公開日 2020/02/05 06:30

クリプトン渡邉氏×生形三郎、スピーカーの真価を引き出す「バイワイヤリング接続」の魅力

「SC-HR2000」スペシャル対談
聞き手:生形 三郎
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2つのスピーカーと組み合わせ、SC-HR2000のクオリティをチェック!

今回、SC-HR2000によるバイワイヤリング接続の効果に迫るべく、クリプトン試聴室にて渡邉氏と生形氏によるクロス試聴も実施した。最新モデルの「KX-5PX」、ミドルクラスの「KX-3Spirit」というクリプトンを代表するバイワイヤリング接続対応スピーカーをリファレンスに、SC-HR1300、SC-HR1500のシングルワイヤリング接続の音質も比較する。

クリプトンのスピーカーの代表モデル「KX-5P」「KX-3Spirit」をリファレンスに、生形氏/渡邉氏がクロスレビューを行った

■「SC-HR2000」×「KX-5PX」


生形氏「音像や音場の表現が伸びやかに」

始めに、シングルワイヤリング接続でSC-HR1300とSC-HR1500のみを使用してみましたが、その表現の違いを楽しむことができますね。KX-5PXのように、クリアかつタイトな描写が魅力のスピーカーでは、SC-HR1500を使用すると、低域量感をより豊かなバランスで楽しめるようになります。

そして、バイワイヤリング接続に変更すると、その大きな違いに驚かされました。トゥイーターとウーファーからのエネルギーが互いに十全に解放され、音像や音場の表現が伸び伸びと空間に展開されました。この改善効果は、まさにバイワイヤリングでしか実現できない領域だと痛感させられます。

渡邉氏「ストレスから開放されステージが一気に広がる」

SC-HR1300は、高域表現が滑らかです。SC-HR1300からSC-HR1500に変えると、低域の量感が増え、質感も良くなりますね。どちらのモデルも、スピーカーケーブルによる効果が顕著に出ていますが、やはりシングルワイヤリング接続だと、モジュレーションによる影響か、ストレスが掛かっている印象です。

SC-HR2000でバイワイヤリング接続して試聴すると、そのストレスがなくなり重りが外されたかのように開放され、横と縦のステージイメージが一気に広がります。クラシックだと特にその広がり感が体感できると思います。

■「SC-HR2000」×「KX-3Spirit」


生形氏「高域は明晰でブレない低域表現」

KX-3Spiritでも、シングルワイヤリングでは両者の異なる魅力が発揮されました。SC-HR1500はボトムが安定しトータルバランスが良好。一方でSC-HR1300は、スピーカーの持つ明瞭で明晰な持ち味をよりはっきりと実感させてくれます。それでいて、高域部分にいやな歪み感がない。これが、マグネシウム芯線で振動を吸収しリンギングを抑えるという効果なのでしょう。

そして、バイワイヤリング接続では、KX-5PX同様に、窮屈さのない、伸び伸びとした音楽表現が快感だ。明晰で滑らかな高域と、リッチながらもブレのない低域のコンビネーションが実現されていることも素晴らしいですね。

渡邉氏「内部配線材の違いまで浮き彫りに」

KX-3Spiritの内部配線材はKX-5PXと異なるものを使っています。トゥイーター側の配線は、SC-HR1300の前に開発した、マグネシウム単線(φ0.7mm)にPC-Triple C(φ0.7mm×6)をロープ撚りしたものです。このマグネシウム線が良い評価を得たことが、KX-5PXで採用したSC-HR1300の開発につながりました。また、ウーファーには海外メーカー製無酸素銅(OFC)線を採用しています。

このような内部配線材の違いは当然スピーカーの音の違いとして現れますが、SC-HR2000でバイワイヤリング接続すると、その差異がいっそう浮き彫りになります。SC-HR1300/HR1500のシングルワイヤリングとも異なりますので、どの様な効果が得られるか、ぜひ実際に試聴していただきたいのです。


シングルワイヤリング接続で掛かっていた多大なストレスからスピーカーを解放し、その実力を余すことなく発揮してくれるSC-HR2000。バイワイヤリング接続に対応したスピーカーをお持ちのピュアオーディオファンは、絶対に見逃せないスピーカーケーブルだ。
(協力:クリプトン)

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