【黒木華 × 多部未華子 × 樹木希林】日々の大切さを教えてくれる一期一会の感動作
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2018年公開の『日日是好日』をご紹介します!
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『日日是好日』
(配信:Prime Video / U-NEXT)
発売元:ハピネット・メディアマーケティング/パルコ/販売元:ハピネット・メディアマーケティング
エッセイスト・森下典子のロングセラーエッセイを、『まほろ駅前多田便利軒』『星の子』『おーい、応為』の大森立嗣監督のメガホンで映画化。
一生をかけられる何かを見つけたいと思いつつも、「これだ!」というものを見つけられぬまま日々を過ごしていた大学生の典子(黒木華)。母の勧めでいとこの美智子(多部未華子)と一緒に茶道教室へ通うことになる。「タダモノじゃない」と噂の武田先生(樹木希林)の指導のもと、決まりごとだらけのお茶の世界に戸惑う典子であったが……。
お茶の世界の魅力や奥深さを描くのと同時に、一人の女性の人生におけるさまざまな出来事や感情の揺らぎを通して、タイトルの如く日々の尊さや大切さを映し出す本作。まずは何も考えずに型を身につけ、身体が勝手に動く状態へと持っていくなど、典子と美智子が茶道教室内で受けるあらゆる指導や言葉の一つひとつが、まるで生きていく上でのヒントのように思えてくる。
ありのままでは生きづらい現代社会。他人と自分を比較しては苦しくなったり、予期せぬ出来事に直面しては身動きが取れなくなったり、どうしようもない後悔に胸が苛まれてしまったりと、どうしたって人生には足踏みしてしまう瞬間が訪れる。
典子が歩む24年の歳月、そして、常に身近にあったお茶の存在。それらを通して、ありのままに生き、あるがままに物事を受け入れていくことの価値をこの作品は示してくれる。心が弱っていたり迷っている時にこそご覧いただきたい作品です。
(C)2018「日日是好日」製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |


































