公開日 2018/10/30 06:30

結局iPhoneとどっちが良い? 買い換えはアリ? Google純正スマホ「Pixel 3」実力チェック

11月1日に発売
山本敦
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メインカメラに搭載されたイメージセンサーの画素数は約12.2メガピクセルと、スペック的には最新のiPhone XSやiPhone XRとほぼ変わらない。

柿を撮影。写真の色合いやコントラスト感は自然なバランス

インカメラは広角と標準のデュアルレンズ仕様で、広角(視野97度)で撮影すると、自撮り写真が背景も入れ込みながらワイドアングルで撮れる。面白い機能ではあるが、固定フォーカスになり、広角側に寄せるとレンズの歪みが気になってしまう。標準レンズでポートレートモードを使ってセルフィーを撮るほうが実用的に感じられた。

インカメラによるポートレート撮影を標準側で。美肌モード的な機能も搭載する

広角側でポートレート撮影をすると周りの背景が写し込めるが、周辺歪みも気になってくる

他にも、セルフィーにCGキャラクターを写しこんでAR写真が残せる「Playground」や、被写体の人物とCGキャラクターの表情が連動しながら変化する「Playmoji」も楽しい。ただし、これらの機能はカメラアプリの中に統合されており、アプリのメニュー階層を深く掘らないと起動できないのが残念だ。ホーム画面などから直感的にアクセスして使えるようにしてほしい。

CGキャラを埋め込んだAR撮影が楽しめるPlaygroundや、キャラクターと人物の表情が合わせて動くPlaymoji。他社のARエンターテインメントよりも内容はシンプルな印象だ

今回試用したPixel 3シリーズには、暗所をよりきれいに撮れる「夜景モード」のアップデート追加が完了していなかったので、夜景はふつうにHDR+もオフにして撮った。それでも夜景がかなり明るく色鮮やかに撮れるので、底力は十分に高いと言える。

「夜景モード」はアップデート追加前だったが、普通に撮影しても安定感のある夜景撮影ができた

Pixel 3シリーズで撮影した写真・動画のデータは、Googleフォトのオンラインストレージに、圧縮をかけず、元のクオリティのままアップロードできる。Pixel 3/3 XLのユーザーは、ストレージを2022年の1月31日まで無料で使える権利も与えられる。なんとも太っ腹なサービスだ。

さらに、カメラを視覚的な情報の入力インターフェースとして使う、グーグルならではの面白い機能にも注目したい。

ひとつはAIによる機械学習技術を活用した「Googleレンズ」だ。Pixel 3シリーズではカメラアプリに統合され、使いやすくなった。こちらも今回のサンプル機は最終版ではなかったので、あくまで参考程度のレポートになるが、名前のわからない動物や植物にカメラをかざすと、物体を認識して名前や詳細を素速くウェブ検索できる。また名刺の電話番号や住所をスキャンし、連絡先に保存できる機能はかなり使えそうだ。

動物に植物など被写体をカメラでスキャンしてWeb検索ができるGoogleレンズがカメラアプリに統合されて便利に使えるようになった

■メイン素材に樹脂を用いた軽量ボディ

本体の背面。ボトム側にブランドロゴの「G」を配置

Pixel 3とPixel 3 XLは、ともに筐体のメイン素材が樹脂で、背面はソフトタッチガラスを採用する2トーンデザインだ。本体は薄型で軽く、質感や手触りは上々だ。Pixel 3 XLは筆者がふだん使っているiPhone Xより10gほど重い184gなのだが、手に持った感触はむしろ軽く感じる。Pixel 3は148gと実際に軽いので、女性にもおすすめだ。

本体の薄さは7.9mm。電源ボタンのカラーがワンポイントになっている。ボリュームボタンよりも電源ボタンの方が下に配置されていた方が操作はしやすかったように思う

ボトム側にSIMカードスロットとUSB端子を配置している

本体下側の両サイドフレームを “ぎゅっ” と握るような操作でGoogleアシスタントを起動できる「Active Edge」の搭載も特徴の1つ。しかしGoogleアシスタントは小声でも起動できたり、Bluetoothでペアリングしたヘッドホン起動するなど様々な手段があるので、Active Edgeが必要となる場面は多くなさそうだ。HTC Uシリーズのように、Active Edgeに「テザリングの起動」などほかの操作を割り当て、一発で呼び出せたら便利そうなのだが。

Active Edgeはスクイーズの強さが設定できる。アラームやタイマーを止める操作を割り当てることはできるのだが、Googleアシスタント以外の機能やアプリの起動にも設定できるようになるともっと便利になると思う

生体認証によるキーロック解除は、本体背面の指紋センサーで行う。とても素速くて正確だ。スリープから復帰するときは指紋センサーから一発なのであまり気にならないのだが、逆にスリープモードに切り替えたいとき、本体右側面の電源ボタンがボリュームボタンの上にあることが気になった。特にXLの方は、ボリュームボタンよりも上に、ぐんと指を伸ばして操作しなければならない。ボリュームボタンではなく、より頻繁に使う電源ボタンの方を下に配置してほしい。

背面に指紋センサーを搭載。認識は素速く正確だ

6.3インチのPixel 3 XL、横幅はスリムなのだが、さすがに縦のサイズは、片手持ちで操作するには長さが余る。本体が軽く質感も滑らかだからこそ、電車の中での片手持ち操作は落とさないか緊張してしまうので、専用ケースを装着したくなる。必然的に片手でのメール打ちは、キーボード部分を小さく表示する「片手モード」が活躍することになった。

キーボードが打ちづらく感じる時は片手モードが便利

アップルではiOS 12から採用されている、スマホの使いすぎを抑止するための「スマートスクリーン」によく似た機能が、Android 9搭載のPixel 3シリーズにも搭載され地得る。設定リストにある「Digital Wellbeing」だ。平らな場所にスマホを裏返しにして置くとマナーモードを自動でオンにできる「フリップでShhh」の設定もこの中にある。

スマホの使いすぎをセーブできる「Digital Wellbeing」を採用

■急速ワイヤレス充電に対応。専用スタンドでスマートディスプレイ化も

バッテリーパックの容量は3 XLが3,430mAh、3が2,915mAhだ。6.3インチのPixel 3 XLを使い倒して感じたバッテリーの持続時間の手応えは、1日のあいだ、ふつうにウェブブラウジングやメール入力をして、時々電話や音楽・映像鑑賞に使うと、夜に残っているバッテリーゲージは40% - 50%というところ。急速充電にも対応しており、パッケージに付属する充電器とケーブルを使えば、15分間の充電で最大7時間分の充電ができて便利だ。ワイヤレス給電のQiに対応しており、Pixel 3/3 XL専用の充電器「Pixel Stand」を使うことで最大10Wの急速ワイヤレス充電もできる。

本体の付属品。15分の充電で最大7時間ぶんのバッテリーをチャージできる急速充電用のアダプターや、初期設定時に活躍するUSB変換アダプターが付属している

ワイヤレス充電器「Pixel Stand」の価格は9,504円(税込)。ワイヤレス充電器として使えるだけであく、スタンドにスマホを乗せた状態で「OK、グーグル」とアシスタントに話しかけると、音声だけでなく画面に検索結果などを表示してくれる。つまりスマートディスプレイのような使い方ができるのだ。

Qi規格のワイヤレス充電に対応するPixel Stand。Pixel 3シリーズは最大10W出力、その他のQi対応スマホは最大5W出力でチャージできる

Pixel Standに装着した状態でGoogleアシスタントを起動。スマートディスプレイみたいな使い方ができる。プリセットされている「おやすみ」「おはよう」などルーティンが簡単に使える連携機能も便利だ

同じホームネットワークに登録されているスマートデバイスを音声で操作することもできた。めざましアラームやタイマーにも使える。日本ではスマートディスプレイ「Google Home Hub」の発売がしばらく先になりそうなので、それまではPixel 3シリーズで、それらしい雰囲気が味わえる。


■USB Type-C接続の「Pixel USB-Cイヤホン」が付属

続いて音楽再生をチェックしよう。Pixel 3/3 XLにプリインストールされている音楽プレーヤーアプリはGoogle Playミュージックだが、今回はオンキヨーの「HF Player」を入れて検証を行った。

次ページ付属イヤホンは素直な音のバランス、とくにきめ細かい中高域の描写力

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