山之内正のCES2009レポート

CES会場にみる「2009年デジタルAVの進化」 − トレンドの背景を読み解く

山之内 正

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2009年01月10日
CESはこの10年近く拡大基調で歩んできたが、2009年はこれまでとは雰囲気が微妙に違う。規模の縮小こそないものの、開幕初日は来場者の出足や会場の活気が昨年に比べてやや低調で、人が多すぎて取材が困難というブースはほとんどなかった。

それでも事前に懸念されていたほどの落ち込みではないようで、午後から夕方にかけては来場者が次々と詰めかけていつもの活気ある光景が蘇った。4日間の会期中、来場者数がどう推移するのか、注目していきたい。

初日はメイン会場であるコンベンションセンターの展示を急ぎ足で見て回る。主役は薄型テレビというのは今年も同じだが、各社ブースで目立つのは、北米でもようやくエコロジー志向が強まったことである。

■北米でも高まるエコロジー志向/3D展示のインパクトも大きい

電力と水の浪費にかけては世界最悪の都市ラスベガスでの「エコ」の展示はそれなりにインパクトがあり、タイミングも適切だが、それがどこまで来場者に伝わっているかは疑問も残った。日本で32型のKDL-32JE1を昨年発売して話題を集めたソニーは、新たに40型以上の大型モデルで省エネテレビを発表し、同一画像で従来型との消費電力の違いをアピールしているが、足を止める来場者がそれほど多くないことが気になった。


ソニーはECO HDTVと従来型モデルの画質と消費電力を比較

上のECO HDTVは4割以上の削減を実現していることがわかる
省電力の取り組み以上に目を引いたのは便利で快適な操作性を目指す試みで、こちらも各社が展示を競っている。ネットワークコンテンツの表示は実用レベルでの使い勝手を競う段階に入り、数社が採用したTV WidgetのわかりやすいGUIも支持を集めそうだ。


TV Widgetのデモンストレーション(サムスン)。通常の放送の脇にYouTubeの画像を表示している
操作性の改善については、モーションセンサーと組み合わせたユーザーインターフェイスの新提案が目を引いたが、同機能の実機への搭載は2010年以降になるだろう。手の動きと画面の動きのリンクや誤操作の防止策、音声認識機能との連動など、課題はまだ山積している。

3Dの展示はメーカーによって温度差があるが、関心の高さとインパクトの強さで他の展示を上回るものがあることはたしかだ。コンテンツはゲームとスポーツが中心で、特に完成度の高いCGと組み合わせたときの立体感には目を見張るものがある。

一方、3D効果を際立たせる映像ではなく、自然や日常の映像でのデモンストレーションを期待したのだが、その期待に応えてくれる展示は残念ながらほとんど見当たらなかった。各社が使っているソースでは目の負担が激しく、10〜20分程度が視聴の限界と感じるものが多かった。技術的には確実に進化していることは認めるが、ソースの選択に問題があると思う。

薄型テレビの「画質の進化」に成果は見られたのか?

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