジニア、パオロ・テッツォンがイタリアのDIAPASONというブランドにジョインした、という話は以前から話題になっていたが、その第1作となる「DIDASCALIA」を会場で見かけた。

 DIAPASONの 「DIDASCALIA」

「DIDASCALIA」とはラテン語で“知識の伝承”といった意味を持つようで、価格は50万人民元(日本円では約1200万円強程度)。ONIXのエレクトロニクスと組み合わせて再生していたが、エッジのある三角形のデザインとは対照的に、柔らかく包み込まれるようなサウンドに心奪われる。

スペインのハイエンド・ケーブルブランド、Fono Acusticaの創業者であるフェリックス・アヴァロス氏が立ち上げた「Avalos Sound Design」のスピーカー「Ola」(日本円で約5000万円)も要注目。フェリックス氏も香港ショウに来場、これからアジア市場にも力を入れていく考えだという。B&Wの“D5シリーズ”やMAGICO「S7(2026)」と合わせて、今回のメインビジュアルにも活用されており、新しいハイエンドスピーカーブランドとして期待。

Avalos Sound Design「Ola」

メインビジュアルに活用されていたもう一つのスピーカーは、Siltech&Crystal Cableグループが展開するスピーカーブランド「Sphinx Audio」。こちらも日本では現時点では展開されていない。“スフィンクス”の名が示すように、古代エジプトのミイラを思わせるような造形で、透明度の高いサウンドが印象的。

Sphinx Audio「Element 5」

FYNE AUDIOは10周年記念モデルとなる「F1-10 Anniversary」を香港ショウにて初披露。 全世界30台限定だそうで、HMGのスタッフも力をいれて展開する。FYNE AUDIOの10年間の技術の総結集ということで、スーパートゥイーターの「SuperTrax」が装着されているほか、10インチの同軸ドライバーIsoFlareにゴールドのリングも華やかさを引き立てていた。

「F1-10 Anniversary」(左)と「F1-8S」(右)

そのほか、VIVID AUDIOのフラグシップスピーカー「MOYA」はCHORDのエレクトロニクスと組み合わせて再生し、堂々たる威容を響かせる。Franco Serblinは「Accordo Unica」を披露、LINNはPISTONIK搭載の最新アクティブスピーカー「360 EXAKT」をメインに展示し、来場者の目と耳を楽しませていた。

VIVID AUDIO「MOYA」

Franco Serblin「Accordo Unica」

LINN「360 EXAKT」

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