KAMIYA、31.5型4Kモニター内蔵のデザインドア「MILAOS」。ドア前のデッドスペースを有効活用
(株)KAMIYA(カミヤ)は、住宅のデザインドアにモニターが埋め込まれている「MILAOS(ミラオス)」を11月12日に発売した。価格は税抜き500,000円からとなっており、設置する環境によって変動する。
(株)KAMIYAは、ドアを専門に扱う会社で、デザイン性が高く天井までの高さがある「フルハイトドア」を展開している。リクルートが関東で実施した約5,000件の “家のどの部分が素敵か” というモニター調査によると、内装部品の30項目からドアは27番目だったという。その中でドアの価値を高め、5番以内を目指したいという気持ちでさまざまな展開を行ってきた。その一環で「27番目からの逆襲」を掲げMILAOSを発売したとのこと。
MILAOSは、天井までの高さがあるフルハイトドアの中にモニターが埋め込まれている室内ドア。スイッチオフ時にはドアにしか見えず、モニターを使うときだけ映像がハッキリと見えるデザインが特徴だ。
モニターにはLGの31.5型の4K IPSディスプレーSmart Monitor「32U830SA-W」が使われている。LGのSmart Monitorシリーズに搭載されている独自OSがそのまま利用可能。ドアに組み込まれているとは思えないくらいくっきりと表示されていた。
アクリルに特殊なシートを貼ったものを表面に使用した光沢感のあるデザインを採用。ガラスではなくアクリルを採用することでドア自体の重量を抑え、耐久年数にを配慮している。
なお、建築業界ではドアなどの建築部材についての保証期間が2年程度であることが一般的だが、同社では永久保証を提供しているとのこと。また、MILAOSは、例えば内部のモニターが故障してしまった場合でもドアのカバーを外して修理できる構造になっている。
サウンドに関しては、モニターの音声がドアの背面から出る仕様。正面向きには音が出ないため、サウンドバーやBluetoothスピーカーなどの外部機器を組み合わせて使用することが前提になりそうだ。導入時のオプション品としてLG製サウンドバー「LG Soundbar S20A」も用意している。
モニター部の電源は、ドアを固定している支柱から天井へ抜ける配線工事が施される。なお、モニター自体がドアの中に埋め込みになる都合上、HDMIなど有線の接続には対応しない。サウンドバーなどの外部機器とはWi-FiやBluetoothといった無線で接続することになる。
映像の再生/停止などといったモニターの操作は、スマートフォンのアプリか付属のリモコンで実施可能。アプリからは音量操作やカーソル移動のほか、モニター自体の各種設定も行える。
モニターにはLGのwebOSが搭載されており、YouTubeやNetflixなど各種VOD(ビデオオンデマンド)を視聴できる。スマートフォンやパソコンのミラーリングも可能で、例えばスマホ内に保存してある写真を一緒に見るなどといった使い方もできる。
同社代表取締役社長の神谷忠重氏は、「ドアはその性格上、どうしてもドアの前に荷物や家具を置くことができない。ある意味でドアの前はデッドスペースになる」とコメント。ドアで映像を楽しめるようにすることで、そのデッドスペースを有効活用できると説明する。
メディア向けなどに開催された発表会では、ゴルフのパター練習動画を見ながらドアの前でその動きを実際に真似るデモンストレーションも披露。前述したスマホのミラーリングについても、スマホやタブレットよりもはるかに大きい31.5型の画面で映像や写真を確認できるメリットをアピールした。
また、ドアは単なる間仕切りではなく空間を演出するものであるという考えを神谷氏は披露。その理念の下にハイトドアを展開し、「インスタなどのSNSでも『かっこいい』『スタイリッシュだ』と好評な声が多い」と語る。
そして「空間演出」について「そもそも、空間とは何なのかということがある」とコメント。「空間の『空(くう)』は空(そら)であり、また、漢字としては『うつ』とも読む。この言葉の響きは『うつわ(器)』『うつろい(虚い)』『うつす(映す)』などにも繋る」と語る。
「さらに言えば、それを定着させることで「うつし(写し)」になり、それが最後は『美しい』という形に変化していくものだと思う」と言葉を続けた。
そして「空間の中で人が時を過ごす、時をいざなう、あるいは時を創るということが空間のそもそもの役割ではないか」と言及。「空間とは『時を創る器』だと再定義した」とし、そんな空間を彩るためにハイトドアを展開しているという、MILAOS開発の背景を紹介した。



