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劇場用励磁型スピーカーで聴くレコードコンサート、7/15より群馬県みどり市「童謡ふるさと館」にて開催

公開日 2023/07/14 07:00 季刊・アナログ編集部
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群馬県在住の美術家・藤原本二さんが、自身の所有する劇場用励磁型スピーカーシステムを使用したレコード鑑賞会を開催する。開催日は7月15日(土)から10月8日(日)まで、各月第1週と第3週の土曜日と日曜日。

エルタス製のWE復刻システム

藤原さんの励磁型システムは、エルタス製ウエスタンエレクトリックの復刻システムで、群馬県みどり市にある童謡ふるさと館に設置されている。知人の大友義康さんがメンテナンスを行い、非常に良い状態で鳴らされているものだ。

美術家・藤原本二さん

藤原さんは過去20年間、「大きな空間でレコードを鳴らしたい」と、新潟市美術館や苗場プリンスホテル、桐生市の旧曽我織物工場などでレコード鑑賞会を開催してきた。

ここ近年はコロナの影響でお休みをしていたが、以前の参加者からも継続を望まれ、再開することとなったという。

レコードコンサートを前に藤原さんの音を聴こうと、童謡ふるさと館を訪ねた。わたらせ渓谷鉄道が走る緑がいっぱいの美しいところである。童謡ふるさと館には400人が収容できる大きなホールがあり、その端にウエスタンエレクトリックの復刻システムがセッティングされていた。

低域はTA-4181EQミラフォニック型システム、中域は594EQデュケイン・ホーン、高域は596EQという構成

藤原さんのかけるレコードを聴くと、30mという距離があるのに、音に勢いがあって明瞭。通常の家庭空間では味わえない、身体で受け止めるような聴こえ方である。

594EQコンプレッションドライバー

596EQトゥイーター

クレメンチッチ・コンソートの演奏するデュファイのミサは天から降りてきたように静謐で清澄。カヤ・ダンチョフスカのヴァイオリンもまるで人間が切々と叫ぶ声のように生々しい。造形的にも美しい劇場用システムでアナログレコードを再生し、大きな空間を響かせるさまは、ひとつのインスタレーション作品のようだった。

励磁型システムの奥にはたくさんのレコード・コレクションがある

藤原さんが聴かせてくれたLP

藤原さんは次のように語る。「大きな空間でレコードを鳴らしたいのです。皆さんの中にはレコードを鳴らすだけで何が生まれるのかとお思いの方もいるかもしれません。しかし大量の空気を振動させて聴くことで、ご家庭で簡単な装置で聴く時とは違う、豊かな感動が得られます。海外の多くの国では、教会で音楽が鳴る響きを聴いて育ちます。そういう感性で録音されたレコードを聴いて欲しい。子供達、若者に音楽を聴きながら踊って欲しいし、海外の合唱はこんなにも日本と違うことを知って欲しい。今後、廃校になった学校の体育館や、公共施設でもレコード鑑賞会を開催してみたいです。“音に特化した映画館”です」

エルタス製励磁電源

プレーヤーはRCA70A初期型、アームはWE5A、カートリッジはWE9A、シュアーN3D

レコードコンサートでは、来場者が持参したレコードも再生可能。興味のある方はぜひ、アナログレコードを持って足を運んでみよう。

【レコードコンサートの概要】
■日時:7月15日(土)、16日(日)、8月5日(土)、6日(日)、19日(土)、20日(日)、9月2日(土)、3日(日)、16日(土)、17日(日)、10月7日(土)、8日(日)
土曜13:00〜19:00 日曜13:00〜17:00
■場所:童謡ふるさと館
〒376-0303 群馬県みどり市東町座間367-1
■参加費:500円
■問い合わせ先TEL:090-2536-2986(藤原)

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