【HIGH END】フランス気鋭のスピーカーブランド・トライアングルのCEOを直撃&ブックシェルフ「BR04」発表!
フランスのスピーカーブランドとして、いま日本でも注目高まるTRIANGLE(トライアングル)。ミュンヘン・ハイエンドにで現在のCEOであるHugo Decelle(ユーゴ・デケル)さんに、ブランドの成り立ちとその目指すところについて教えていただいた。

「トライアングルは、私の父の友人であるルノーさんが立ち上げたブランドです。彼はもともとインテリアデザイナーとして働いていたそうですが、オーディオへの情熱を捨てきれず、自分でスピーカー開発を始めたのです。1980年、パリでのことです」
ユーゴさんのお父さんであるオリバーさんは、当時パリで最初のオーディオ店のオーナーをしており、最初にトライアングルのスピーカーの扱いを開始した。その魅力に惚れ込んで積極的に販売、ブランドの認知度アップに大きく貢献したのだという。その功績もあって、共同出資者としてブランドに参画することになったそうだ。

2006年、家庭の事情からルノーさんは会社をオリバーさんに引き渡した。その後、2013年にユーゴさんが社長を継ぐ。「ルノーさん、そして父が残したブランドのエッセンスを守りながら、どう次の世代に繋がるスピーカーを使っていくか、ということが私の大きなテーマだと考えています」と青い瞳で強く訴えてくれた。
現在は、パリから北へ100kmほど離れたソアソンという街に拠点を起き、製品開発ならびに一部高価格帯製品の製造を行っている。安いラインについては中国の協力工場で組み立てているそうだ。キャビネットもドライバーも自社で開発できる、技術力の高いブランドである。
「安くて良いスピーカーを作りたい、という思いは創業時から変わっていません」とユーゴさん。実際今年のミュンヘン・ショウでも、超高額スピーカーが話題をさらってはいたが、「だからこそお求めやすい価格で、良質なスピーカーを作り続けていくことがますます重要になっており、私たちの役割もそこにあると考えています」と力強い。
新しい世代に向けたアプローチとしてユーゴさんが重視しているのが、アクティブスピーカーの展開である。「コンパクトなBOREAシリーズは世界的に大きく成功しましたので、これをアクティブ化しようと考えました。Bluetooth再生にも対応しますし、HDMI入力もあるのでテレビとも連携できます。フォノ入力もあります。今の若い世代は、レコードは持っているけど再生機器がない…という話はよく耳にしますよね。そういった方々にもアナログレコードを手軽に楽しんでもらいたい、と考えているのです」。若い世代の音楽ファンにもHi-Fiの魅力をしっかり伝えていきたい、と志も高い。


さらに、このショウで発表された新しいブックシェルフ型スピーカー「BOREA BR04」についても詳しく教えてくれた。既発売のBR03よりも一回り大きなウッド・キャビネットとなっており、フロントのバスレフポートの開口部も大きく、より低域の量感なども意識されているようだ。

25mmシルクドームによるトゥイーターと16cmセルロースパルプコーン・ウーファーによる2ウェイ構成。BOREAシリーズに特徴的な、トゥイータードームを抑えるように上下に配置されるフェーズプラグももちろん搭載。こちらは指向性をコントロールし、広い拡散性と正確な音像を実現するために配置されているという。
トライアングルのメイン試聴エリアでは、Musical Fidelityのアンプと組み合わせ、ブックシェルフの型の「BR04」、フロア型の「BR10」の再生を行っていた。明るく華やかなサウンドが、デモンストレーションルームを豊かに満たしている。

他にも、日本未展開ではあるが上位グレードのスピーカー「HI-FI PREMIUM」、ワイヤレススピーカーの「CAPELLA」なども展示されていた。「CAPELLA」は写真中央に見える「Stereo Hub」からワイヤレスに接続するタイプのスピーカー(DYNAUDIOの「XEO」が近いか)である。UPnPやRoon Readyのほか、WiSAにも対応するなど、新しいオーディオ規格を貪欲に取り入れたモデルとして注目だ。


さらに、いくつか将来発表予定のスピーカーも見せてもらった。まだ詳細は明かせないが、日本市場でも話題になりそうなプロダクトも用意されている。トライアングルの今後の展開、ますます目が離せなくなりそうだ。
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