「SE535」レギュラーモデルと音質比較

【ミニレビュー】SHURE「SE535 Special Edition」の音質を速攻チェック!

ファイル・ウェブ編集部
2011年10月11日
本日発表されたSHURE「SE535」にスペシャルチューニングを施した限定モデル「SE535 Special Edition」(関連ニュース)。手元にあったSE535との比較を交えたミニレビューをお届けします。


SHURE「SE535」と、限定モデルの「SE535 Special Edition」
なお今回は、SE535 Special Editionのエージングをほとんど行っていない「素」の状態で試聴を行いましたので、あらかじめご了承下さい。

■編集部:風間

まずはジャズ「You look good to me」を試聴。クリアで澄み切った音で、霧が晴れたような印象。ハイハットの音の実在感や音の描き分けは、SE535よりはるかにレベルが上。これまで聞こえなかった音がしっかりと聞こえる解像感の高さに驚かされます。

楽曲にもよりますが、高域の伸びはもちろん、中域の音の実在感が高まったことも印象的。ピアノの音の厚みが豊かになり、より音楽性が高まったという実感を受けます。

低域については、沈み込み自体はSE535とほぼ同レベルですが、描写の解像感は、これまで愛機として散々鳴らしまくったSE535の方が若干上回っていると感じました。ただしこれは今後、Special Editionのエージングが進めば改善される可能性が高いと思います。

少しハードなロック、THE Raconters「Consolers Of The Lonely」を聴いてみると、Special Editionの魅力がよくわかります。ハイハットの音の鮮明さ、力強さはSE535とは明らかに別次元。ギターの耳をつんざくような音も、脳に直接飛び込んでくるような感覚を受けるほどです。

とは言え、SE535の音に慣れているせいか、ちょっと高音が出過ぎじゃないの? と感じる場面があるのも事実。ただし、これもエージングがこなれてきたら良い感じになるかもしれません。

日本人の意見を多く採り入れて音をチューニングしたという本機。高級イヤホンを探している方なら、必ず一度は聴いてみたい製品です。


Special Editionは、ドライバーからの音が出力されるノズル部分の、中に配置した「周波数フィルター」により高域の音に一層の伸びを持たせたという

SE535のノズル内部

■編集部:山本

まずポップスから、Perfume「Baby Cruising Love」より試聴をスタート。限定版「SE535 Special Edition」は、各帯域の音がとてもパワフルで元気な印象。空間の見晴らしがとてもクリアで、打ち込み系の音の粒立ちもクッキリ。明瞭度の高さでは、レギュラーモデルの「SE535」よりも表現力は上手と感じました。Special Editionは高域のキレが鋭くビシビシとキマってくるスピード感が魅力的です。

一方でレギュラーモデルのSE535を聴くと、リズム感は中低域を中心により密度感が濃く、結果、演奏全体の一体感がSpecial Editionより、さらに引き締まっている感じがします。比較して聴くと、全体的な音のバランスとして、Special Editionの高域成分が少し強すぎるように感じられます。ただし、この辺りの印象は、Special Editionを長時間鳴らし込んで行けば、だいぶ変わってくると思います。

女性ボーカルはAnn Sally「あたらしい朝」を試聴。アコースティックギターとベース、パーカッション、アコーディオンのコンパクトな編成によるジャズのアンサンブルですが、Special Editionは明るいメロディーを楽しく聴かせてくれます。演奏の見晴らしがとても良いため、オープンエアのヘッドホンを聴いているような開放感に満たされます。ボーカルも音像が細部まで描き込まれていて、ブレスの息づかいが他にない程きめ細かく再現され、好印象を受けました。

同じ曲をレギュラーモデルで聴くと、バンドの一体感がさらにグッと引き締まるようで、ボーカルの声にいっそうの艶めかしい表情が現れてくるようです。アコースティックギターの“ハコ鳴り”もリアリティが高く、ベースも低域の弦の音がボンと弾かれ、一音ずつしっかりと響きながら、より力強く伸びていく印象を受けました。

サウンドの傾向は相当異なりますが、それぞれ傑出した魅力を持っている両機。Special Editionの登場により、SHUREのカナル型イヤホンの孤高のフラグシップモデルに、良きライバルが誕生したとも言えるのではないでしょうか。

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