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熟練の生産スタッフ、全数検査も実施

Technics「SL-1000R」の生産ラインを見た。宇都宮から世界へ「高度なモノづくり」を広げる

編集部:小澤貴信
2018年03月27日
パナソニックはTechnicsブランドより、ダイレクトドライブ方式のターンテーブル「SP-10R」と、SP-10Rを用いたアナログレコードプレーヤー「SL-1000R」を5月25日に発売する。本機の発表に先駆け、両機の生産を行う栃木県・宇都宮市の同社工場「モノづくり革新センター」にて、各製品の製造現場が公開された。

工場内の試聴室で検査が行われるSL-1000R

Technicsの生産ラインの様子

1967年に創設された本工場では歴代の同社テレビが製造されてきたが、現在でもVIERAシリーズの有機EL/液晶4Kテレビが製造されている。2014年にはテクニクスの復活に合わせて専用の生産ラインが設けられ、フラグシップ「Reference Class」のR1シリーズ、ターンテーブル「SL-1200G」「SL-1200GR」が生産されてきた。今回登場する「SP-10R」「SL-1000R」も、この場所で製造されることになる。

今回短時間ながら、この「SP-10R」「SL-1000R」を製造する現場を見学することができた。

Technicsの生産ラインへの入り口

テクニクスの生産ラインは埃などの異物が入らないよう厳重に管理されていて、見学にも専用の着衣や帽子を身につける必要がある。この場で組み上げられるために納品された部品や材料についても、すべて外部で梱包から出され、異物が混入しないよう生産ラインへ持ち込まれる。

テクニクス製品の製造、組み上げを行を担当するのは、厳しい訓練と習熟評価テストを受けた上で認定を受けたスタッフのみに限られる。製品の組み上げは流れ作業ではなく、1台分のパーツを一ヶ所に全て用意した上で、1台1台入念に組み上げていく。検査についても全数に対して、回転機構のチェックをはじめ、細かく実施されている。

整然としたTechnics生産ライン

当日はSL-1000の組み上げが行われていた


1台に用いる全パーツをまとめて用意して、1台ずつ丁寧に組み上げていく

こちらはプラッターにタングステンを埋め込む作業


インシュレーターを組み上げる作業工程

こちらはプラッターの回転をテストする工程

生産ラインの奥には、完成した製品のチェックを行う専用試聴室が設けられている。この試聴室にはフルセットのR1シリーズが用意されており、厳密な試聴テストも行えるようになっている。

生産ライン内に用意された試聴ルームにはフルR1システムが用意

こちらはプレーヤー系のシステム

また、ここにワウフラッターを測定するための装置が用意されており、生産された全数の個体で実際にレコードを再生して、ワウフラッターの値が基準に達しているか確認を行う。

ワウフラッターを測定するための装置群

写真の装置のメモリが示すのがワウフラッターの値だ

この日はすでに今後出荷される予定の「SL-1000R」が生産されていたのだが、職人的ともいえる技術によって1台1台が丁寧に組み上げられていく様子を確認することができた。

また工場見学の後に、同施設内に用意されている技術習得のための研修スペース「モノづくり道場」も視察できた。この場所は製品の生産に必要となる高度な技術やノウハウを効果的に習得することを目的に設置されており、グローバル基準のモノづくりを実現するための人材育成を行っている。

技術習得を目的とした「モノづくり道場」も見学

生産ラインを模した研修スペース

道場ではビス留めから工具の取り扱いに至るまで、実際の生産工程を想定した様々な研修コーナーを用意。ここで一定の習熟評価を得られなければ、テクニクス製品の製造を担当することはできない。

こちらは正確にネジを埋め込むテスト

各種の工具の使い方も研修にて学習する

モノづくり革新センターは、「商品を鍛える」「モノづくりを鍛える」「人を創る」の3つをミッションとして、宇都宮から全世界へパナソニックのモノづくりを発信していくことを目指している。SL-1000Rの製造における卓越した技術や整備された生産環境は、まさにこのミッションを体現したものと言えるだろう。

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