動画視聴に向くPCモニターを探す!ゲーミング/スマート/デザイナーを比較レビュー
PCモニターを導入して感じることは、PCモニターのジャンルの幅が広がっており、ゲーミングをはじめ、プロ仕様のクリエイター向けや、単体でVODサービスまで楽しめるスマートモニターなども登場し、多様性が一気に確立されてきている。
オーディオビジュアルファンとしては、PCモニターのジャンルが拡大されていくなか、動画視聴と親和性が高いのはどのジャンルなのか気になるところ。そこで本稿では、LGエレクトロニクスから、スマート/ゲーミング/クリエイター、3つのジャンルのハイグレードモデルを一堂に集め、オーディオビジュアルファンにこそお薦めしたいPCモニターを検証すべく、“動画視聴に向く” をお題としたクオリティチェックを実施した。
また、クオリティチェックのリファレンスとなる映像コンテンツは、Netflixから映画『新幹線大爆破』(1:59:50〜)、映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(0:05:50〜)、アニメ『すずめの戸締り』(0:00:40〜)、YouTubeから音楽ライブ『【LIVE映像】風のゆくえ (EXPO 2025 大阪・関西万博 )【Ado】』(00:00〜)を使用した。
独自OS「webOS」を搭載。手軽にVODサービスを楽しめるスマートモニター「32U880SA-W」
最初のモデルは、スマートモニター「32U880SA-W」。31.5型の4K・IPS液晶ディスプレイ(グレアパネル)を採用しており、4K/HDR対応でコントラスト比は1000:1、350cd/uの輝度、色域はDCI-P3を95%カバーする。自動輝度センサーも備えている。
主な入力端子として、HDMI×2基、Display Port×1基、USB Type-C×3基を装備。HDMI端子がeARC対応を果たしている点がオーディオビジュアルファンとして見逃せない点であり、サウンドバーなどとも組み合わせられるため、動画視聴への親和性が高いポイントといえる。内蔵スピーカーは5W+5Wの出力となっている。
32U880SA-Wの最大の魅力は、やはり独自OS「web OS」を搭載しているところ。PCやストリーミングデバイスを接続することなく、本機のみでVODサービスを視聴できる。また、操作感もスマートモニターならではであり、キーボードやマウスといったPC周りの機器を使わず、付属リモコンで完結できるのも特徴だ。また、画面のタッチ操作に対応するなど、スマートモニターならではの優れた機能性も大きなメリットだ。
輝度表現や色再現性の高さを感じられ、全体的に明るくナチュラルな質感
32U880SA-Wの画質を観ていこう。映像モードは「FILM MARKER」を選択して、映画『新幹線大爆破』を視聴。新幹線が走るシーンでは、線路周辺の暗闇と新幹線の窓から出てくる暖色系のライトの明暗差が、暗い部分は暗く、明るい部分は明るく描き分けられており、輝度表現や色再現性の高さが感じられた。
映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』でバカンスのシーンを視聴してみると、登場人物の肌質がなめらかで自然に表現されており、衣装などはふんわりソフトでありながらも、光沢感もしっかりと感じさせる。アニメ『すずめの戸締り』の廃墟の幻想的なシーンは、全体的に明るく、陽の光は柔らかく輝き、草や花のナチュラルな質感が得られた。
YouTubeのAdoの音楽ライブは、冒頭のシーンを視聴してみると、全体的に明るくステージを隅々まで見渡せる。暗闇の中でステージライトやサイリウムの光の強さが出ており、安心してライブも楽しめる。
「アンチグレアパネル」採用の有機ELパネルを搭載したゲーミングモニター「32GX870A-B」
2つ目のモデルは、ゲーミングモニター「32GX870A-B」。31.5型の4K有機ELモデルであり、「アンチグレアパネル」を採用。4K/HDR対応でコントラスト比は1,500,000:1、輝度は1300cd/u、色域はDCI-P3を98.5%カバーする。
主な入力端子は、HDMI×2基、Display Port×1基、USB Type-C×3基、ヘッドホン×1基を備える。VESA DisplayHDR True Black 400に対応しており、ゲーミングモニターとして最高峰のスペックを実現。動画視聴においても高いパフォーマンスが得られる性能を持つ。
32GX870A-Bは、やはり有機ELパネルを採用していることが最大の特徴であり、完全な黒表現が可能というのは映像表現において特筆するべきメリットだ。暗部諧調や潰れを抑制できるため、圧倒的な没入感に繋がる。広色域で純度の高い色再現にも期待ができる。加えて、マイクロレンズアレイによって、有機ELの苦手なポイントであった輝度も向上させている。
漆黒の暗部表現と明部の輝度の高い光明な再現を持ち合わす
映像モードは「ゲーマー1」を選択して、映画『新幹線大爆破』を視聴。新幹線が走るシーンは、暗い部分は画面を消したかのように漆黒の表現であり、明るい部分は輝度が高くて光明、上空からヘリに乗って見ているかのようなリアルさだ。
映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のバカンスシーンは、色純度が高く、登場人物の肌質は色乗りが良く、衣装もそれぞれのパーツの色味が確り出てくるので立体的だ。アニメ『すずめの戸締り』の廃墟の幻想的なシーンでは、全体的に暗く感じるが、草や花の影や色による明暗の差が良く再現され、日の光はまぶしいほど明るいので輝度が高く綺麗だ。
YouTubeのAdoの音楽ライブは、暗い中に一瞬でバック映像が投影されるので色反応が良く感じられた。ステージは漆黒の中でのライトやサイリウムの光加減が絶妙で感動的な高画質だ。
独自パネル「Nano IPS Black」搭載の、クリエイター向け6K液晶モニター「32U990A-S」
3つ目のモデルには、クリエイター向けモニター「32U990A-S」をチョイス。同社独自パネル「Nano IPS Black」を搭載した31.5型の6K・IPS液晶モデルであり、4K/HDR対応で、コントラスト比は2,000:1、輝度は450cd/u、色域はDCI-P3を98%、Adobe RGBを99.5%カバー。パネルの表面処理はアンチグレア。
主な入力端子には、HDMI×1基、Thunderbolt 5×2基、DisplayPort×1基を装備。VESA DisplayHDR 600に対応したクリエイター向けモデルとなり、制作サイドに近い基準で動画視聴ができるパフォーマンスを備えている。
本モデルの特筆するべきポイントは、6K対応によるディテール表現、ならびににCIE DE2000を用いた色差ΔE値が2未満という高精度な色の正確性を担保している点だ。そしてIPS液晶パネルの進化型である「Nano IPS Black」を搭載しており、高いコントラストと深みのある黒色が期待できる。
微細な色のグラデーションから立体感とフォーカス感まで優れる
映像モード「シネマ」を選択して、映画『新幹線大爆破』の新幹線が走るシーンを視聴してみると、暗部と明部の輝度表現はもちろん、微細な色のグラデーションまで再現してくれるため、立体感に富み、さらにフォーカス感にも優れた映像となっている。
映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』は、色純度が安定し、登場人物の肌質は血色が良く、細かい産毛まで表現しきれている。スーツのウールの起毛感も繊細に描き切っている。アニメ『すずめの戸締り』は、全体的にフォーカスが良く立体的だ。草や花の繊細な色使いまで再現され、人物の肌の色や目の輝きは素晴らしく、表現力の高さを感じる。
YouTubeのAdoの音楽ライブは、映像の抜け感が圧倒的で、バック映像の水のような透明感、ステージライトやサイリウムの細かい色変化が素晴らしく、瞼の裏に焼き付いた。
画質面で大きく違いあり、スマートモニターのラインナップ拡大にも期待
動画視聴に表現力を求めるなら、スマートモニター「32GX870A-B」もおすすめだ。圧倒的なコントラストにより質の高い暗部表現や高いピーク輝度により突き抜けるような光の強さ、色純度も高く鮮やかで活き活きとしたリアルな映像美で芸術性が高い。
一方、画質と機能のバランスが優れていたのがスマートモニター「32U880SA-W」。PCモニターのみで動画視聴できることをはじめ、映画やアニメなどジャンル問わず汎用的に楽しめるナチュラルな映像表現も成し得ている。またeARC対応のHDMIでサウンドバーと接続して音質のランクアップが望める点も魅力だ。
スマートモニターは価格のバランスも良かったため、案外PCモニターの救世主的なジャンルにも感じた。今後、スマートモニターの有機ELモデルや「Nano IPS Black」パネルを搭載したモデルが登場し、ラインナップが拡大されることを期待したい。






















