公開日 2018/08/27 06:00

FiiOのワイヤレスオーディオも採用。Qualcomm aptX/aptX HDはなぜ音が良いのか?

【特別企画】Bluetoothオーディオの疑問をクアルコムに聞いた
構成:編集部 小澤貴信
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ポータブルオーディオブランド FiiOは、ヘッドホンアンプやオーディオプレーヤー(DAP)でその名を知られているが、近年ではワイヤレスオーディオにも積極的に取り組んでいる。例えば、最新DAPの「M7」(関連ニュース)はaptXおよびaptX HDに対応。8月下旬に発売されるMMCX対応のBluetoothケーブル「RC-BT」(関連ニュース)もaptXに対応。ワイヤレスにおいても、ワイヤードと同様に音質を追求する姿勢を見せている。

FiiOのポータブルプレーヤーは、最新の「M7」がaptX HDに対応するなどBluetoothにおいても高音質化を追求している。aptX対応のBluetoothケーブル「RC-BT」も8月下旬に発売となった

このようにFiiOが取り組むワイヤレスオーディオを語る上で欠かせないaptXやaptX HDは、そもそもなぜ音が良いのか? また、ワイヤレスオーディオにおける音質の追求にはどのようなアプローチがあるのか。今回、aptXやaptX HDはもちろんワイヤレス関連の様々なチップを手がけるクアルコムに、FiiOを取り扱うエミライの島幸太郎氏がBluetoothにまつわる様々な疑問を聞いた。

クアルコム CDMAテクノロジーズ マーケティングマネージャー 大島 勉氏(写真右)と、FiiOの輸入代理を行う(株)エミライの島幸太郎氏(写真左)


Q1、そもそもBluetoothにおける“コーデック”とは何か?

島氏 よくお客様からのご質問で、「この製品はaptXやaptX HDに対応していますか?」というお問い合わせをいただきます。ワイヤレスオーディオの音質を語る上での大きな要素として、aptXやapt X HDなどの高音質規格に対応しているかどうかが主なトピックとなるわけですが、これらは「コーデック」と呼ばれています。そもそもコーデックとは何なのか、改めて教えていただけますか。

大島氏 Bluetoothでは、一定の時間でワイヤレス伝送できるデータ量が定められています。データの通り道となるパイプの太さが決まっている、と考えるとわかりやすいでしょう。実効値でいえば、そのパイプの太さは1,000kbps(1Mbps)程度です。

CDに収録されている音楽のデータというのは約1,440kbpsですから、Bluetoothのパイプの太さでは、CDのデータをそのまま通すことはできません。そうなると必要になるのが音声データの圧縮です。この圧縮における作法をコーデックと呼んでいます。コーデックのおかげで、限られた太さのパイプにオーディオ再生のために十分なデータを通すことができるのです。

大島氏に、aptXやaptX HDの詳細を中心にBluetoothの疑問を伺った

ただし、このパイプの太さは常時1,000kbpsを確保できるわけではなく、無線環境によってはパイプはもっと細くなってしまうこともあります。だからBluetoothの黎明期には、現在よりかなり低いビットレートでデータを伝送していました。それが昨今の無線技術やハードウェアの向上により、Bluetoothにおいてもビットレートをさらに上げてより高音質なワイヤレス再生を行おうという流れになりました。ここでコーデックとして、aptXやaptX HDのような技術が利用されることになったわけです。


Q2、Bluetoothのバージョンにはどのような意味があるのか?

島氏 Bluetoothには「4.2」や「5.0」といったバージョンがあります。Bluetooth対応のオーディオ機器を選ぶ際に、このバージョンはどのように参考にすればいいでしょうか。漠然と「数字が大きいほうがいい」と思っているかたも少なくないと思います。

大島氏 バージョンというのはBluetoothの一番大きな器と言えます。このバージョンの中に、音楽を伝送する技術であるプロファイルがあり、このプロファイルの中にコーデックがあります。例えば、A2DPプロファイルが、aptXやaptX HDといったコーデックが活躍する場になるといった具合です。

これがどういうことかというと、大きな器であるバージョンが上がっても、プロファイルが更新されなければ、コーデックについても今までと変わらないということです。つまりは、aptXやaptX HDに対応しているならば、その範囲においてBluetoothのバージョンによる違いはないということです。送信側と受信側でバージョンが違っていても、両者がaptX対応ならば、問題なくaptXでの伝送が行えます。

FiiOのBluetoothイヤホンケーブル「RC-BT」は、Bluetoothのバージョンが4.1となっている

それならば、Bluetoothのバージョンをまったく気にしなくていいのかというとそんなことはありません。Bluetoothの役割は音楽のワイヤレス伝送に限ったことではなく、ウェアラブルデバイスとの連携など様々な役割があります。

Bluetoothはバージョン 4から消費電力を抑える「Bluetooth Low Energy」という規格が追加されました。バージョン5でも、このLow Energyが強化されました。音質には関係ない要素ですが、大変重要なポイントです。


島氏 そうなると、例えば、Bluetooth 5.0でないでできないことというのはあるのでしょうか。

大島氏 例を挙げるなら、スマートフォンなどのアプリとの連携で差がでます。Bluetooth 5に対応した機器同士であれば、Low Energyによってデータ転送速度や消費電力の面で差が出てきます。

次ページ複数の種類があるコーデックの中で、aptX/apt X HDが音がいい理由とは?

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