PR 公開日 2024/07/12 06:30

アナログ再生の粋。オーディオテクニカ「AT-ART1000X」は、巨大な再現力を備えたカートリッジだ

前モデル「AT-ART1000」を凌駕する音楽性

■ひとつの音にも表情を感じられる「AT-ART1000」の音楽表現



前モデル「AT-ART1000」(写真左)と比較試聴を実施。新モデル「AT-ART1000X」(写真右)においても使用部材は共通とするが、筐体前面のカラーリングが黒へと変更されている

ここでの主題はニューモデルART1000Xだが、比較のため旧モデルART1000も併せて聴いてみることにしたい。なおマッチングに万全を期すため、昇圧トランス「AT-SUT1000」と、トーンアームケーブル「AT-TC1000DX」も併用した。まずはAT-ART1000からである。

本機の最大の特質は情報量の豊かさ。これは先に述べた構造上の特徴からも明らかだろう。それともうひとつはダイナミズムの大きさである。ことに瞬発的な立ち上がりのエネルギーが大きいこと、また微小レベルでの起伏がくっきりしていることが、情報量の豊かさを引き立てる結果になっている。

試聴には昇圧トランス「AT-SUT1000」と、トーンアームケーブル「AT-TC1000DX」も併用した

バロックでは弦楽アンサンブルの人数が増えたような音数の増え方を感じるし、独奏のオーボエとヴァイオリンは肉質感が充実して音色に厚みがある。しかも細かな表情が大変豊富でまた多彩に変化する。ディテールが豊かなのだ。

ピアノはそうした特質が表現の細かさ、表情の多彩さとなって現れている。一音々々のリアリティが非常に高いのだ。音そのものに表情がある。粒子が細かいのである。顕微鏡で言えば倍率が1000倍ぐらいに上がった感覚で、今までは一色に塗り潰されていたのが、もっとずっと様々な色の粒子が見えてきたということである。だからひとつの音にも表情が感じられるのだ。

オーケストラはステージの近くで聴いているようなイメージが前面いっぱいに展開される。遠近が大変深くはっきりしているのと、位置感がものすごく明確だ。そして楽器それぞれが異様に生々しい。トゥッティの峻烈さも強靭だが、その大音量が決して濁らずどの音もストレートに立ち上がってくる。線が強く明瞭なのである。

コーラスは一人々々の声がわかるような解像度で、また教会の空間が目の前に広がるような臨場感がある。これ以上は出ないかもしれないと、音を聴きながらなんとなく思った。

■音楽に一層のエネルギーが乗る「AT-ART1000X」。万全の立体感・臨場感に酔いしれる



音楽表現の違いは、両モデルのスペック差異以上に表れた

そこでいよいよAT-ART1000Xに移りたい。先にも触れたがAT-ART1000とのスペック上の違いは、出力がわずかに高くなったことである。しかしそのわずかな出力の差が、音の点では思いのほか大きな違いとなって現れてくる。

おそらくコイル形状が変わることによって振動系全体にもあらためて最適化が行われただろうし、その他表立っては出てこない微妙な変更もありそうに思う。結果としてエネルギーが高く勢いのよさが際立っているのは、そうしたトータルなチューニングによるものとも言えそうだ。

音数は同じように多い。そこにエネルギーがいっそう増しているのだから、やたらなトーンアームでは手に負えないくらい信号が横溢している。聴いている方でさえ戸惑うほどの音の氾濫である。

ハンドメイドによる製造が行われるため、個体測定・調整の上で2〜2.5gの間で最適な針圧値を記したカードが備えられる

バロックは位置感がとにかく明確だ。独奏楽器がくっきりと目の前に立ち、後方の弦楽アンサンブルからはっきり浮かび上がっている。その弦楽アンサンブルも全体の広がりが隅から隅まで見渡せるように明快だ。光が強い、また楽器それぞれの色合いが濃いという印象である。弦楽器の厚みやダイナミズムの広さなど、どこもスケールが増している。表現力が拡大されたということである。

ピアノは一音々々のエネルギーが強靭で、凄絶という印象さえ受ける。表情の生々しさは先ほどの通りだが、その強弱の起伏が大きいのだ。特にフォルテでのアタックの強さは、彫りが深く切れ込んで一層凄みがある。レコードからではなく、ピアノ自体からじかに音が聴こえてくる感覚である。

天然無垢のタモ材を採用したカートリッジケースを同梱。内側にはシリアル番号を刻印したアクリルプレートを備えており、使用しない場合には飾ることもできる

オーケストラは遠近の出方がもっとずっと劇的だ。奥行の深さと位置感の明確さが輪をかけてリアルで、そこに強いエネルギーが乗っているのでダイナミズムが圧倒的に生々しい。手を伸ばせば触れそうなパーカッションのリアリズム。フォルテの大音響は無際限のように強靭で起伏の落差が先ほどとは別ものと言ってもいい。クライマックスの鮮やかな色彩感など、再現力が全開になったのを感じる。

そしてコーラスは歴然と違い、立体感と臨場感が万全だ。空間の中に包み込まれるような出方で、目の前には教会の高い天井が広がっている。声の表情も陰影が濃く変化が大変細かい。力みも息苦しさもなく楽々とこうした表現ができてしまうところに、本機の巨大な再現力を見せつけられる思いがするのである。

なおAT-ART1000Xの販売は、全国のAudio-Technica Excellence取扱い特約店のみの展開となる。取り扱い特約店の一覧はこちらのリンクからご確認頂きたい。


試聴音源
・「J.S.バッハ ヴァイオリン、オーボエと弦楽合奏のための二重協奏曲ニ短調」
コレギウム・アウレウム合奏団
ハルモニア・ムンディ KUX-3018-H
・「シューマン:クララ・ヴィークの主題による変奏曲/クライスレリアーナ」
ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
CBS/ソニー 23AC523
・「ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』」
ウラジーミル・フェドセーエフ(指揮) モスクワ放送交響楽団
ビクター VIC-2106
・「O Magnum Mysterium」
ジョセフ・フルンマーフェルト(指揮) ウェストミンスター聖歌隊
チェスキー・レコード CR83 Stereo(輸入盤)


(企画協力:オーディオテクニカ)

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