ヒゲダン、藤井風、レッチリ……オーディオ評論家が試聴に使った2022年の曲はこれだ！【Part.2】

生形三郎先生が選ぶリファレンス曲
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Red Hot Chili Peppers／Black Summer
（LP、ハイレゾ）

アナログ録音されたという本作は、現代的な忠実さを持った歌声や楽器の音像でありながらもその存在感が盤石。ボーカル、エレクトリック・ギター、エレクトリック・ベース、ドラムとシンプルなバンド編成のそれぞれの楽器が、いかに自然な音色感と分離感で描かれるかで基本的な描写力がチェックできる。

ベースやバスドラムのレスポンスで低音方向の確認ができるとともに、ギターソロの音色の再現性で音楽再生の説得力が測れる。本年、LP盤とハイレゾ版をかなりの頻度で使用した。

Arktisk Filharmoni, Christian Kluxen／Lyden av Arktis: VII. Kollaps (Collapse)
（ハイレゾ）

非常に再生が困難なソフト。加えて、音楽の解釈についても聴き手を選ぶ作品となっている。

ダイナミックレンジが広く、大きくボリュームを上げないとその全容を聴き取れないため、システムのノイズ感や歪感の確認がしやすい。無指向性マイクの周りを取り囲むように演奏家を配置して収録されており、空間再生能力が高いシステムでは実に立体的なスケール感を持った演奏空間が出現する。

多くの弦・管・打楽器が入り交じる膨大な音数の再現力に加えて、後半の、静寂から押し寄せる長い長い圧巻のクレッシェンドの再現が聴きどころ。