【山之内正の独ハイエンドショウ レポート3】ドイツでもアナログプレーヤー人気が再燃

公開日 2005/05/10 17:22
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ドイツの音楽ファンの間に根強いアナログレコード人気が続いているのはなぜだろうか。日本もそうだが、たんに人気が続いているというより、以前にも増して注目が集まっているという印象が強く、実に興味深い。

今回のハイエンドショーでも、アナログレコードプレーヤーはSACDプレーヤーと並んで重要な機器に位置付けられ、ピュアオーディオのブランドでは、ソースはデジタルだけというブースの方がむしろ少数派である。アナログはプレミアムオーディオという感覚が広く浸透しているのかもしれない。

展示方法においてもアナログを特別に扱うことで、プレミアムな存在として演出しているメーカーがある。日本にも製品が輸入され、その存在が次第に知られるようになってきたクリアオーディオがその代表である。


クリアオーディオのブースは展示方法に独自の工夫が見られる

照明を落とした同社の展示ルームは、まるでギャラリーか美術館のような雰囲気がある。レンブラントの肖像画やデューラーの版画の代わりに高級アナログプレーヤーを展示し、美しさを誇示しているのだ。レコードの試聴に加えて、アコースティックギターの生演奏が楽しめる演出も心にくい。


トランスローターのアナログプレーヤー。その名はなんと「ブルーレイ」

アナログプレーヤーとSACDプレーヤーをソース機器に併用するブランドが多い(アヴァンギャルドのブースにて)
高級アナログプレーヤーで知られるトランスローターも、モノとしての美しさを際立たせる展示を行い、来場者がさかんにカメラを向けていた。

ハイエンドオーディオでは音の良さに加えて製品のデザインや質感が重要な要素だが、アナログオーディオではそれが際立っている。日本でもアナログオーディオは人気が高まっているが、かつて優秀なプレーヤーを作っていた日本メーカーの製品が少ないのは残念というしかない。

(山之内 正)

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