40社が集う北陸の大型オーディオイベント

第5回「北陸オーディオショウ」レポート。3年ぶりの開催に熱心なファンが集う

2022/05/06 季刊オーディオアクセサリー編集部・野間美紀子
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2022年4月29日(金祝)〜30日(土)、第5回「北陸オーディオショウ」が富山県民会館で開催された。コロナ禍で2年、開催を断念していたため、今回は3年ぶりの開催となった。

第5回「北陸オーディオショウ」が4月29、30日に開催された

北陸オーディオショウは、2016年春にスタートした北陸初の大型オーディオイベントだ。主催は、創業大正15年のオーディオ専門店の老舗・クリアーサウンドイマイ。北陸地方のオーディオ文化育成を目指し、多くのメーカー、輸入商社が参加している。

今回、富山国際会議場から富山県民会館に会場を変更し、入場料500円の有料イベントに切り替わったにもかかわらず、3年ぶりの開催を楽しみにしてやって来たオーディオファンは非常に多かった。

来場者は男性客のみならず、カップルで来ている人たちも少なからず見受けられた。また、30代から70〜80代くらいの目的意識を持って訪れたオーディオファンが多く、デモに対して熱心に質問する姿も目立つなど、会場は終始熱気に包まれていた。

県民会館の大会議室12室と小会議室7室を使い、40社がデモンストレーションを実施。単独で部屋を使うメーカーは2日間通しで、共同で部屋を使うメーカーは時間を区切り交替で行い、オーディオ評論家の石原 俊氏や土方 久明氏による特別講演も催された。

北陸オーディオショウを主催するクリアーサウンドイマイの代表・今井芳範氏は、会場にて次のようにコメントした。

主催のクリアーサウンドイマイ代表・今井芳範氏

「この北陸オーディオショウは、販売店主催ではありますが、販売目的ではない、音楽文化、オーディオ文化の啓蒙、育成が目的であることが大きな特徴です。

今年はコロナの影響で3年ぶりの開催となりましたが、たくさんの来場者の方々にお越しいただくことができました。

ご参加いただいたメーカーや輸入商社は40社。これまで店で取り扱いをしていなかったメーカーからも出展の申し込みをいただき、これからのご縁にも期待しています。海外のガレージメーカーが、この北陸オーディオショウで日本デビューをしたい、ということもあるといいなと、そんな夢も持って臨んでおります。

音楽があれば、言葉は要りません。人と人とが繋がっていきます。北陸に住む人は素朴で真面目。雪国であり、自然が豊かな環境で暮らしていく中で、音楽がないと困るなという思いが心からあります。たとえ、すぐにオーディオを買ってもらうことにつながらなくても、こうした場で本質を理解してくださった方々は、離れていかないと思います」

毎回、北陸オーディオショウは標語を掲げているが、第5回を迎えた今回の標語は、“well being〜今の自分、今の音楽”。世界情勢を鑑み、日々の暮らしの中で音楽、オーディオによってもたらすことのできる幸福をテーマにしている。今井氏はさらに語る。

「今、本当に幸福ですか? 心身ともに健康で、社会的に、持続可能な、落ち着いた幸福感を! というメッセージを“well being”に込めました。

1、2回目は、来場者の方とコミュニケーションをどう取るかを追求してきました。3回目は若い方や女性の方も含めた顧客文化の拡大を目標にしました。4回目は、大切にすべきは音だけなのか? クオリティだけなのか? を見つめ直してイヤホンや一体型のコンポーネントも含めた懐の深い提案を試みました。そして、第5回である今回は、SDGsも見据えた、人間の豊かな暮らしに貢献できる文化として、音楽、オーディオを楽しみましょうという提案をしたいと思いました」

今回のデモンストレーションの中で特に注目されたのは、B&W“800D4シリーズ”の全機種フルラインナップ。その講演を行ったディーアンドエムホールディングスの狩野氏は次のように語った。「3年ぶりに行ったデモで、広範囲に、他県からもお越しの熱心なオーディオファイルの方々が、6年ぶりに発売する800D4シリーズの説明と試聴を楽しんで聴いてくださっているのが、印象的です」

ディナウディオジャパンの佐藤氏も次のようにコメントした。「富山県は、持ち家率が日本一。家の中で音楽を聴くことを楽しみにしてくれています。こうしたところに広く浸透させたいと思いまして、ハイエンドモデル中心というのではなく、リーズナブルなものからしっかりと紹介をしています」

KEFのブースでは、スピーカーの新モデル「Blade One Meta」が登場。製品の前で記念撮影をしていた来場者カップルに話を聞くと、次のように答えてくれた。「普段北陸に住んでいて、あまり触れたり、聴いたりする機会のない製品をこうして見て聴くことができたり、メーカーの方々とも直接お話できたりするのが嬉しいです。Blade One Metaも初めて見ましたが、かっこいいです」

密を避ける対策や手指の消毒を喚起しながらデモが行われた会場内は、お互いのいたわり合いが感じられた。参加者にも来場者にも共通して、オーディオの趣味を大切にしていきたいという思いがあることが伝わってきた。

以下、現地の様子をフォトレポートにてお届けする。

YGアコースティックス「Hailey 2.2」をクレル「Iluusion II」「Duo 300 XD」で鳴らす。ラックもYG製。日本音響エンジニアリング「ANKH-I」「Hybrid ANKH-I」で調音も

アキュフェーズとソナスファベールのコラボレーション。「C-3900」「P-7500」「A-75」などのアンプと「OLYMPICA NOVA X」「IL Cremonese」などのスピーカーを組み合わせ、音の違いを実験


roonサーバーの機能を持ったLIEDSONのネットワークプレーヤー「ORATORIO」のデモ。パワーアンプは同ブランドの「ODEON」、スピーカーはKEF「Blade One Mata」

大盛況のディーアンドエムのブース。B&W「801D4」をクラッセで鳴らしていた。このほか、マランツ30シリーズvsデノンA110シリーズの聴き比べなども


DS Audioの光カートリッジ「DS003」

エソテリックのGrandiosoシリーズでパラダイム「Persona 7F」とタンノイ「Canterbury/GR」を聴き比べ


クリプトンはリーズナブルな高品位スピーカー「KX-0.5 II」を披露。このほか「KX-1000P」「KX -5P」も

リンジャパンは「KLIMAX DSM/3」+「EXAKT AKUBARIK」システムを披露。フューレンコーディネートはピエガ「Premium701」をオクターブ「V70 ClassA」で鳴らした


スペックのモノラルパワーアンプ「RPA-MG1」をピュアダイレクトコントロールアンプ「RPA-MGC」と組み合わせて鳴らす

フェーズメーションでは、6筐体構成のフォノイコライザー「EA-2000」と3筐体構成の「EA-1200」の聴き比べが行われた


TADはDAコンバーター「TAD-DA1000TX」を披露。「TAD-E2」や「TAD-CR1TX」を鳴らした

完実電気のデモではデビアレ「Expert 250 Pro」のSAM機能の有無を比較した


タイムロードはCHORD「Hugo M Scaler 」「DAVE」「Ultima Pre2」「Uitima5」にNODE「HYLIXA」を組み合わせたハイエンドオーディオを提案

ラックスマンは新しいトーンアームを搭載したアナログプレーヤー「PD-151MARKII」、ディスクプレーヤー「D-10X」を中心にデモ


トライオードのブースでは「EVOLUTION」「MUSASHI」「TRZ300W」など話題のモデルを試聴。300Bはトライオード球とウエスタン球の聴き比べも

ノアの講演では、ドクトルファイキャルトアナログの「Blackbird 2」とブルメスター「061」「088」などで石川さゆりや柏原芳恵のレコードを再生し、オーディエンスを虜に


エミライブースでは話題のBenchmark「LA4」「AHB2」を披露


JBL「4349」「project K2 S9900」を中心とした試聴を行った。マークレビンソンの「No.5105」「No4105」と組み合わせて

サエクはスタビライザー「SRS-9」とターンテーブルマット「SS-300Mk2」などアナログ周りの製品をデモ


GRESIMのアクティブベースボード「響」をREGA「Planar10」の下に設置した比較試聴

SOULNOTEのブースでは「D-3」「P-3」「M-3」を使ってファイル再生中心のデモを行った


ソニーはスピーカーシステム「SS-AR2」のデモを行った

SMEの「Diamond Series SYNERGY」のデモでは、熱心なファンがレコードをリクエストしていた


ダイアモンド・カンチレバーを採用したオルトフォンのカートリッジ「Verismo」など、アナログのデモも多数

ファインオーディオは「F1-12」をはじめとしたラインアップを、ダン・ダゴスティーノで鳴らした


ソフト販売コーナーも人気。アナログレコードが目立った

ディナウディオは「The Special Forty」のほか「Confidence30」「Emit30」などリーズナブルモデルを、LUMIN「P1」「AMP」「M1」と組み合わせてデモ

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