公開日 2008/12/10 11:20

BD再生も可能な最強モバイルノート − VAIO「type T」を試す

一条真人の体当たり実験室
一条真人
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■フルHDではないがBDビデオ再生の画質は十分合格点

搭載する液晶ディスプレイは11.1インチ、解像度1366×768ドットのクリアソリッド液晶だ。XGAよりやや横長なおかげでWindows Vistaでサイドバーを表示させていても十分使える。BDビデオを再生してみても、その色表現力はきわめて高く、NTSC比100%というスペック上の数値を十分に体感できる。

再生ソフトは定番の「WinDVD BD for VAIO」を使用するのだが、ウィンドー表示では画面が小さいので、通常はフル画面表示で使うことになるだろう。フルHDではないものの、BDビデオ再生時の情報密度はさすがに高く、さすがはブルーレイと思わせる。

GPUであるGMA4500MHDのビデオ再生支援機能はあまり強力ではないのか、CPUが非力なのか、ブルーレイビデオ再生時のCPU負荷は意外に高い。動作モードの設定を駆動時間の長いスタミナモードなどに設定していると、動きの激しい場面ではコマ落ちも発生する。もちろん、パフォーマンス優先で動作させれば、コマ落ちが起きることはなかった。そうなると、バッテリー駆動時間が気になるところだが、これに関しては後述していく。

■世界初のノイズキャンセリング機能を搭載

type Tのもう一つの特徴として、世界初のノイズキャンセリング機能を搭載したことがある。ウォークマンなどで実積のある同社だけにその効果は高い。標準付属のヘッドホンでないとこの機能は動作しないが、付属ヘッドホンは同社の「MDR-EX90SL」と同じ13.5mmドライバーユニットを採用し、映画の視聴時に気になる低音域も力強く再生してくれる。DVDと比較した齊の、ブルーレイの音の良さを実感できる再生クオリティを持っている。

当然ながらスピーカーも搭載しているが、BDビデオやDVDを視聴する場合にお薦めなのは、やはりヘッドホン。周囲の騒音にわずらわされずに視聴できるし、バッテリ使用を抑え、駆動時間を延ばすことができる。

付属ヘッドホンでの視聴ではノイズキャンセリング機能が使える

■周囲の明るさで変わるディスプレイ輝度

他のノートPCに見られないもう1つの特徴は、周囲の明るさに合わせて液晶ディスプレイの明るさを自動調節する機能だ。これにより、明度の低い場所での駆動時間を伸ばすことができる。通常の照明レベルの室内で、ヘッドホン使用でBDビデオを再生してみたら、約3時間程度駆動することができた。暗い場所で使用する際にはさらにバッテリー駆動時間を延ばすことができるだろう。

なお、type TはワンセグTV機能も搭載しており、どこでもTVを視聴でき、予約録画も可能になっている。

比較的高感度なワンセグ機能

■type Tを使えばどこでもパーソナルAV空間が出現する

VAIO type Tを実際に使ってみた印象としては、BD/DVD再生機能とノイズキャンセリング機能、省電力機能がうまくマッチングし、モバイルメディアプレイヤーとして、うまくまとまっていると思う。これなら、どこにいてもパーソナルなAV空間を楽しむことができるだろう。ノイズキャンセリング機能は飛行機などでも有効なので、出張や旅行に持って行くにも便利だ。

また、HDMIポートを搭載するtype Tは、自宅のテレビに接続し、大画面でブルーレイを再生したり、ビジネス処理をすることも可能。また、必要に応じて、ClickToDiskでBD-Jによるインタラクティブなビデオディスクを作成したり、SonicStage Mastering Studioで高音質なCDを作成することもできる。

type Tはモバイルメディアプレイヤーとしてだけでなく、クリエイティブマシンとして活用することもでき、その活用範囲は広い。最近、流行のネットブックとは明確に一線を画するものであり、その気になれば、メインマシンとしても使うこともできるだろう。

執筆者プロフィール
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。

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