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公開日 2026/10/16 10:08
「圧倒的な物量投入」で高音質化図る

ソニー、“ウォークマン史上最高音質”の新フラグシップ機「NW-WM1ZM3」。兄弟機「NW-WM1AM3」も

編集部:小野佳希


 NW-WM1ZM3(※外観は最終製品版と一部異なる/以降すべて同)


ソニーは、ウォークマンのフラグシップ機「WM1シリーズ」の新モデルとして、“ウォークマン史上最高音質”を実現したと謳う「NW-WM1ZM3」と兄弟機「NW-WM1AM3」を11月27日に発売する。


オープン価格だが、「NW-WM1ZM3」は税込655,000円前後、「NW-WM1AM3」は税込347,000円前後の実売が予想される。


なお、同じくハイエンドウォークマンの新製品として「NW-ZX900」も発表。こちらは別記事でレポートしている。



新モデル3機種のサイズ比較


4年半ぶりのフラグシップウォークマン


「NW-WM1ZM3」は、2022年3月に発売した「NW-WM1ZM2」の後継にあたる、新たなフラグシップモデルとなるポータブルオーディオプレーヤー。新電源構造、システムおよびメカ構造の進化など、様々な面で音質強化を図ったとのことで、「最高音質を徹底的に追求し、アーティストの伝えたい想いを届ける究極のポータブルプレーヤー」だとアピールしている。


なお、前モデル「NW-WM1ZM2」と同様に「NW-WM1ZM3」も、ソニーのオーディオ機器の最高峰モデルが冠する「Signature Series(シグネチャーシリーズ)」の名前を付与。シグネチャーシリーズの製品群はすでに全モデルが販売を終了していたが、今回の「NW-WM1ZM3」で展開が復活する格好だ。



初代機(左)・2代目(中央)・新モデル(右)の背面


「NW-WM1AM3」も上記「NW-WM1ZM3」と同じく新電源構造の採用など様々な面で音質を強化。シャーシ素材など一部の仕様を変更することで「NW-WM1ZM3」より価格を抑えている。なお本機はシグネチャーシリーズの名前は冠さない。


まず製品の概要としては、両モデルともAndroid OS(Android 16)を搭載し、Wi-Fi対応によって各種サブスクリプション型音楽ストリーミングサービスなどでの音楽再生も可能。オーディオパスのカスタマイズによりサードパーティーの音楽アプリやサービスでも高品位に再生できるようにしている。また、360Reality Audioおよび360Live立体音響にも対応している。


低消費PFの採用や新規プラットフォームへの乗り換えなどによって省電力化およびロングバッテリー化を実現。プリインストールされている「W,ミュージック」アプリを使用、かつバランス接続時の音楽再生で最大33時間の96kHz FLACハイレゾ再生を楽しめるという。また、レスポンスの高速化など各種操作性の向上も図っている。


ディスプレイ部は5.5インチでフルHD解像度。5インチ/1,280×720解像度だった前モデルよりも大画面化したほか、W,ミュージックアプリでの音楽再生時の楽曲ジャケット画像の表示も大きくしている。


内蔵ストレージ容量は「NW-WM1ZM3」が256GB、「NW-WM1AM3」が128GB。両機ともmicroSDカードの使用に対応する。


 圧倒的な物量投入で高音質を追求


最上位機「NW-WM1ZM3」は「圧倒的な物量(素材)を投入し、ビス・締結構造に至るまで徹底的な高音質を追求した」モデルだとソニーは説明。メインシャーシの素材は前モデル同様に99.99%(4N)の無酸素銅だが、質量を増やすことで音質への効果アップを図っており、これにより伸びのある澄んだ高音や、クリアでより力強い低音域を実現したという。



リアシャーシも、前モデルでは切削アルミを用いていたが、今回は99.96%無酸素銅切削に金メッキを施したものへと変更。これによって、透明感があり、力強い表現が可能になったとのこと。さらに、音場も広く、微細音も再現できるようになったという。


そして、基板とキャビネットを共締めにせず、それぞれ独立して直接ビス締結するダイレクト締結構造を採用。通常は小型化や高効率化、低コスト化のために共締めにするところを、基板専用/リアキャビ専用のボスをフロントキャビに制作し、それぞれ直接ビスで締結させている。この直接締結によって、低抵抗でそれぞれGNDに接続されるため、繊細さと力強さの実現につながるという。


そのビスに銅メッキ下地に金メッキを施したものを使用することでも低抵抗化し、柔らかな伸びのある高域の実現を図っている。なお、「全箇所にこのビスを使用すると少しファットな音になる印象もあったため、聴感テストを繰り返して低抵抗金メッキビスと通常のビスを使い分けて配置している」(同社スタッフ)という。


これらの物量投入によって、シャーシ部の質量は前モデルの274.9gから25%増となる343.4gに。最終的な本体質量は前モデルの約490gから約670gになった。大型化とともに重くもなったわけだが「開発中のモニター調査では『高音質化するのならこれくらいは許容できる』という声が多かった」とのことで、音質を優先させたという。


さらに、内部配線には2018年に発売した超弩級機「DMP-Z1」にも使っていた太径KIMBERケーブルを新たに採用。高品質な信号伝送ができるよう配慮している。



兄弟機「NW-WM1AM3」もリアシャーシ素材が金メッキ無酸素銅に


「NW-WM1AM3」は、切削アルミのメインシャーシと、プレス成型による金メッキ無酸素銅のリアシャーシとを組み合わせた構成を採用。前モデルではリアシャーシもアルミ素材だったが、今回は金メッキ無酸素銅へと素材のグレードが上がっている。これにより、最終的な本体質量は前モデルの約299gから約425gになった。


基板とキャビネットのダイレクト締結構造を「NW-WM1ZM3」同様に採用。一方で低抵抗金メッキビス、および太径KIMBERケーブルは本機では省いている。



電源部のさらなる強化でも高音質化図る


そして両モデルとも、「DMP-Z1」のSignature設計思想を継承した電源強化によっても高音質化を図っている。


まず、2基の大容量固体高分子コンデンサーをデジタル回路/オーディオ回路それぞれに独立して配置。デジタル/アナログ各ブロックがあたかも電源を分離したかのように動作することで、アナログブロックへのデジタルノイズの干渉を最小限に抑制するという。


また、オーディオ電源を専用OFCケーブルで直結。よりクリーンで低ノイズな電源を供給できるよう配慮した。「製造工程での不良効率も上がってしまうし、本来ならば組みあがった基板に後からはんだ付けするというのはご法度。しかし今回は音質を優先するためにあえて採用した」とのこと。



さらに、オーディオブロックの電源のバイパスコンデンサーすべてに、ソニー専用に開発しソニーのエンジニアが音質チューニングを施したFTCAP3を採用。これらの電源強化によって、聴感上のノイズが低減され、音の透明感と力強さが一段と向上したと同社は説明している。


そしてオーディオラインでは、巻き線に高純度4N導線を採用した大型バランスローパスフィルターを両機とも採用。加えて、金を含む新世代高音質無鉛はんだをリフロー部に採用したり、優れた電気特性を持つというFilled Via(フィルドビア)構造の基板を採用することでも高音質化を図っている。


なおフィルドビア構造とは、プリント基板のVIA部分を銅メッキで穴埋めした構造のこと。高周波機器での技術を応用したもので、VIA部分を穴埋めすることで電源の安定と配線インピーダンスの低減を図った。


そのほか、クロックには金蒸着・超低位相ノイズ水晶発振器を採用。これによって、分離感や低音の量感が向上し、ベールを一枚剥がしたかのようなクリアな高音質を実現したとアピールしている。



新機能「先読み型ノイズシェーパー」搭載


フルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載し、新機能「先読み型ノイズシェーパー」にも対応。S-Master HXが備える従来型のノイズシェーバーに加えて、今回新たにFPGA回路側に実装した先読み型のノイズシェーバーも利用できるようになった。


なお、先読み型ノイズシェーバーは両機とも適用効果をライト/バランス/ディープの3段階と、従来の(先読み型ではない)ノイズシェーバーとの合計4種類から選ぶことができる。


先読み型ノイズシェーパーでは、量子化ノイズを先読み計算して処理。これによって急峻な音の立ち上がりにも追従し、迫力のある低音とクリアでスピード感のある音を表現できるという。



そのほか、PCM音源を11.2MHz DSDに変換する「DSDリマスタリングエンジン」も引き続き搭載。今回から新たに、ストリーミング再生でも同機能を利用可能になった。


楽曲データをアップスケーリングする「DSEE Ultimate」も継続搭載。リアルタイムAI分析によってアップスケーリングを行う。


Bluetoothは、従来のLDAC、aptX、aptXHD、AAC、SBCに加えて、LC3、aptX Adaptive、LE Audioにも新たに対応。有線接続でのハイレゾオーディオロゴ認証に加えて、ハイレゾオーディオワイヤレスロゴの認証も引き続き取得しており、上述のDSEE Ultimateをサードパーティー製音楽アプリでの楽曲再生に対しても適用できる。


ヘッドホン/イヤホン端子には4.4mmバランスと3.5mmアンバランスを装備する点は従来通り。付属品として、USB Type-Cケーブルや、USB端子キャップおよびヘッドホン端子キャップなどが同梱される。



ソニーストア限定パッケージも用意


直販サイトのソニーストアでは限定パッケージ版も用意。限定100個を抽選販売する。


ソニーストア限定パッケージには、オーディオ・アクセサリーブランドの「musashino LABEL」(武蔵野レーベル)による特別デザインの専用ケースと液晶保護ガラス、ノベルティなどを同梱。外箱も限定デザインを採用している。

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