ナガオカトレーディングが実施

「レコード針供養」今年も無事開催。「レコードの針、人間関係と同じ」

2021/03/10 オーディオ編集部:伊佐山 勝則
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(株)ナガオカトレーディングは、 “レコード針の日” にあたる3月9日、昨年に続いて今年も、埼玉県秩父市にある音楽寺で「レコード針供養」を実施した。

一般ユーザーから募った使用済のレコード針を奉納する

同社の創立80周年を迎えたことを機に、昨年2020年より復活したこの「レコード針供養」。「日頃良い音を奏でてくれている針に感謝し、針を交換する重要性、レコードを良い音で聴く習慣のきっかけ作り」のため、今年も執り行われた。

音楽寺は鎌倉時代にその起源を持つ秩父札所の第二十三番にあたり、秩父ミューズパークの北東に位置している。正式名称は「松風 音楽寺」。秩父札所を開創した十三人権者が、この山の松風の音を聴いた際、菩薩の奏でる音楽に感じたことがその由来と言われ、音楽のパワースポットとして、音楽に関わる多くの人々が訪れるという。

針供養が行われた「音楽寺」の本殿

秩父盆地が一望でき、札所の中で最も眺めのいい寺としても知られる音楽寺。2021年の3月9日はまだまだ冬の寒さが残るなかであったが、今年も温かな気持ちの関係者が集い、供養が執り行われた。

本殿には今年も全国のユーザーから預けられた、使用後や折れてしまった数百個のレコード針を用意。住職のお経とともに「針供養」が執り行われた。

今年も数百個のレコード針が供養のために集められた

供養のあとにはお札を受け取り、住職から意義深いお話があった。

無事供養を終えて、今年のお札を授かる

「レコード針の接点は本当に小さなものです。でもあらゆる物事は小さな接点で繋がっています。車や飛行機だって最終的にはタイヤの小さな設置面積で地面と繋がっているし、事故もほんの小さなことから起こります。人間関係も同じです。人間同士の小さな接点が外交関係に繋がっていくこともあるのです。小さな接点をないがしろにするのは非常に危険なのです。レコードの針も非常に小さなものですが、人生を変えてしまうほどの力があると思います。小さな針が幸せも涙も喜びも運んでくれます」

住職によりレコード針供養のお経が唱えられる。なお住職も学生時代はクラリネットを演奏。阿佐ヶ谷の「ヴィオロン」にも通いレコードを楽しんだり実際に演奏もしたという

最後に観音像がある本堂に移動。このお寺の名前の由来ともなった鐘を鳴らし、今年も無事に供養を終えた。

最後に秩父市の文化財に指定され、1768年に鋳造されたという梵鐘を鳴らす

「この行事はぜひともこの3月9日に毎年続けていきたいです」と語る(株)ナガオカトレーディングの代表取締役 長岡香江氏。秩父盆地に鳴りわたった鐘の音は、春の訪れとともに、同社の末長い繁栄と、コロナ禍からの1日も早い終息への願いが込められていた。

写真左が「音楽寺」の総代、原島 久さん。ご自身もピアノを演奏。昨年はご自宅にスタインウェイのピアノを導入したという。右は(株)ナガオカトレーディングの代表取締役である長岡香江氏を始めとした同社のスタッフ

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