「生々しい今日性を帯びる」

ペトレンコ&ベルリン・フィルによるショスタコーヴィチのボックスセット。パンデミック期間中の無観客公演も収録

2022/12/15 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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ベルリン・フィル・レコーディングスは、キリル・ペトレンコ指揮による『ショスタコーヴィチ:交響曲第8,9,10番』のボックスセットを、2023年1月下旬に発売する。2枚組CDとBlu-rayがセットになって、価格は11,000円(税込)。国内取扱は(株)キングインターナショナル。

キリル・ペトレンコ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団『ショスタコーヴィチ:交響曲第8番、9番、10番』(KKC-9784/6)

「ファースト・エディション」に続くペトレンコとベルリン・フィルによるボックスセット。交響曲第8番は2020年11月13日に収録されたものだが、この期間は新型コロナウイルス感染拡大に伴ってフィルハーモニーは閉鎖されており、無観客での公演となっている。また第9番は同年10月31日、第10番は10月29日とそれぞれ閉鎖直前に公演された。

ベルリン・フィルとペトレンコは、観客のいないコンサートホールに向けて、演奏が人々の架け橋となることを願ってプログラムしたという。ペトレンコはこの時の演奏について、「ベルリン・フィルと私は、ショスタコーヴィチの交響曲を聴衆のいない会場で、それでもあらゆる聴き手に届くように演奏しました。それは特異な体験でした」と語っている。

CD1には「交響曲第8番」、CD2には「交響曲第9番」と「交響曲第10番」を収録。Blu-rayには3曲のコンサート映像と、キリル・ペトレンコのインタビュー映像、それに96kHz/24bitのステレオ音声と7.1.4chのドルビーアトモス音声が収録される。

また、全曲の96kHz/24bitハイレゾ音源をダウンロードできるコードと、デジタル・コンサートホールを7日間無料で試聴できるチケットコードを封入する。

本盤のリリースにあたりペトレンコは、「極めて限られた条件下でのみ合奏することができたパンデミック期に、私はショスタコーヴィチの音楽をかつてないほど身近に感じたのです。さらに、本盤が世に出る今、ショスタコーヴィチの音楽は、単に過去の声であるだけでなく、生々しい今日性を帯びてしまいました。ショスタコーヴィチの音楽は、とりわけ今日のような時期に、自由と民主主義の理想を信じるために必要な自信と力を私たちに与えます。彼は、私たちを勇気づけてくれるロールモデルなのです」とコメントを寄せている。

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