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公開日 2006/09/04 17:08

<山之内正のIFA2006レポート(1)>デジタル放送が広がる欧州“HDコンテンツのいま”

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今年の会場も数多くの薄型大画面テレビで埋め尽くされた

広大な敷地を誇るIFAイベント会場だが、今回は中でも最大クラスの広さとなる「ホール26」の展示テーマを「ホーム・シネマー・リゾート」と称し、薄型テレビを中心としたホームシアターの魅力にフォーカス
今年もIFAの取材のためにベルリンを訪れている。これまで1年おきに開催されていた同展示会がデジタル家電の進化の速さに対応して毎年開催になり、今年はその第1回目ということだが、昨年に続いて訪れたベルリンの街は僅か1年でさらに変貌を遂げていた。まるで空港のような巨大な新しい中央駅が稼動し始めたことがその象徴といっていいだろう。特に東地区については、まだしばらく活気と喧騒が交錯した状況が続くようである。


シャープはAQUOSフルラインナップでお出迎え
IFAの会場に入ると、各社が工夫を凝らしたハイビジョンディスプレイの壮大な展示で迎えられた。ドイツでは今年1月から待望のハイビジョン放送がスタートし、ハードウェア・ソフトウェア普及の環境がなんとか整ったこともあって、ハイビジョンへの流れを一気に加速しようということなのだろう。

ベルリンは放送のデジタル化を先行して実現したことから、2010年の地上アナログ停波を4年後に控えるヨーロッパの他の地域から注目を集めている。現在ベルリン地域の家庭では25〜30チャンネルのデジタル放送を実際に受信できるが、その画面はノイズとは無縁のクリアなもので、デジタルの恩恵は誰の目にも明らかだ。


日立はプラズマテレビでゲートをつくる
一方、ハイビジョンを受信するためには有料のPremiereに加入する必要があるが、立ち上がったばかりということもあり、本格的な普及はまだこれからという段階。隣国フランスでもcanal+がハイビジョン放送を行っているが、実際にハイビジョン番組を見ている世帯数はまだそれほど多くはない。

そうした状況を受けて、会場でハイビジョンディスプレイに映し出されている放送プログラムはPremiereかcanal+のどちらかが多く、それ以外は各社が製作したオリジナルのハイビジョンコンテンツを表示している。HD DVDやBDをディスプレイのデモに使用しているメーカーは日本の企業も含めてまだ少数で、一般来場者への認知度も低い。


ビクターは薄型テレビを円形にズラリ
欧州の消費者は新しいものにすぐには飛びつかないとよく言われるが、ディスプレイの選択についてもそれは当てはまる。たとえば、ハイビジョン放送を表示しているディスプレイのチャンネルを現行放送に切り替えて、SDプログラムの画質を熱心に確認する様子を会場で何度か見かけることがあった。実際にSDの表示クオリティは課題が多く、いま使っているテレビの方がきれいだという感想をもらす来場者も少なくない。

日本でも同じような課題はあるが、ハイビジョンコンテンツの量では日本の方が圧倒的に充実しており、デジタル放送=ハイビジョンという認識は急速に広がっている。一方、欧州ではデジタル放送=多チャンネルという受け止め方が一般的である。ヨーロッパでは、放送以外にさらに強い動機がないと、ハイビジョンへのステップアップに向けて消費者はなかなか動き出さないのではないだろうか。次世代ディスクはその有力な候補のひとつになるような気がするが、どうだろうか。

(山之内正)

[IFA2006REPORT]

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