公開日 2024/10/18 15:21

ソナス・ファベール、フラグシップの技術を取り入れたスピーカーシリーズ「Sonetto G2」

花弁状のドライバーユニット、内部構造など上位モデルの要素を採用
編集部:成藤正宣
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
(株)ノアは、同社取り扱いブランドSonus Faber(ソナス・ファベール)から、スピーカーシステム “Sonetto G2(ソネットG2)コレクション” を11月14日(木)より発売する。ラインナップおよび税込価格は以下のとおり。


・フロア型「Sonetto VIII G2」:1,386,000円/ペア
・フロア型「Sonetto V G2」:1,078,000円/ペア
・ブックシェルフ型「Sonetto II G2」:473,000円/ペア
・ブックシェルフ型「Sonetto I G2」:363,000円/ペア
・ブックシェルフ型用スタンド「Stand Sonetto G2」:148,500円/ペア

「Sonetto VIII G2」

「Sonetto II G2」(別売スタンド設置状態)

・センタースピーカー「Sonetto Center G2」:473,000円/1本
・壁掛けスピーカー「Sonetto Wall G2」:231,000円/1本

「Sonetto Center G2」

「Sonetto Wall G2」

2018年に発売した “Sonettoコレクション” の後継となる第2世代モデル。古楽器のリュートを模したキャビネット・デザイン、情緒あふれる上品で官能的なサウンドを受け継ぎつつ、フラグシップスピーカー「Suprema(シュプレーマ)」の技術を取り入れて音質をブラッシュアップ。またセンタースピーカーや壁掛けスピーカーもラインナップし、さまざまなリスニングスタイルに対応可能だとしている。

全モデル共通の特徴として、キャビネットはリュート形状をベースとしつつ改良を実施した。外周部には最大40mm厚、内部のブレーシング(補強材)には18mm厚の高密度ファイバーボードを採用。平行面を持たない形状で内部定在波や不要振動を的確に抑制し、同ライバーユニットの動作を最適化した。

キャビネット全面は天然木突板仕上げとし、側面から正面にかけては継ぎ目のない1枚板を使用。見る角度にかかわらず木目が統一された美しさを表現した。また天面は、木目が45度の角度で交わるように仕上げ、中央に “Sf” のブランドロゴを配している。カラーバリエーションは、ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラックの3種類を用意。ウェンゲ/グロスブラックは受注発注製品となる。

側面から前面にかけて継ぎ目のない1枚板を使用

天面は木目の角度を合わせ、中央にロゴを配する

本体下部には、ドライバーユニットの排圧を制御するボトム・バスレフ構造を装備。フロア型では排圧を360度に拡散することで豊かな低域を広げ、ブックシェルフ型では前方に向けて放出することでサイズを超えたダイナミックなサウンドを実現するとしている。

壁掛け以外の全モデルにボトム・バスレフ構造を採用

フロア型/ブックシェルフ型モデルおよびスタンドの底面には、本シリーズ用に素材や配合を調整したというカスタムメイド・コンクリート製ベース「Calcare Base(カルカーレ・ベース)」を装着。優れた剛性と制振性によって本体の安定性を高め、キャビネット全体の構造を補強。床面とのアイソレーションも堅固となり、振動を最小限に抑え、リスニング環境に左右されることなくスピーカーのポテンシャルを十二分に引き出すとしている。なお、フロア型とスタンドにはスパイクが付属する。

「Calcare Base(カルカーレ・ベース)」

フロア型およびブックシェルフ型用スタンドにはスパイクも付属

ドライバーユニットは、全種類カスタムメイドのユニットを搭載する。全モデル共通の28mmシルク・ソフトドーム・トゥイーターは、独自技術「アローポイントDAD(ダンプド・エイペックス・ドーム)」を採用。ソフトドームの頂点をダンピングさせることでボイスコイルの逆相挙動を抑制し、音場の広がりと音の透明度を向上させている。

全モデルに搭載される28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター

ミッドレンジは、Supremaのために開発されたユニット「Camelia Midrange(カメリア・ミッドレンジ)」を採用。振動板の外周部を5箇所カットし、イタリア・トスカーナ地方のカメリア(椿)の花に似た形状とすることで共鳴を抑え、自然なサウンドを追求している。また新設計のアルミニウム製フェーズプラグを装着し、ユニットが駆動する際に発生する気流を最適化。一貫した波形パターンの伝播を実現した。

フラグシップモデルで開発された「Camelia Midrange(カメリア・ミッドレンジ)」

ミッド・ウーファーは、ペーパーコーンの外周部を5箇所カットし、花弁のような形状のエラストマー製エッジが包む構造とすることで、ドライバーの円形モードを乱して干渉を抑制。音波の分散と直線性が向上し、音のクリアさと正確さを改善している。ウーファーについても同様のエッジを採用し、振動板は剛性と弾性に優れたPMIフォームを2つのペーパーコーンで挟み込むサンドイッチ構造としている。

ミッドウーファー/ウーファーともに花弁のようなエッジ形状を採用

トゥイーターを除く全てのドライバーユニットには、不要な振動を分散させるアルミニウム・ダイキャスト・フレーム・バスケット「Organic Basket(オーガニック・バスケット)」を装着。コンピューターを用いたF.E.M(有限要素法)に基づく構造解析から導き出された有機的な非対称形状で、振動板から生じる振動を効果的に分散し、共振を排除。さらに、振動板の排圧から生じる空気の流れを阻害しないよう配慮もしており、振幅の滑らかさと可動域も大幅に改善したという。

クロスオーバー・ネットワークも新設計。フロア型モデルの中高域には、上位モデルの技術を取り入れた回路「Hybrid IFF - Paracross Topology」を搭載し、ミッドレンジおよびトゥイーターユニットの逆起電力を抑制。これにより、信号に対する応答がスムースになり、ユニット間の音のつながりがよりシームレスになったという。

ブックシェルフ型モデルには、ドライバーユニットを正確な位相で駆動し、高い直線性を実現するためのクロスオーバー・デザインを採用。非常に明瞭でダイナミックレンジの広いサウンドステージを再現できるとしている。

このほか、ブックシェルフ型/フロア型およびセンタースピーカーそれぞれに異なる独自技術を搭載。ブックシェルフ型には、キャビネット内に共振器を配置することで歪みや共振を低減する「Intono Technology(イントノ・テクノロジー)」を採用。ドライバーユニットの駆動を最適化することでダイナミックレンジが向上し、強力でタイトな低域を再生しつつ、デスクトップや壁面に近い環境でも適切に設置することができるという。

ブックシェルフ型には「Intono Technology(イントノ・テクノロジー)」を搭載

フロア型およびセンタースピーカーには、Supremaで開発された「Cutting Edge Technology(カッティング・エッジ・テクノロジー)」を採用する。共振が少なく加工しやすいコルク素材から作られた有機的な形状のチェンバーを中高域に設け、内部定在波や共鳴を最適化。中高域の解像度や音のつながりを向上させ、艷やかな音色と心地よい余韻、自然なサウンドを再生するとのこと。

フロア型モデルの中高域には、フラグシップモデルと同じ技術「Cutting Edge Technology(カッティング・エッジ・テクノロジー)」を搭載

フロア型モデルSonetto VIII G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/165mmミッドレンジ1基/203mmウーファー2基を搭載する3ウェイ/バスレフ方式。周波数特性は33Hz - 40kHz、出力音圧レベルは90dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は350Hz/2.5kHzとなる。外形寸法は334W×1190H×480Dmm、質量は45kg。

「Sonetto VIII G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

フロア型モデルSonetto V G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/165mmミッドレンジ1基/165mmウーファー2基を搭載する3ウェイ/バスレフ方式。周波数特性は35Hz - 40kHz、出力音圧レベルは89dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は280Hz/2.5kHzとなる。外形寸法は308W×1088H×415Dmm、質量は33.5kg。

「Sonetto V G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

ブックシェルフ型モデルSonetto II G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/165mmミッドウーファー1基を搭載する2ウェイ/バスレフ方式。周波数特性は42Hz - 40kHz、出力音圧レベルは87dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は3.1kHzとなる。外形寸法は227W×414H×355Dmm、質量は10.4kg。

「Sonetto II G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

ブックシェルフ型モデルSonetto I G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/125mmミッドウーファー1基を搭載する2ウェイ/バスレフ方式。周波数特性は52Hz - 40kHz、出力音圧レベルは86dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は2.1kHzとなる。外形寸法は200W×377H×304Dmm、質量は8.4kg。

「Sonetto I G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

センタースピーカーSonetto Center G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/100mmミッドレンジ1基/165mmウーファー2基を搭載する3ウェイ/バスレフ方式。周波数特性は45Hz - 40kHz、出力音圧レベルは88dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は350Hz/4kHzとなる。外形寸法は648W×235H×353Dmm、質量は17.6kg。

「Sonetto Center G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

壁掛けスピーカーSonetto Wall G2は、28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム・トゥイーター1基/165mmミッドウーファー1基を搭載する2ウェイ/密閉方式。背面には角度調整が可能な金属製ブラケットを備える。周波数特性は60Hz - 40kHz、出力音圧レベルは87dB SPL(2.83V/1m)、公称インピーダンスは4Ω、クロスオーバー周波数は3.1kHzとなる。外形寸法は271W×437H×169Dmm、質量は6.8kg。

「Sonetto Wall G2」(ウォルナット/ウェンゲ/グロスブラック)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX