公開日 2012/10/31 10:29

SHUREのロングセラー機「SE215」、その実力を改めて検証する

【特別企画】ユーザーを魅了する理由とは?
今やSHUREはオーディオファンのみならず、一般ユーザーにも名の知られたブランドだ。プロフェッショナルオーディオの分野で培われた技術を踏襲した製品群は、どれも抜群の性能で熱狂的なファンを生み出している。そんなSHUREのイヤフォンの中で、エントリークラスながら驚異的な人気を誇るSE215。その実力に改めてスポットを当ててみたい。

SHURE「SE215」¥OPEN(市場予想価格8,480円前後)

■エントリークラスにおいて定番といっていい存在

その製品が登場したとき、本当に驚いたものだ。このサウンドクオリティが、この多彩な表現力とグルーヴ感溢れる演奏が、1万円もしないカナル型イヤフォンで楽しめるなんて、なんともいい時代になったものだと、とても感心させられたことを覚えている。そんな忘れようにも忘れられない、強いインパクトを持って生まれた製品が、シュアのSE215である。

シュアといえばBA(バランスドアーマチュア)型ドライバーのイメージが強いかもしれないが、SE215にはダイナミック型ドライバーが搭載されている。とはいえ、シュアのエントリーラインは歴代ダイナミック型を踏襲しており、実際に根強い人気もあるので、本来はそれほど話題となるべき話でもなかった。

しかし、その実力が何とも素晴らしかったのだ。先代からさらに小口径化された6.2mmドライバーは、タイトでスピーディ、しかも自然な音色と帯域バランスを併せ持つ、ダイナミックならでは、それでいてBAドライバーを搭載する上位モデルと相通じるサウンドキャラクターを与えられていたのだ。さらに筐体も上位モデルと共通するデザインが与えられ、そのうえなんと、この価格帯ではまずありえない着脱式ケーブルすら奢られていたのだ。

付属品となるイヤパッドは、ソフト・フォームタイプとソフト・フレックスタイプが用意され、サイズもS、M、Lの3種類から選ぶことができる

シュアのケーブルは着脱式となっており、リケーブルによってグレードアップしていく楽しみもある

サウンドに装備にと、なかなか充実した製品に仕上がっていたSE215は、発売直後から人気を博し、海外ブランドのイヤフォンとしては異例なほどの売り上げ台数を記録。その好調さは1年以上経っても衰えることなく、いまや1万円以下の価格帯では、定番といっていい存在となっている。

■SHUREらしさを感じさせるたまらないサウンド

さて、今回は改めてSE215のサウンドを確認した。スピード感溢れるキレの良いサウンドを信条としながらも、ヴォーカルやメイン楽器に程よい厚みや深みがあり、音楽をリズミカルに楽しませてくれる“シュア"らしさは相変わらず健在。特に感心するのが男性ヴォーカルの表現だ。エリック・クラプトンを聴くと、ややドライながら、なんとも力強い歌声を披露してくれるのだ。一方で、女性ヴォーカルもかなりいい。ダイアナ・クラールを聴くと、感情表現がとても豊かに感じられるので、普段よりも音楽の世界に没入できる。ヴォーカルものをメインに聴く人にとっては、たまらないサウンドだ。その魅力は、デビューから1年半が経過したいまでも全く色あせていない。

さて、そんなSE215に、デビュー以来初めてのアクションが行われた。先日、限定色の「トランスルーセントブルー」をまとった「SE215 Special Edition」を発表したのだ(11月下旬発売予定・関連ニュース)。しかも、フラッグシップのSE535LTDと同様にカラーだけでなく、音響抵抗スクリーンを変更し低域の周波数レスポンスレベルを増加させるなど、そのサウンドに手が加えられているのだ。これは期待せずにはいられない。

【SE215 SPECIFICATIONS】
●型式:ダイナミック型●感度:107dB SPL/mW●インピーダンス:20Ω●再生周波数帯域:22Hz〜17.5kHz●ケーブル長:162cm●付属品:キャリングケース、ソフト・フォーム・イヤパッド(S/M/L)、ソフト・フレックス・イヤパッド(S/M/L)●取り扱い:完実電気(株)




さらに上の音質を求めるなら

■違いの分かるファンに向けた高遮音性イヤフォン


SHURE「SE535」¥OPEN(市場予想価格37,800円前後)
SE215が気に入って、さらに上の音質を求めたくなった場合の選択肢として、まず筆頭にあがるのがSE535だ。SE215の上位モデルであり、使い勝手や装着感はSE215と同様であり、従来のユーザーであれば違和感なく移行できるだろう。高域用に1基、低域用が2基の計3基の高精度MicroDriverを採用しており、豊かな低音と雄大なサウンドを実現する。SHUREユーザーのみならず、その他のイヤフォンのヘビーユーザーからも驚きの声があがる、一聴の価値があるモデルだ。 (編集部)

【SE535 SPECIFICATIONS】
●ドライバー:3基の高精度MicroDriver型●感度:119dB SPL/mW●再生周波数帯域:18Hz〜19kHz●インピーダンス:36Ω●入力コネクター:金メッキ3.5mmステレオ・ミニオプラグ●ケーブル長:1.6m着脱式、ワイヤーフォームフィット機能つき●付属品:フォーム・イヤパッド(S, M, L)、ソフト・フレックス・イヤパッド(S, M, L)、イエロー・フォーム・イヤパッド、トリプルフランジ・イヤパッド、6.3mmアダプター、レベルコントローラー、航空機内用アダプター●取り扱い:完実電気(株)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る
2 “スイング式”インシュレーターに薄型モデルが登場!セレニティ 静寂-Shijima-の「SWI-10」使いこなしレポート
3 トップクラスのながら聴きイヤホンにさらなる機能性がプラス!Shokz「OpenFit 2+」レビュー
4 <ポタフェス>SHANLING、水月雨監修のポータブルCDプレーヤー「Crossover」世界初公開/ONIX、超小型DAC「Tocata XM2」初展示
5 <ポタフェス>見た目も音もこだわった、HiBy Digitalの「初音ミク」コラボアイテム展示/FAudio「Major」に後継機か
6 大好きな車とバイクを眺める6畳空間に、4K/100型のホームシアターを実現
7 SHANLING、サブミニチュア真空管をデュアル搭載したポータブルDAC/アンプ「UA7」
8 Oriolus、落ち着いた音色と現代的な機能性を両立したBluetoothアンプ「1795MKII」
9 ピクセラ、テレビを見るとポイントが貯まるワイヤレスチューナー「ポイテレ」
10 <ポタフェス>オーディオテクニカ、フラグシップ機「ATH-ADX7000」「ATH-TWX9M2」を堪能
12/15 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX