【HIGH END】ソナスとのコラボモデルも登場、イタリアのラックブランド・BassocontinuoのCEOインタビュー!
イタリアのラックブランドとしていま注目の高いBassocontinuo(バッソコンティニュオ)。同社の創業者であるロレンツォさんに、ブランド立ち上げの背景と最新プロダクトについて初めて語っていただいた。

バッソコンティニュオは、2007年にイタリア北部のロンバルディア州にて立ち上がったブランドである。もともと化学の仕事をしていたロレンツォさんだが、オーディオへの強い情熱を持っており、友人のためにオーディオラックを試作したことがブランド設立の最初のきっかけだったそうだ。その友人にそそのかされて、ミラノのデザインショウにラックを出展したところ、これが大人気に。大きな手応えを得たロレンツォさんは、自社ブランドとしてしっかり立ち上げていくことにしたのだという。
ミュンヘン・ハイエンドの会場には、棚板のデザインが「ソナス・ファベール」のスピーカーそのままのラックが展示されていた。これはソナスのウッドを提供してもらって誕生した、文字通りのコラボレーションモデル。近年のソナス・デザインを象徴するV字の木目が美しい。Classicラインをベースにしながら、棚板を専用設計したものとなっており、ソナス×バッソのプレートも付与されている。

「私は自分自身のことを、オーディオマニアというよりは、あくまでオーディオ愛好家と考えています。この気持ちがリヴィオさんと非常に通じるところがあり、今回のコラボモデルが実現したのです」。リヴィオさんとは、もちろんいまのソナス・ファベールの開発を率いるリヴィオ・ククッツァ氏のこと。ソナス・ファベールの創業の地ヴィツェンツァも、バッソの本社から車で1時間程度と非常に近い。そんな2人の熱の近さが、今回のコラボモデルとして結実したというのだ。

北イタリアは、家具も含む木材の切削精度の高さでは群を抜く技術力を持つ。バッソコンティニュオのラックも、近隣にあるいくつかの協力工場とともに仕上げているのだという。
棚板の裏側も触れると皮張りの柔らかな手触り。「目に見えないところ」にも配慮された、高級家具ならではの繊細なこだわりも見て取れる。レザーはもちろん手作業で貼り合わせられており、メイド・イン・イタリアの匠の技が光る。

ソナス・ファベールのほかにも、アキュフェーズ・インスパイアモデルや、マッキントッシュ・インスパイアモデルも見える。これらはコラボモデルではなく、代理店などの要望を踏まえて、デザインを寄せて作っているものだそうだ。こういった細やかな仕上げの調整ができるのも、工場との緊密な連携ができるバッソの強みでもある。

もうひとつ面白いのがダン・ダゴスティーノとコラボして作った「パワーアンプボード」、こちらもネームプレート入りの公式コラボ!見ての通りのダンダゴ仕様!金属の色合いやラインの幅、角の丸みなどもダン・ダゴスティーノと細かく相談しながら仕上げていったそうだ。

バッソコンティニュオのラックは、支柱の高さや棚板などを自由に組み合わせて、オーディオシステムに合わせたラックを組み上げることができるが、どうしても高価になってしまう。そこで、より多くの人にラックの重要性を伝えたい、と考えて新たに立ち上げたのが、essenza(エッセンザ)by Bassocontinuoいうよりお求めやすいシリーズである。

こちらは高さを固定とし、棚板もシンプルな長方形、製造も一部自動化するなどしてコストダウンを実現しているもの。だが、会場に展示されていた「ストーン仕上げ」の風合いも美しく、オーディオ機器をより華やかに彩ってくれる(なお、国内向けにはバッソコンティニュオはノアが、エッセンザは完実電気が取り扱っている)。
ロレンツォさんに、「バッソコンティニュオの製品は、注文してから届くまでのリードタイムが非常に短い印象がありますが、何か理由はありますか?」と尋ねたところ、少し考えてから「ほかの会社が遅すぎるんじゃないですか?」と笑う。イタリアというと、ラテンで陽気なイメージが先立つが、特に北イタリアのエリアは、生真面目で実直なものづくりをするブランドが多い、というのは以前から感じていたことでもある。(ソナス・ファベールしかり。フィレンツェに拠点を置くM2techやVolumioしかり)

オーディオラックは、コンポーネントと同じくらいに、実は目にすることの多いアイテムであり、その美しさ、オーディオ機器とのマッチングの妙は、音楽を聴く喜びをより引き立ててくれる。もちろん使いにくいラックでは意味がない。

イタリアの精度高い切削技術と、オーディオへの深い愛情が生んだバッソコンティニュオのラック。「ソナス・ファベール」モデルは今年の東京インターナショナルオーディオショウでも持ち込まれる予定とのこと。ぜひこのイタリアの匠の粋を、ご自身の目で確認して欲しい。

関連リンク
トピック