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【第193回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

【あなたの復讐請け負います】『国宝』監督の初期作! オダギリジョー × 加瀬亮の青春バディムービー

公開日 2025/11/14 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2005年公開の『スクラップ・ヘブン』をご紹介します!

                   ◇

 

『スクラップ・ヘブン』(2005年・日本)
(配信:U-NEXT

『スクラップ・ヘブン』DVD:4,180円(税込)/発売・販売元:バンダイナムコフィルムワークス

『悪人』『怒り』『国宝』などで知られる李相日監督の初期作品。思い描いていた警察像とは異なり、事務処理ばかりの毎日にうんざりしていた警察官のシンゴ(加瀬亮)。バスジャックという夢のようなシチュエーションに遭遇するも、恐怖で何もできなかった。

3ヵ月後、バスジャック事件に居合わせた清掃員のテツ(オダギリジョー)と偶然再会し、意気投合する2人。人知れず復讐請負業を始め、充実感を得ていくシンゴであったが……

加瀬亮演じる頼りない警察官と、オダギリジョー演じるエキセントリックさと繊細さを持ち合わせたトイレの清掃員。「想像力が足んねえんだよ」「それそれ!想像力があれば俺も世の中も、もうちょっとマシになってるはずだと思うんだ」、そんなやり取りから始まった2人の復讐請負業。依頼された復讐の相手を少しばかり懲らしめて、依頼者が被った痛みや怒りを理解させる。曲がりなりにも正義を執行する立場になれたことで満たされていくシンゴだが、その歪んだ正義と鬱憤を晴らすための行動は、やがて取り返しのつかない出来事へと発展していく。

爽快感が伴う前半パートと、加速度的に破滅へと向かっていく後半パート。青臭い青春が行き着く果てに、あなたの心は何を思うだろう。『怒り』『流浪の月』『国宝』など、近年の李相日監督作品とはまた違った魅力を放つ作品です。

 

C2005『スクラップ・ヘブン』パートナーズ

※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

 

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