ミュンヘン・ハイエンドの出展ブランドのほとんどはステレオ再生のためのオーディオシステムを展示しているが、会場であるMOCの向かいにあるモーターワールドでは、高音質&高画質を追求する新ブランド「dorpo」が新製品発表会を行っていた。
中国のオーディオビジュアルブランド、「dorpo」が始動!
ロゴからも想像がつくかもしれないが、dorpoは元OPPO Digitalのメンバーが立ち上げたオーディオビジュアルブランド。中国南西部の東莞(Dongguan)に拠点を置いている。東莞は深圳と広州に隣接しており、電子部品産業で近年飛躍的な発展を遂げている。パーツサプライヤーなども含め、近年オーディオ市場においても名前を聞くことが増えた地名である。
説明会に登場したマイケルさんは、「dorpoは8K時代のホームシアターエキスパートです」と胸を張る。デジタル音声と映像処理技術に大きな強みをもっており、ブランド第1弾モデルとして、映像プレーヤーの“Xシリーズ” “UHPシリーズ” と、音楽再生向けのプレーヤー “DMPシリーズ” を展示。なお、いずれもディスクドライブは搭載しない。
Xシリーズからは「X3」と「X300」の2モデルを用意。「X3」は、“8Kスマートメディアプレイヤー”と謳われており、いわば「Apple TVのハイクオリティ版」とでも言えるだろうか。価格は350ドル、Prime VideoやYouTubeなどのアプリをインストール可能で、ドルビーアトモス、dts、ドルビービジョン、HDR10+に対応する。
左が「X300」、右が「X3」
「X3」の背面端子。HDMI接続が可能なほか、オーディオ出力も搭載している
ラインナップに共通して「FunPlay UI」と呼ばれる独自のUIを搭載しており、自社アプリはもちろん専用のリモコンでも操作が可能となっている。少し触らせてもらったところでは、OPPO Digitalに近い直感的な操作が可能で、UIの作り込みにも大きなこだわりを持っていると感じられた。
FunPlay UIという独自のインターフェースを搭載。Prime Videoなどのアプリをインストールできる
UHDシリーズはよりクオリティを追求するユーザーに向けたフルサイズモデル。発表会の時点では「UHP-3001」(969ドル)と「UHP-3003」(価格未定)の2モデルを発表。将来的にはフラグシップとなる「UHP-3005」というモデルも計画しているようだ。これらはアプリ利用に加えて、背面ドックからストレージを追加できるようになっていることも特徴で、ローカルの映像ファイルを多く所有するユーザーにとっての使い勝手も配慮されている。
dorpoの今後の製品ロードマップ
フルサイズモデルの「UHP-3001」
ドックから容易にストレージを追加できる
もうひとつのDMPシリーズは音楽再生に特化したもので、「DMP-A1」をラインナップ。ESSのDACを搭載し、Apple MusicやSpotify、KK boxなどのアプリをインストール可能で、ストリーマー/DAC/ヘッドホンアンプ/プリアンプまでが一体となっている。まさにいまのネットワークオーディオのスタイルに合致したプロダクトと予想される。
「DMP-A1」
ローカルファイル再生に加えて、各種ストリーミングアプリもインストールできる
dorpoブランドについて、現時点での国内導入は交渉中ということだが、日本市場への導入も期待したいプロダクトである。