Acoustune「HSX1001 Jin-迅-」レビュー。金属だからこそ到達できた孤高の音を聴く
「真鍮×有線」を実現した“アップグレードガジェット”「C:02 M:02」
追加の音響チャンバーおよびモジュールの第1弾はすでに発売中である。真鍮製音響チャンバー「C:02」と有線接続化モジュール「M:02」、そして3.5mmケーブル「ARM014」、交換作業用ドライバーのセットとなる“アップグレードガジェット”「C:02 M:02」パッケージだ。
まず真鍮製音響チャンバー「C:02」は、追加音響チャンバー第1弾として極めて順当。Acoustune歴代イヤホンの中で、真鍮チャンバー採用機は常に人気を集めてきた。となれば追加音響チャンバーにおいても「真鍮ほしい!」の声は予想され、それを踏まえての第1弾での投入ということだろう。ドライバーは標準チャンバー「C:01」と同型とのことなので、純粋に真鍮とアルミの筺体材での音の違いを味わえる。
一方で追加接続モジュール第1弾「M:02」は有線接続化モジュールだが、こちらも順当。登場直後の現状、標準の無線モジュールは最新スペックであるしバッテリー劣化も当面はない。となればいまほしいオプションは有線化モジュールだ。こちらは電波干渉を気にする必要はないので、同社の主要有線モデルと同じくアルミ筐体を採用。
リケーブル端子がPentaconn Earな点も同社主要モデルと同じく。つまりこれと音響チャンバーC:01/C:02の組み合わせは、普通に同社有線イヤホンそのものになる。というか「C:02 M:02」パッケージは音響チャンバー、有線接続化モジュール、ケーブルが揃っているわけで、それ単体で有線イヤホンのお得なパッケージとしても成立してしまっているのだが、いいの?
ともあれこちらも無線モジュールと組み合わせ、「C:02」と「M:01」で試聴。「もうどうなってもいいや」を聴くと、メインリフのシンセの肉感など、エレクトリックサウンドの中でのアナログ的なニュアンスが強まる印象だ。歌もよりしなやかに厚く、ほぐれた感触に。そのほぐれによってサ行タ行の攻撃性は薄れ、しっとりとした雰囲気が出てくる。
また筐体の重さがグッと増して制振力が高まったおかげか、ベースなどの低音は、豊かな広がり感ではなく、密度感や重みで存在感を発揮。真鍮筐体に期待されるサウンドを期待通りに提供してくれるチャンバーだ。
アップグレードガジェットの第2弾は「洋白チャンバー」
※写真のケーブルは開発中のものです。
加えてアップグレードガジェット第2弾として、洋白製音響チャンバー「C:03」と有線接続化モジュール、4.4mmケーブルのパッケージも登場した。こちらは2025年8月8日に発売したのだが、取材は先んじて行ったため春時点での評価機をチェックした。
洋白は真鍮と同程度の比重を持つ金属。音調もアルミチャンバーより真鍮チャンバーに近い。その上で、強度全般において真鍮に優るという特性のためか、エッジの出し方はアルミほどシャープではなく真鍮ほどはほぐれさせずの、滑らかな鋭さといった感触。この塩梅をちょうどよいと感じる方も多いだろう。
さすが金属筐体のプロ、Acoustune。それぞれの材の魅力を存分に発揮する仕上がりだ。
SPEC
HSX1001 Jin-迅-

SPEC ●通信方式:Bluetooth Ver.5.4 ●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Lossless ●ドライバー:10.2mmダイナミック型「改良型第3世代ミリンクスドライバー」 ●連続再生時間:約15時間(ケース込み約50時間)※再生コーデック、音量などにより前後します ●質量:約9.5g(イヤホン片側)、約60.5g(ケース) ●付属品:イヤーピース(AEX70 S/M/L、AEX50 S/M/L)、充電ケーブル、キャリングケース
C:02 M:02
SPEC ●型式:有線接続モジュール×音響チャンバー(真鍮) ●ドライバー:10.2mmダイナミック型「改良型第3世代ミリンクスドライバー」 ●質量:約10g(チャンバー部)、約2.5g(有線モジュール部) ●付属品:イヤーピース(AET07 S/M/L)、3.5mmステレオミニケーブル、交換用精密ドライバー
C:03 M:02G
●型式:有線接続モジュール×音響チャンバー(洋白/ジャーマンシルバー) ●ドライバー:10.2mmダイナミック型「改良型第4世代ミリンクスドライバー」 ●質量:約10g(チャンバー部)、約2.5g(有線モジュール部) ●付属品:イヤーピース(AET07 S/M/L)、4.4mmバランスケーブル、交換用精密ドライバー
(提供:ピクセル)


































