ユニバーサルミュージックの「SA-CD〜SHM仕様〜」をいち早く聴いてきた

公開日 2010/04/21 17:50 ファイル・ウェブ編集部
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ユニバーサルミュージックから6月23日に発売される「SA-CD〜SHM仕様〜」(関連ニュース)。その音をいち早く試聴できるプレスイベントが、本日都内で開催された。

「SA-CD〜SHM仕様〜」は、簡単に言えば「SHM-CDのSACD版」。CDの基板となるポリカーボネートを透明性の高い液晶パネル用素材とすることで、読み取りレーザーの透過率を向上させ、高音質化を図るものだ。

現在主流になっているSACDはCDとのハイブリッド版が多いが、これはSACD層の上にCD層を重ねるため、SACD層の反射膜にはある程度の透過性が必要になってくる。そこで「SA-CD〜SHM仕様〜」では、SACD層のみのシングルレイヤー型とすることで透過性を排除し、音楽情報を余すところ無く読み取るのに十分な反射率を確保したという。

また、収録する音源にもこだわりを見せる。第一弾にラインナップされた20タイトルは、既存のDSDマスターから、新たにアナログテープをダイレクトリマスタリングしたものまで、現在用意できる最良のものを厳選して使用しているとのことだ。


SHM-CDの生みの親、新倉紀久雄氏
試聴会には、SHM-CDの生みの親である新倉紀久雄氏が登場。「SHM-CDが非常に好評で、ユーザーからも『SHM-CDのSACD版は出ないの? もうCDは持っているし、シングルレイヤーでSACDの音質を追求したものが欲しい』という声をいただいた。今回注意したのは『プレーヤーに負担をかけないこと』。そのため可逆圧縮していないデータにしようということになり、2chのみの収録とした。マスター音源もベストなものを用意。現在なし得る最高のものを提供したいという思いで作った」と語った。


ユニバーサル インターナショナル 飯塚義典氏
同じく登場したユニバーサル インターナショナルの飯塚義典氏は「ユニバーサルミュージックは2001年にSACD市場に参入したが、その後今回の再参入は、『CDやアナログの愛好者に最高のものを届けたい』という気持ちから決めたもの。“回転系メディアの限界に挑戦する”ことを目指した『SA-CD〜SHM仕様〜』をぜひ体験してほしい」と思いを述べた。

なお、6月23日の第一弾発売後は、隔月程度のペースで次弾をリリースしていく予定だという。

■実際に音を聴いてみた

さて会場で実際に音を聴いてみた印象をお伝えしよう。今回は「レット・イット・ブリード」、「ゲッツ/ジルベルト」、「ブラームス:ドイツ・レクイエム」の一部を、ハイブリッドSACDのCD層/SACD層、SA-CD〜SHM仕様〜で聴き比べることができた。

まずCDとSACDの差が歴然なことに驚く。情報量が圧倒的に増え、響きや音の柔らかさが格段に違う。CDでは硬質な印象だった「レット・イット・ブリード」のボーカルが、SACDでは響きが増えて生き生きしたように感じた。

続いてSA-CD〜SHM仕様〜を聴くと、CDとSACDほどの大きな差はないものの、記者が聴いても分かるほどの違いがあった。SACDでは響きが増えた分、少しフワフワとした印象になってしまっていた音の輪郭がハッキリし、「音の発信源(ボーカルや楽器)の姿」が定まったような印象を受ける。新倉氏曰く「SA-CD〜SHM仕様〜は重心が低くなり、安定感の高い音になる」とのことだが、確かにそうであるなと感じた。

「SA-CD〜SHM仕様〜」の詳細なレポートは5月21日発売のオーディオアクセサリー137号に掲載される予定となっているので、ぜひ期待していただきたい。

【第1回 2010年6月23日発売タイトル】

●ロック/ポップス 10タイトル
・レット・イット・ブリード/ザ・ローリング・ストーンズ
・フーズ・ネクスト/ザ・フー
・いとしのレイラ/デレク・アンド・ドミノス
・461オーシャン・ブールヴァード/エリック・クラプトン
・童夢+2/ザ・ムーディー・ブルース
・彩(エイジャ)/スティーリー・ダン
・シンクロニシティー/ポリス
・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ/ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
・フィルモア・イースト・ライヴ/オールマン・ブラザーズ・バンド
・ホワッツ・ゴーイン・オン/マーヴィン・ゲイ

●ジャズ 5タイトル
・ゲッツ/ジルベルト/スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
・ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン/ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン
・至上の愛/ジョン・コルトレーン
・エラ・アンド・ルイ/エラ・フィッツジェラルド
・サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1/サラ・ヴォーン

●クラシック 5タイトル
・ブラームス:ドイツ・レクイエム/カラヤン指揮ベルリン・フィル、他
・サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン》/バレンボイム指揮シカゴ交響楽団、他
・バルトーク:管弦楽のための協奏曲、他/ショルティ指揮シカゴ交響楽団
・リスト:ピアノ作品集/クラウディオ・アラウ(ピアノ)
・バッハ:管弦楽組曲第1番、第2番/リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団、他

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