公開日 2014/05/13 11:31

4Kテレビはいよいよ買い時? 小型化/高画質化で魅力増す'14年モデルのトレンドまとめ

パナ、東芝、ソニーの動向をわかりやすく解説
安蔵 靖志
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■将来性に対する不安を払拭した最新4Kテレビ

直下型LEDバックライトが復活してかなり魅力的になってきた4Kテレビだが、「4Kコンテンツがない今、4Kテレビを買う必要があるの?」と考える人も多いことだろう。「4Kテレビは『3Dテレビ』のように失敗するのではないか」と考える向きもある(ただし、3Dテレビは失敗したわけではなく、現在もコンテンツは着実に増えている)。

確かに現状では、4Kネイティブコンテンツは「4Kビデオカメラ映像」や「4K出力対応パソコンからの入力」、映像共有サービス「YouTube」の一部の4Kコンテンツなどに限られている。7月に開始する予定の試験放送もCS(通信衛星)放送に限られる上に、現状の最新4Kテレビではそのまま受信することはできないだろう。4K本放送がスタートするとしても、現在の4Kテレビで視聴するためには別途STB(セットトップボックス)などが必要になる。

4Kビデオカメラで撮影した映像は、現時点で有力なネイティブ4Kコンテンツと言える

しかし、最新の4Kテレビは4K映像をフルスペック(3840×2160ドット/秒間60フレーム)で伝送できる「HDMI 2.0」と著作権保護規格「HDCP 2.2」に対応しており、今後登場するとみられる「4Kブルーレイ」(現在規格策定中の次世代ブルーレイ)対応プレーヤーや、NTTぷららの「ひかりTV」が2014年10月の開始を予定している4K VOD(4K映像配信サービス)対応STBなどと接続できるようになっている。

現状でも地デジ放送やBS放送、ブルーレイなどのコンテンツを超解像技術によって4K映像として楽しめるようになっている上に、将来的にも外部機器とつなぐ接続性を担保しているというわけだ。

ひかりTVは4K VODを今年10月より開始するとアナウンス。4K対応STBの試作機も公開した

■4Kテレビは買い? それとも8Kテレビを待つべき?

上は85V型から下は40V型まで幅広いラインアップとなった4Kテレビだが、果たして「買い」なのだろうか。「4K放送が始まってから買った方がいいのではないか」という考えや、「8K放送が2020年に始まる予定だから、そのあたりに8Kテレビを買った方がいいのではないか」という考えもあるだろう。

各社が4Kテレビのサイズラインナップを拡充してきた今だからこそ、4Kテレビの買い時を考える時期に来ていると言える

確かに、4K映像が地上波やBS放送などで流れるようになり、テレビに4K対応チューナーが搭載されてから買うのがベストかもしれない。しかし4K放送がスタートする予定は2016年と、まだまだ先だ。すでに画質面ではかなりのレベルに仕上がっているだけでなく、チューナーを除く規格面(外部入力の伝送路)もしっかりと策定されたため、「今欲しいなら今買って損はない」と断言できる。

8Kテレビを待つべきかという考え方については、正直ナンセンスだと筆者は思う。8K放送は、東京オリンピックが開催される2020年に開始するスケジュールで動いているようだ。しかしその頃に買えるであろう8Kテレビは恐らく数百万円以上になるはずだ。現在の84V型・85V型4Kテレビと同じように、高嶺の花であることは想像に難くない。

また、4Kテレビの解像度が意味を持つ画面サイズの下限が32V型程度だとすると、8Kテレビは単純にその2倍の64V型以上でなければ意味をなさない。50V型程度の8Kテレビがリーズナブルな価格で買えるようになるのは、今から10年後の2024年頃になる可能性も大いにある。「リビングに40V〜65V型程度のテレビを置きたい」という人なら、今4Kテレビを買っても後悔しないだろう。

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