HOME > レビュー > 電源ケーブル、“メッキ違い”でどう変わる?フルテック「Origin Power NCF」、金&ロジウムの音質差をチェック!

PR電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」との組み合わせもテスト

電源ケーブル、“メッキ違い”でどう変わる?フルテック「Origin Power NCF」、金&ロジウムの音質差をチェック!

公開日 2026/05/13 06:30 炭山アキラ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

NCF素材を採用したFURUTECH(フルテック)の電源ケーブル「Origin Power NCF」には、金メッキプラグバージョン(G)と、ロジウムメッキ(R)の2種類が用意されている。それらの音質差はどこにあるのか、炭山アキラ氏が自宅リスニングルームでチェック。合わせて、電源ボックスの最新モデル「e-TP609 NCF-N1」も組み合わせた実力を検証する。

FURUTECH 電源ケーブル「Origin Power NCF(R)」(写真左上:151,800円/1.8m)、「Origin Power NCF(G)」(写真右上:151,800円/1.8m) 電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」(写真下:248,600円)※すべて税込

 

NCFを巧みに取り入れたフルテックの最新電源ケーブル

フルテックのOrigin Power NCFは、独自の超低温&特殊電磁界処理を施したαμ-OFC導体を採用、φ0.18mm×35本をさらに7本撚りとしたロープ撚りの導体を持つ。断面積は6スケアを超える。

絶縁体はポリエチレンで、シース1はカーボンとNCF樹脂を配合したPVC、その外側をαμ-OFC導体の編組でシールドし、それを覆うシース2はカーボン配合の防振PVC、シース3は柔軟性に富んだPVCが採用され、最外周はナイロン製編みスリーブで締め上げられている。

両端プラグは同社の「FI-28NCF」シリーズを投入、ハウジングまでシールドへ落とすことにより、外来雑音の影響も極めて受けにくい。プラグのブレードは、金メッキとロジウムメッキから選ぶことができる。両端プラグ近くのケーブル部には、スタビライザーと思しきリングがガッチリとはまっている。

金メッキモデル - 表現が深く抜けの良い音

まず金メッキ両端プラグの(G)から聴いた。自宅リスニングルームで、プリアンプの電源ケーブルを差し替え、レファレンスと音を聴き比べる。

クラシックはパチンとアタックの鋭さを引き出しつつ、全体に分厚く濃い音場空間と、その中で僅かに引いた位置へ定位するオケとコーラスがどっしりと実体感豊かに音楽を奏で、歌いまくる感じが実にいい。音色といい音像の存在感といい音場の空気といい、全体に濃厚な味わいなのだが、それが全然くどくならず、俊敏で爽やかに抜けていくのが好ましい。

ジャズはそもそも薄暗い水中のような濃密な音場を持つ音源なのだが、それを見事に再現しつつ、ピアノトリオの音像が濁ったりくすんだりすることなく、それぞれが鮮明に定位しつつやはり濃厚に絡み合っていくのが快感だ。うん、こういう再現を待っていた! と思わず拍手したくなった。

ポップスは一転サラリとした質感をまといながら歌手の可愛さ、歌へ込めた真心のようなものが漂ってくる。さりげないようでいてかなり濃密な感情表現をリスナーへ届ける、非常に高度な再現だ。

ロジウムメッキモデル - 楽器の立ち位置も鮮明に見える

続いてロジウムの(R)へ取り替え、音を聴く。クラシックはやや照明が明るくなったような質感を漂わせ、コーラスとオケの遠近感、具体的にはソロとコーラス、弦と管、打の立ち位置が見えてくる。

ジャズは押すと抵抗が手に伝わりそうな音場の濃厚さが若干薄まり、その分だけトリオの音像がくっきりと引き立つ。3者が絡み合いながら一つの音楽を作り上げていく姿は、こちらの方がより鮮明に見えてくるような感じがある。

ポップスはグッとタメを作る感じよりも、さりげないウィスパーボイスの中に、深く焚きしめた香を思わせる情感を乗せ、リスナーの耳へ入り込んでいく感じが独特だ。サッと聴き流したらそれまでだが、そうするにはあまりにも惜しい極上のさりげなさである。

堂々たる立体感を表現する電源ボックス

最後に電源ボックス「e-TP609 NCF-N1」を聴く。筐体はアルミインゴットからの削り出しに防振塗装が施され、筐体内の底面には電磁干渉を吸収する特殊素材が張り込まれている。一切のフィルターなし、つまり電気抵抗最小でノイズを排除する方策という。

コンセントは6口で、地上最強の「GTX-D NCF(R)」が搭載されている。インレットも最上級の「FI-09NCF(R)」だ。標準でゴム脚が装着されていたが、スパイクも付属していたので取り替えた。

レファレンス・チャンネルデバイダーの電源をこちらで取り直し、音を聴いた。クラシックはオケとコーラスの粒立ちが向上、堂々たる立体感を表現する。チャンデバのボックスを交換しただけなのに、音量感が若干上がるのが面白い。

ジャズは低域の底力がさらに高まり、トリオの音像が耳へ襲いかかるような大迫力と立体感を聴かせつつ、耳を刺す感じがないことにも気づく。GTX-D NCF(R)コンセントの圧倒的高品位と、それを万全に支える頑丈極まるシャーシ、チューニング技術があってのことであろう。この音源がこれほどきっちり分離して聴こえることは、本当に珍しい。

ポップスは一聴「あれ、ちょっと線が細いかな」と感じてしまったが、いやそうではない。音像がピシリとピンポイントに決まり、余分な膨らみがなくなったのだ。淡々と歌うウィスパーボイスのようでいて、胸の中に灯る青い情熱の炎がはっきりと伝わってくる。

愛の喜びと苦しみ、いいことばかりでもなかった人生に対するほろ苦い肯定と諦観、そういったものが奔流になって耳へ流れ込んでくる。いやはや、すごい表現力だ。

ぜひご一聴いただくことを強くお薦めする。


(提供:フルテック)

※本記事は『季刊・オーディオアクセサリー 200号』からの転載です。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク