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国際家電イベント「IFA」トップが語るAI/ロボティクスの現在地。2026年のトレンド、2027年の展望は?
ドイツ・ベルリンで毎年開催されるホーム&コンシューマーテクノロジーイベント「IFA」。今年の「IFA 2026」は9月4日から8日まで開催され、約24万人が来場し、2,000社以上の企業が出展した。
IFA 2026閉幕から約1か月後となる本日、メディア向けのラウンドテーブルが催され、運営企業IFA Management GmbHからCEOのLeif Lindner(ライフ・リントナー)氏が来日。日本のメディアなどに向けて今年の成果と今後の方針を説明した。
AI、ロボティクス、コネクテッドリビング。日常生活での活用が進む
リントナー氏がIFA 2026で顕在化した主要なトレンドとして挙げたのは、「日常的な製品へのAIの組み込み」「ロボティクスの実用化に向けた進展」「機器単体からエコシステムへ広がるコネクテッドリビング」の3つ。IFA側は、いずれも将来構想の提示にとどまらず、日常生活での活用や実用化に向けた動きが進んでいると分析する。
AIは、単独のアプリやサービスとして使う段階から、家電やスマートフォン、エンターテインメント、ヘルスケア、スマートホームなどへ、“見えない機能”として組み込まれる段階に移っていると説明した。
ロボティクスでは、自律走行型芝刈り機や家庭用ロボット、ヒューマノイド、自律型システムなど、幅広い展示が見られた。日本が長年強みを持ってきた分野でもあり、IFA側もその発展に強い関心を寄せているという。
コネクテッドリビングも、単体のスマート家電という枠を越えつつある。住宅内に限らず、エネルギー、ヘルスケア、モビリティ/自動車、エンターテインメントを横断するエコシステムへと拡大。機器の価値が「単体で何ができるか」から「各デバイスがどう連携するか」へ移りつつあるとした。
B2Bを軸に、B2Cもカバーする“360度”の展示会へ
IFAは一般来場者も入場できるイベントだが、重要な柱となっているのはB2Bである。リントナー氏は質疑応答で、来場者の約68%をビジネス来場者が占めると説明。出展企業が重視する指標も、小売・流通関係者のブース訪問、メディア露出、一般消費者との接点の順になるケースが多いという。
海外バイヤーも多く、日本からはビックカメラや楽天などが参加した。ただし、IFAとしてはB2Bだけに特化する考えではない。実際のユーザーから得られる視点も商品開発やビジネスに欠かせないため、B2BとB2Cの双方をカバーする“360度”のプラットフォームを目指す。
その一環として、クリエイターとの関係も強化している。若年層ではAI、ロボティクス、ビューティーテック、デジタルヘルスなどへの関心が高まっているほか、家族連れの来場も増えているとした。
また、文化・エンターテインメントとの融合も、IFAが重視する要素だ。会場内の「Sommergarten」では3夜にわたり、BUNT.やIkkimel & Friendsの公演、ライブポッドキャストなどを実施。来場者数は計約2万2000人となった。
BUNT.の公演には約1万人、Ikkimelの公演には約1万1000人が集まり、いずれもチケットは完売したという。リントナー氏は、こうした催しを組み込むことで、従来IFAへ足を運ばなかった世代にもイベントの価値を届けられると説明した。
日本のスタートアップへ「欧州進出の入り口」として訴求
IFA 2026には、ソニー、パナソニック、AlphaThetaのほか、旭東エレクトロニクス、日本電気硝子、NEW SIGN、Japan Tech Projectなどの日本勢も参加した。IFA側は、大手メーカーに加えて、日本のスタートアップにも参加を広げたい考えだ。
ラウンドテーブルでは、日本側の参加者から、ものづくりやスタートアップが活発な関西・神戸など、東京以外の企業にもIFAを訴求してはどうかとの意見が寄せられた。
リントナー氏によると、IFA終了後にはスタートアップから、中東の新規顧客との接点が生まれた、欧州で新たな顧客を獲得できたといった反応が多く寄せられたという。こうした支援に手応えを示すとともに、日本を将来的に“パートナーカントリー”のような形で位置付け、地方自治体なども含めた参加を促す構想についても議論できるとした。
「IFA Next」は2027年に向けてさらに拡張する方針で、名称の見直しも検討。ロボティクスやB2Bテクノロジー企業の参加も強化したいという。
日本の家電市場、今年は前年比1.9%増を予測。2027年を左右する3つのテーマ
同会では、NIQ/GfK Marketing Services Japanの水村淳一氏も登壇。「2026年の家電市場動向と2027年を左右する3つの注目テーマ」を解説した。
日本では所得が増加傾向にある一方、物価上昇の影響も強く、消費者が暮らしの豊かさを実感するまでには至っていないという。2026年第2四半期の個人消費は実質横ばいで、雇用環境は比較的堅調ながら、耐久消費財への支出には依然慎重な姿勢が見られるとした。
一方、家電市場は回復基調にある。日本の家電小売市場規模は2024年の6.84兆円から、2025年には7.07兆円へ拡大。2026年は前年比1.9%増の7.20兆円を予測している。

NIQが2027年の家電市場を考えるうえで挙げたテーマのひとつ目は、「省エネ基準変更×政策」によるエアコン需要の前倒しだ。2027年度に向けた省エネ基準の見直しを背景に、低価格・低効率モデルの減少や、製品価格の上昇が起こる可能性を指摘する。
市場ではすでに2026年上半期から、将来の値上がりを見越した早期購入が進んでいると分析。2027年3月末に向けて駆け込み需要が強まった場合、その反動で4月以降の需要が落ち込む可能性もあるとした。
2つ目は「家計余力×内食シフト」。食料品への減税が実施された場合を想定し、家計負担の軽減が家電購入へ直接つながる効果は限定的と分析する。
その一方、外食から内食・中食へ消費がシフトすれば、調理家電には追い風となる可能性を指摘。コロナ禍前後に購入された調理家電が買い替え時期を迎えることも、プラス材料になると見ている。
3つ目は「プレミアム化×PB拡大」だ。製造コストや販売価格の上昇が続くなか、消費者には大型家電などの買い替えを先延ばしする傾向も見られる。そのため、小売側ではプライベートブランド(PB)やオリジナル商品の拡充が進んでいるという。
市場全体が一律に低価格化するのではなく、高付加価値を追求するプレミアム製品と、価格を重視するバリュー製品への二極化が進む可能性が高いと分析した。

次回「IFA 2027」は、2027年9月3日から7日まで開催予定。メディアデーは9月1日、2日を予定している。IFAは「すべての人にイノベーションを」という方向性のもと、展示領域やスタートアップ支援を拡充するとともに、日本企業、メディア、コンテンツクリエイター、イノベーターとの関係をさらに強化していく方針だ。
























