ナグラのアナログプレーヤーにも関心が寄せられる

<TIAS>ナスペック、PILIUMお披露目&アイソテックの電源聴き比べ/SMEのCEOがフラグシップ機を紹介

公開日 2022/10/28 18:54 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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本日より有楽町・国際フォーラムで開催されている東京インターナショナルオーディオショウ。話題の新製品が多数登場しているが、ここではナスペック、リジェール、ノア/アーク・ジョイア/太陽インターナショナルのブースの様子を紹介する。

ナスペック(ガラス棟G405)


ナスペックのブースでは、モニターオーディオ、プレイバック・デザインズ、ウィーンアコースティクスなど同社取り扱いブランドの新製品のほか、ギリシャのハイエンドブランド、PILIUMの国内初お披露目を行った。

ギリシャのハイエンドブランドPILIUMが初お披露目

PILIUMは、MAGICO「M9」のデモンストレーションに使われるなど、世界的にも評価の高いアンプブランド。ナスペックのスタッフが、今年のミュンヘン・ハイエンドで試聴してすっかり惚れ込み、国内導入を決意したのだという。まずはプリアンプ「Alexander」とモノラルパワーアンプ「Hercules」が登場、AUDIO NECのスピーカー「EVO3」と組み合わせてデモが行われていた。

モノラルパワーアンプ「Hercules」の端子部

また、アイソテックの創立者であるキース・マーティン氏も来日し、自社の電源関連アイテムを紹介。「創業時から電源の重要性にこだわり製品開発を続けてきた」と語り、特に昨今はスマートフォンなどの爆発的な普及で目に見えないさまざまなノイズが増えてしまっていると、電源対策の必要性が増していると説いた。

IsoTekの創業者キース・マーティン氏

会場ではノーマルの電源タップからアイソテックの電源タップへの入れ替え、また最新のパワーコンディショナー「V5 AQUARIUS」「V5 TITAN」を追加した場合による音質の違いをデモ。電源タップでは、空気感やサウンドステージの明らかな向上が聴き取れたことに加え、「V5 TITAN」をパワーアンプに使用すると、ギターの質感やパワー感に特に大きな変化が感じられた。

ほかにも、モニターオーディオからは、来年1月発売予定として「Platinum Series 3G」が登場。ブックシェルフ型のPlatinum 100、フロア型のPlatinum 200、Platinum 300の3モデルとセンタースピーカーを展開予定。ウィーンアコースティクスからは、「Haydn Symphony Edition Signature」と「List Reference」が登場する。

トゥイーター部が稼働するウィーンアコースティクスの「List Reference」

モニターオーディオの「Platinum Series 3G」

リジェール(ガラス棟G501)


今年初出展となるリジェールは、SMEのアナログプレーヤーと、参考出品としてレコードクリーナーの「LORICRAFT AUDIO」を展示した。

今年初出展のリジェールのブース

SMEのCEOであるスチュワート・マクネイリス氏も来日し、フラグシッププレーヤー「MODEL60」のデモが行われた。「MODEL60」はターンテーブル部、スピードコントロールユニット、電源ユニットの3筐体から構成。またターンテーブル部も、足元部分が分離されていることに加えて、2層になったメインシャーシがフローティング構造となっており、2重にアイソレートされているという。

SMEのCEO スチュワート・マクネイリス氏

トーンアームも「Series VA」(AはAdvanceの意味)に進化しており、CNS加工機で丁寧に削り出して測定限界までの精度を実現。F1カーなどSMEがこれまで培ってきた精密加工技術を、オーディオのために全力投球したモデルになっているという。

フラグシップモデルとなる「MODEL 60」

ノラ・ジョーンズの「Don't know why?」を聴けば、まさに眼前でノラが歌っているかのようなリアリティと温度感が生まれ、まさに音楽を聴く快楽に満ち溢れたアナログプレーヤーであると感じさせてくれた。

ノア/アーク・ジョイア(ガラス棟G402&G403)


ノアのブースでは、ソナス・ファベール&ブルメスターというハイエンドシステムを展開。ソナス・ファベールの「Aida II」をブルメスターの「159」で鳴らすスーパーハイエンドから、小型ブックシェルフの「Electa Amator」をブルメスター「216」で鳴らす比較的シンプルなシステムも展開。

ソナス・ファベールの「Aida II」とブルメスター「157」という超ハイエンド級の組み合わせ

スーパーハイエンドだけが描きうるの王者の風格もさることながら、下位システムにおいても、上位機種のエッセンスがぎゅっと凝縮されて、それぞれのブランドの美点がしっかり引き出されていることが伝わってくる。

また参考出品として、ブルメスター「216」の上位機種となる「218」も登場。展示のみで再生はなされなかったが、来年には正式に国内に導入する予定で進めているという。

参考出品されたステレオパワーアンプ「218」。写真では分かりづらいが「216」より背も高いとのこと

オールインワンスピーカー「OMNIA」の参考展示

アーク・ジョイアのブースでは、エステロンの「Forza」と、ディ・ベアのアナログプレーヤー「Topas」というシステムでデモ。「Forza」は、透明度高く豊かな響きを奏でており、 “このブランドにしか出せない音がある” と国内でも着実にファンを増やしているという。担当者も「さまざまな素材を組み合わせることで共振を排除する姿勢は、エステロンとディ・ベアに共通する点もあります」と語ってくれた。

アーク・ジョイアの部屋ではエステロンのForzaが透明度高いサウンドを聴かせる

太陽インターナショナル(ガラス棟G610)


太陽インターナショナルのブースでは、アヴァロンのスピーカー「Isis Signature」が登場。平面を組み合わせた複雑な形状が特徴だが、ナグラのパワーアンプで駆動されたその圧倒的な空間再現能力には思わず息を呑む。

広い空間を生かしてアヴァロンの「Isis Signature」を存分に鳴らす

またナグラの70周年を記念するアナログプレーヤー「REFERENCE ANNIVERSARY TURNTABLE」の精密なメカニズムにカメラを向ける来場者も多い。

ナグラの「REFERENCE ANNIVERSARY TURNTABLE」

そのほかにも、dCSのAPEXに進化したDACラインアップや、500万円を超えるヘッドホンアンプシステム「LINA」にも来場者の関心が寄せられていた。

APEXに進化したdCSのDACシリーズへの関心も高い

dCSのRing DACを搭載することでも話題のヘッドホン再生システム「LINA」

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