ソニー、コンパクトサイズの“大人のコンポ”「System 501」を発売

公開日 2007/02/08 14:44
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“System 501”
ソニーは、筐体を小型化したオーディオシステム「System 501」を3月10日に発売する。

System 501は以下の3製品で構成される。単品での購入も可能。

 ・プリメインアンプ「TA-F501」 ¥93,450(税込)
 ・SACD/CDプレーヤー「SCD-X501」 ¥70,350(税込)
 ・ブックシェルフスピーカー「SS-K10ED」 ¥70,350(ペア・税込)

System 501は、昨年11月に同社が発売したプリメインアンプ「TA-FA1200ES」、SACDプレーヤー「SCD-XA1200ES」、スピーカーシステム「SS-K30ED」をベースに、筐体の小型化を図ったモデル。プリメインアンプのTA-F501とSACDプレーヤーの「SCD-X501」は、いずれも奥行きを250mm程度に抑え、省スペースでの設置を可能にした。同社では本シリーズを“大人のコンポ”と位置づけ、団塊世代や団塊ジュニア層など、30代から50代をターゲットに拡販を狙う。

昨年9月に発売した1200シリーズ

プレーヤーとアンプの奥行きは25cmに抑えた

またソニーマーケティングは、本シリーズのコミュニケーションワードに「Pure Heart Audio」を設定。同社のハイビジョン製品で使われている「Sony Hi-Vision Quality」と同様、オーディオ機器の広告宣伝に活用していく。「本シリーズが成功を収めれば、第2弾、第3弾の製品を出したいという希望はある」(ソニーマーケティング 取締役執行役員常務の鹿野清氏)という。

●デジタルプリメインアンプ「TA-F501」

TA-F501は、同社独自の32ビットフルデジタルアンプ“S-Master PRO”を搭載したステレオデジタルアンプ。実用最大出力は75W+75W(6Ω)だが、100W+100W程度の出力にも耐えられる性能を持っている。

TA-F501

TA-F501の背面端子部

デジタルアンプは、アナログアンプに比べ発熱が少ない。本来は熱を逃すヒートシンクが不要なくらいだが、安全試験を通すためにヒートシンクが必要になる。本機には、フィンやピンを複数並べた通常のヒートシンクではなく、ブロック型のヒートシンクを装備。余分な振動がないため音質が高まるとのことで、同社技術者が以前から採用したいと希望していたものなのだという。

ブロック型のヒートシンクを装備

アンプの内部構造

また、基板はすべての信号回路を1枚のメイン基板に構成するワンボード方式を採用。音声の入力部から出力部までコネクターを経由する必要がなく、信号の劣化が最小限に抑えられる。

電源基板はメイン基板上に2階建て構造で配置。これにより、メイン基板の必要箇所に対して最短距離で電源供給が可能となっている。電源は小型化のためスイッチング電源を採用しているが、様々な工夫を凝らして音質を高めているという。

音場補正用のステレオマイクも付属する

スイッチング電源には様々な工夫を凝らしたという

筐体にはFBシャーシを採用し、剛性を高めた。底板は2mm厚で、このクラスでは異例の厚さとなっている。

筐体のサイドも重厚感を感じさせる仕上がり

天板を叩いても鳴きはほとんどない

機能面では、自動音場補正機能「D.C.A.C.」(Digital Cinema Auto Calibration)を搭載。ステレオマイクが付属し、独自開発のテストトーンによって高速でスピーカーの距離と音量バランスを調える。また、スピーカー周辺の壁からの反射音を抑えることも可能。D.C.A.C.の設定パターンは、ソニーが設計時に音決めを行う環境を再現した「エンジニア・リファレンス」、すべてのスピーカー特性をフラットにする「フルフラット」、距離とレベル設定だけを残し、イコライザー補正を行わない「オールイコライザーオフ」の3つを用意する。

サラウンド音声のデコードも可能。ドルビーデジタル/DTS/MPEG-2 AACに対応し、一度マルチチャンネル信号にデコードした後、ステレオにダウンミックスして出力する。

アナログ入力はPHONO、TUNER、SACD/CD、TAPEの4系統を装備。デジタル入力は同軸が3系統、光が1系統となる。なお、スピーカー端子では異種金属の接合を行わず、音質劣化を防いでいる。

そのほか、再生音量に合わせてイコライジングカーブを自動調整する「ラウドネス機能」を搭載。小音量時でも迫力のある再生が行える。

●SACD/CDプレーヤー「SCD-X501」

SCD-XA1200ESをベースに小型化を図ったSACDプレーヤー。アナログ5.1ch出力端子も装備し、マルチチャンネルSACDの再生も行える。「一番小さいマルチ対応のSACDプレーヤー」(同社)という。

SCD-X501

背面端子部

DACには“スーパーオーディオD/Aコンバーター”を採用。1つのIC内に複数の1ビットDACを搭載し、各DACの信号をIC内で加算処理することで歪みの平準化を行っている。

また、オーディオ専用のマスタークロックを採用し、さらにDACの間近に配置することで、クロックの純度を高めている。

内部構造

シンプルなリモコンも付属。左はプレーヤー、右はアンプのもの

シャーシはTA-F501と同様強固に設計し、底板に2mm厚の金属ベースを採用したFBシャーシを採用。さらに真鍮性の支柱を立てて基板を固定し、剛性を高めている。

出力端子は、アナログ2ch、アナログ5.1chに加え、同軸デジタルと光デジタルも各1系統ずつ装備。また、電源ケーブルは着脱式としている。

●ブックシェルフスピーカー「SS-K10ED」

2ウェイのブックシェルフスピーカー。ウーファーは12cmで、振動板はアラミド繊維を採用。磁気回路には大型マグネットを搭載し、反応速度を高めた。またウーファー筐体にはアルミダイキャストフレームを採用している。

SS-K10ED

スピーカー端子部

トゥイーターは2.5cmで、カーボン・グラファイト・コンポジット振動板を採用。70kHzまでの再生が可能となっている。

筐体は曲げ木加工を採用し、剛性を高めた。また、この形状にすることでキャビネット内部の定在波を抑えることが可能になったほか、外部の音の回折による波面の乱れも防ぐことができる。キャビネットは黒のピアノフィニッシュが施されている。

「System 501」の発表会の模様はこちらでご紹介している。

【問い合わせ先】
お客様ご相談センター
TEL/0570-00-3311

(Phile-web編集部)

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  • ブランドSONY
  • 型番TA-F501
  • 発売日2007年3月10日
  • 価格¥93,450(税込)
【SPEC】●実用最大出力:75W+75W(6Ω) ●高調波歪率(2ch/STEREO時):0.15%以下(6Ω負荷)50W+50W(20Hz〜20kHz) ●SN比:LINE…96dB(サラウンド、EQすべてOFF) ●デジタル入力:光1、同軸3 ●デジタル出力:光1 ●オーディオ入力:PHONO1、LINE系3 ●オーディオ出力:REC OUT1 ●消費電力:60W ●外形寸法:280W×111H×286Dmm ●質量:約4.6kg
  • ブランドSONY
  • 型番SCD-X501
  • 発売日2007年3月10日
  • 価格¥70,350(税込)
【SPEC】●DAC:スーパーオーディオD/Aコンバーター ●再生周波数範囲(SACD):2Hz〜100kHz ●周波数特性(SACD):2Hz〜40kHz(-3dB) ●ダイナミックレンジ(SACD):100dB以上 ●デジタル出力(CD再生時のみ):光1、同軸1 ●アナログ出力:2ch RCA×1、5.1ch RCA×1 ●消費電力:13W ●外形寸法:280W×111H×267Dmm ●質量:約3.9kg
  • ブランドSONY
  • 型番SS-K10ED
  • 発売日2007年3月10日
  • 価格¥70,350(ペア・税込)
【SPEC】●形式:2ウェイバスレフ ●ユニット:12cmコーンウーファー×1、2.5cmドームトゥイーター×1 ●インピーダンス:8Ω ●最大入力:110W ●出力音圧レベル:84dB(2.83V/m) ●再生周波数帯域:45Hz〜70kHz ●クロスオーバー周波数:3kHz ●外形寸法:194W×348H×282Dmm ●質量:約4.9kg