ガジェット 公開日 2022/12/16 17:30

iPhoneで“他社アプリストア”を解禁してもアップルの収益影響は軽微との分析

正規ストアでは「アップルに苦情が言える」
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルがEUの「デジタル市場法」(DMA)による規制に備えて、iPhoneとiPadで他社製のアプリストアを許可する準備を進めているとの噂は、先日お伝えしたばかりだ。具体的には2023年秋の「iOS 17」の一部として導入する見通しとされていた。

では、それがアップルの収益にどれほどのダメージをもたらすのか? 大手金融機関モルガン・スタンレーのアナリストらが「限られたリスク」しかないと述べている、と伝えられている。

米MacRumorsが入手したという研究メモによれば、他社製アプリストアとサイドロード(正規ストア以外からのアプリインストール)は、iPhoneユーザーが「長らくApp Storeがもたらすセキュリティ、集中化、利便性を重視してきた」ことを考えると、App Storeの収益とアップル全体の収益の両方に「限られたリスク」しかないとのことだ。

ここで強調されているのは、DMAは消費者が主導したものではなく、あくまで規制当局が主導したにすぎないことだ。消費者にとっては「App Storeが提供する比類なきセキュリティ、使いやすさ(一元化)、信頼性」を考えると、App Storeに代わる代替ストアへの需要はほとんどないと分析されている。

この研究メモは単なる憶測ではなく、実際にスマートフォンユーザーを対象としたアンケート調査に基づいている。それによればiPhoneユーザーのうち、App Storeではなく開発者のウェブサイトから直接アプリを購入する可能性が非常に高いと回答したのは30%未満だったという。その場合でも、ユーザーはそれに見合う価値があるように、最大35%安い価格を望んでいるそうだ。

またアップルが欧州でApp Storeの収益を全て失うという最悪のシナリオでも、同社は2024年度にサービス収益で4%、総収益で約1%の打撃しか受けないと試算されている。もしも他社製アプリストアが全世界で許可された場合は、サービス収益では約9%、総収益では約2%の打撃を被るとの予想である。

さらにアナリストは、他社製アプリストアで購入されたアプリについても、アップルが手数料を取る可能性が高いと見ている。そのため、現実にはアップルの収益のダメージははるかに小さくなる可能性があるわけだ。

たとえばオランダの出会い系アプリでは、自社App内課金以外の決済方法を認めながらも、アップルは27%もの手数料を請求している。これは標準の手数料(30%)より3%少ないだけであり、外部の決済代行業者に3%の手数料を支払えば使うメリットがないとの批判もあった。

アップルのApp Storeを利用するということは、手数料を上乗せされる対価としてセキュリティーが保証され、最悪の場合でも「アップルに苦情が言える」ことを意味している。そのメリットを捨ててまで外部ストアあるいはWebサイトからの直接購入を選ぶ場合は、ユーザーが値引きを求めるのも自然だろう。

アップルは長年にわたり他社製アプリストアやサイドロードに対し、強硬に反対してきた。しかし仮に許可したとしても、わざわざリスクを取るユーザーはほとんどいないのかもしれない。

Source: MacRumors

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 【インタビュー】Shokz「OpenFit Pro」が切り開くオープンイヤーの新境地。騒がしくても集中できる「フォーカスモード」
2 アキュフェーズ、新フラグシッププリメイン「E-6000」。歴代最大出力 260W/8Ω・350W/4Ω実現
3 専門店で今、売れている・注目されているオーディオアクセサリー<売れ筋ランキング8月 番外編>
4 シマムセン、アキュフェーズの新プリメインアンプ「E-6000」試聴会を10/17開催。E-5000/E-800Sやセパレートアンプと比較
5 10/1から値上げのアキュフェーズ「E-4000」「DP-570S」が首位奪取<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング8月>
6 AWA、Mrs. GREEN APPLEの6thアルバム『POPS』リリース記念リスニングパーティーを開催。9/29 20:30より
7 今年最安値も。「Amazonプライム感謝祭セール」情報が事前公開
8 カーオーディオとホームで共通するB&Wの音世界。ボルボのショールームにて試聴イベント開催
9 EDIFIER、12mmドライバー搭載のイヤーカフ型完全ワイヤレス「Comfo Bass Pro」。LDACやドルビーオーディオに対応
10 B&Wの最新「D5シリーズ」をじっくり楽しめる。11/21-22は「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2026」へ!
9/30 10:51 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 202号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.202
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
ケーブル大全2026
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.34 2026 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.34(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix