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公開日 2026/09/16 09:00
ロングセラーモデル「M-CR612」の上位機種

マランツ、CD/ネットワーク再生対応一体型Hi-Fiコンポ「MCR 60n」。レコード再生やテレビとの連携も

編集部:筑井真奈

ディーアンドエムホールディングスは、同社のMARANTZ(マランツ)ブランドより、CDとネットワーク再生に対応し、テレビとの連携も可能な一体型コンポ「MCR 60n」を10月上旬より発売する。カラーはシャンパンゴールド/ブラックの2種類で、価格は176,000円(税込)。



MARANTZ ネットワークCDレシーバー「MCR 60n」(ブラック仕上げ)


2019年に発売されてロングセラーを記録しているネットワークCDレシーバー「M-CR612」の上位クラスの製品となり、「M-CR612」とは併売される。



「MCR 60n」のシャンパンゴールド仕上げ


「MCR 60n」の開発背景について、マランツの高山健一氏は、「プレミアムクラスのオールインワンコンポが欲しい」という、市場からの声が大きく高まっていることがあると説明。


M-CR612がロングセラーとなった理由についても、「高音質と多機能とコンパクトが高次元に成立していた」点にあると分析、最先端の機能性を持ちながら、コンパクトなサイズでHi-Fiサウンドを実現するべく開発を進めてきたという。



Hi-Fi性能にさらに磨きをかけた 


小型筐体でHi-Fiサウンドを実現するために、「MODEL M1」で培ったクラスDアンプを採用。マランツは2015年の「HD-AMP1」以来、クラスDアンプの開発を着実に進めてきた。今作では最新世代のデジタルアンプを採用、電源部を強化することで、65W×2(4Ω)という出力を実現している。M-CR612同様、2組のスピーカー出力に対応する他、バイアンプ接続やパラレルBTLにも対応する。


開発にあたってサウンドマネージャーの尾形氏は、「コロナ禍があった2020年ごろから、設計のスタイルが変わった」とし、さまざまなパーツの比較検討などを「一人でとことん、納得行くまで追求することができるようになった」と振り返る。そのことが結果的に、マランツのHi-Fi製品の新しい可能性を切り拓いた。


筐体はポリカーボネート入りの樹脂となっており、トップには「MODEL 10」を彷彿とさせるステンレス製のメッシュポートを採用。ボトムパネルは音質面から密閉構造とせず、内部シャーシをインシュレーターが直接支える構造となっている。



トップパネル、ボトムパネルともに穴あき構造となっており、エアフローにも配慮して設計されている 


機能面ではHEOSに対応しておりAmazon Music、Qobuz等のストリーミングサービスに対応する他、新たにHDMI eARC入力を装備。テレビとの連携も実現する。またMMカートリッジ対応のフォノ入力も追加され、レコード再生にも活用できる。Bluetoothについては受信に加え送信機能も加わり、ワイヤレスヘッドホン等の再生にも活用できる。



MCR 60nの背面端子。右上のHDMI eARCが追加された他、MM対応のフォノ入力も新たに搭載された


外観は、マランツの創業者であるソウル・マランツ氏が1952年に自宅のキッチンで作り上げた「MODEL 1」からインスパイアを受けながら、控えめなラグジュアリーさと温かみを持ったデザインを追求。必ずスピーカーと一緒に使われるものとなるため、スピーカーとの調和も追求して開発されている。



デザインはソウル・マランツ氏が設計を手がけた「MODEL 1」からインスパイア 


トップパネルには「スマートセレクト機能」を装備。入力ソースや音量レベル、音質設定、サウンドモードなどを登録することが可能で、スマートセレクトボタンを押すだけで、登録した設定に一発でたどり着くことができる。


実際の使用シチュエーションについて、音楽をじっくり楽しむ「Listen to Music」、テレビと接続して音楽と映像の両方を楽しむ「Watch&Listen」、日常の中で“隣に寄り添う”オーディオ機器としての「Listen as BGM」といった3パターンの使い方を想定。現在の主要な音楽ソースをすべて1台で実現できる、高い機能性とHi-Fiサウンドの両立を狙っている。



レコードやスピーカーと組み合わせても馴染みの良いデザインとなっている 


音で“遊べる”プロダクト


マランツの試聴室にて、「MCR 60n」のデモンストレーションが行われた。シーネ・エイ「We've just begun」を課題曲に、2020年に発売されたフルサイズコンポ「PM6007」「CD6007」との聴き比べを実施。さらに、シングル接続のノーマルモード、パラレルBTL駆動、バイアンプ駆動の3パターンで聴き比べを行った。



Bowers & Wilkinsの「805 D4」にて試聴


メインスピーカーは「805 D4」を使用。「MCR 60n」が、フルサイズコンポと互角、あるいはそれ以上とも言える音質を苦もなく引き出していることに驚く。背景が静かになり、見通し感の良さが向上。そのことで、ベースの音程感が安定し、音楽の構造がよりよく見えてくる。だが過度に分析的になりすぎることもなく、ボーカルのニュアンス感などはウォームに響かせてくる。


パラレルBTLにするとどうなるか。楽器の輪郭感が鮮明になり、アーティスト同士の息遣いや関係性まで見える。前へ前へと駆動するボーカルの力強さにも耳を奪われる。


さらにスピーカーケーブルをもう1本用意し、バイアンプ駆動を実現。低域の存在感がググッと高まり、楽器の質感がよく見えてくる。一回り大きくなったかのようなスケール感が楽しく、1台のコンポでここまで音で“遊べる”プロダクトはなかなか貴重な存在だ。


ここで「801 D4」が登場してきた。価格帯的にもかなりシビアな戦いが予測されるが、サウンドマネージャーの尾形氏は自信たっぷり。これがなかなかに大健闘で、801 D4のヘビー級ウーファーをしっかりグリップし、細部のディテールまで見えてくるのには驚いた。



音質チューニングを担当したサウンドマネージャーの尾形氏


このままのモードで、映画音楽界のレジェンド、ジョン・ウィリアムズがサイトウ・キネン・オーケストラを指揮した『ジョン・ウィリアムズ・イン・トーキョー』から「帝国のマーチ」を映像ありで視聴。HDMI入力の搭載は「M-CR612」に対して非常に多く寄せられた要望だそうで、映像との連携がついに実現した。



MCR 60nは「801 D4」もしっかりグリップする


サイトウ・キネンの団員が、ジョン・ウィリアムズに対する高いリスペクトと親しみを持っていることが伝わってくる演奏で、録音のクオリティも非常に高い。オーケストラのメンバーが楽しみながら演奏しているさま、その表情までも映像ありだと臨場感豊かに伝わってきて、気分はすっかりサントリーホール。


MCR 60nは、日常に寄り添う音楽専用機としても、映像ありでも時間を忘れて楽しめる。まさにプレミアムなHi-Fiコンポーネントである。


サイズは280W×111H×303Dmm、質量は4.2kg。定格出力は65W(4Ω、1kHz)で、消費電力は55W。専用リモコンも付属する。

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