Phile-webが誕生してから今年で10年。この10年間にもAV業界には様々なトピックがありました。そんなAV関連の出来事でPhile-web読者が最も印象に残っているのはどんなことなのか?「キーワード」とその理由をAVファンの皆さんに訊ねてみました。
 
業界動向からマイシアタールーム新設まで様々な思い出が大集合

それでは早速皆さんの思い出を見ていくことにしましょう。まずは業界全体に関するトピックについて述べて頂いたご意見から。

キーワード 地上デジタル放送

この地上デジタル放送が開始されなければ、薄型の液晶やプラズマテレビの普及は、無かったと思います。

それに伴い、DVDそしてブルーレイなどの普及も進んだと考えます。これらが一般家庭に浸透して行くに従って、AVアンプなどや5.1ch、7.1chなども一般化していったと考えられるからです。ただ、残念なのはSACDなど音響面が、この流れの中に入りきれなかったことです。
(岐阜県 drei_entenさん 44歳・男性)

たしかに今やテレビと言えば薄型が当たり前の時代。編集部でも「ブラウン管の時代は取材での機器入れ替えが重くて大変だった。薄型テレビで軽量化されたのは自分たちにとって別の意味でもありがたかった」という思い出話で盛り上がりました。

完全地デジ化まであと少し。地デジカも単独サイトを持って普及活動中

そして業界のトピックといえば非常に残念な出来事も…。

キーワード HD DVDの終息

幾多の規格先陣争いの中でも、熾烈を極めたものとして、記憶に焼き付いています。レコード盤に端を発する記録の系譜は、やがて、すべて半導体メモリーに収束されてしまうのでしょう。そして、きっとその次も同じことの繰り返し。30年後の記録媒体は、どうなっているのでしょう。わくわくできるものになっていることを期待します。
(神奈川県 ホワイトミストさん 58歳・男性)


キーワード パイオニア、薄型テレビ事業撤退を発表

誰もが憧れたパイオニア『KURO』の生産停止が非常に残念でならなかったからです。最初に店頭で『KURO』を見た時に、「数字ではあらわせない独特の色の深み」と「真のブラック」など画質についてはどれをとっても一級品の仕上がりでした。携わった全てのスタッフの『KURO愛』をまたどこかで見せて欲しいと思います。
(大阪府 ナガキョウさん 31歳・男性)

このふたつのできごとに関してはほかにも多くのご意見が寄せられ、衝撃の大きさを編集部一同で改めて実感しました。しかし、HD DVD陣営の筆頭だった東芝も、テレビ事業から撤退したパイオニアも、AV機器メーカーとしての実力や底力は誰もが認めるところ。ジャンルやフォーマットこそ違えど、これからもきっと魅力的な製品で我々AVファンを楽しませてくれることでしょう。

 
2007年6月発売の東芝製HD DVDレコーダー「RD-A600」   パイオニア“KURO”「KRP-600A」

さて、お次は「自身がAVファンになる転機があった」という方々のご意見をピックアップ。マルチch環境でのホームシアターデビューを果たしたという方の思い出をご紹介しましょう。

キーワード 5.1ch

オーディオとは程遠い生活をしていた2000年頃。ちょうどその時期にDVDが本格的な普及を始め、私の家にもDVDがやってきました。

DVDを購入した時は、VHSと同じ様に普通にTVに繋いで観ていましたが、雑誌やインターネットで5.1chサラウンドが色々と紹介されているのを見て、何て面白そうなんだろうと、密かに思っていました。そして遂に2000年夏に我が家も5.1chの仲間入りをしました。

その時は、ソニーのAVアンプに有り合わせのスピーカーを組み合わせ楽しんでましたが、その後、アンプをヤマハに替え、現在はマランツ「SR8002」と7.1ch全てBOSEの組み合わせでブルーレイを楽しんでいます。

もし、5.1ch&DVDに出会わなければ、現在のサラウンド環境は無かったことでしょう。また、5.1chとの出会いは、オーディオ(というかホームシアター)の楽しさと出会う、最大のきっかけだったと思います。
(栃木県 たろちゃんさん 37歳・男性)


キーワード YAMAHAの完結型ホームシアターセット「DVX-S100」 を購入

2002年、DVDやBS等での映画、スポーツ中継等での5.1chを体感したくて購入。12万円ぐらいだったかな、これが今に繋がる私のホームシアター、AVライフの始まりです。
(宮城県 takabonさん 50歳・男性)


キーワード 念願のマイホームを建てシアタールームができたこと

6年ほど前にマイルームを建てシアタールームを確保しました。それまで実家の古い6畳間や会社の寮でステレオアンプによるマトリックスサラウンドで楽しんでいましたが、部屋による変化に新製品に買い換えたような気になったのをおぼえています。その年にintegra「DTC-7」を導入してAVアンプデビューもしました。
(兵庫県 アキさん 43歳・男性)

このほか、ホームシアターデビューを飾ったというご意見では「家をリフォームした際、ホームシアターに目覚め、いきなり実物を見ないでデノンのAVC-A1SEをネットで購入。前にもアンプを買った経験から想像していたものよりも巨大な物体。『これが、超弩級のAVアンプの大きさか!』と目が点になりました」(埼玉県 kazupapa 49歳・男性)などといった思い出も。皆さんそれぞれに激動のAVライフを過ごしてきたご様子ですね。

 
ヤマハ「DVX-S100」。プログレ対応DVDプレーヤー内蔵のホームシアターサウンドシステムだった   9.1ch対応のAVアンプ オンキヨー「TX-NA5007」。マルチchは今も進化し続けている

さて、ここまではテレビやホームシアターなどビジュアル寄りな思い出をご紹介してきましたが、オーディオ関連の思い出も熱心なご意見を頂戴しました。

キーワード Nautilus801との出会い

ここ10年間での大きな出来事と言えば…色々と有るものの、2000年5月に購入したB&W「Nautilus801」(以下N801)でしょうか。N801は1998年10月の発売であると記憶していますが、発売から1年半後の購入には訳があるのです。

「N801」の前はJBL「4344」を使用しておりました。約10年間、時を一緒に過ごしております。コレと言った不満は無いものの、一種の「飽き」が来ていたのでしょうか、次なるスピーカーを物色していた事は確かでした。知り合いに「4344なら購入しても良い」という方が現れ、ふたつ返事で彼の部屋へと「4344」は持ち運ばれました。これが1999年春ごろの話で、そこからが真剣に次期モデルの選定に至ったという訳です。

「N801」は 輸入ショーで聴いた第一印象がとても良く「コレかなァ??」と言う思いはズ〜っとありました。しかし何故か踏ん切りがつかず、1年間は試聴のしまくりでした。今思えば、この行為はN801を購入すべく「理由」を見出す為の作業だったと思います。N801のライバルと言われていたモデルたちも聴き「やはりN801だよな!」と…自分に言い聞かせ購入に至った次第です。この決断は今も後悔はしていません。
(長野県 アコス。さん 44歳・男性)

この「自分の中で購入はほぼ決定しているけど、背中を押す最後のひと押しを探すために他製品の試聴を重ねる」という行為、ある意味で買い物の際の醍醐味かもしれませんよね。共感できる方も多いのではないでしょうか。

B&W「Nautilus801」。価格は210万円(税込)。現在は生産完了品となっている

そしてオーディオ関連では、DVDを観るためにAVアンプを購入し、ふとしたことからDVDオーディオとSACDに魅了されたという方もいらっしゃいました。

キーワード DVDオーディオ、SACDの発売

雑誌で好評だったソニーのAVアンプ「TA-DB790」を購入。もちろん狙いはスターウォーズのDVDを見るためでした。

「さてDVDプレーヤーは何にしようか。…ん?マルチプレーヤー???SACD???DVDオーディオ???」

雑誌に聞きなれない言葉がのってるなぁ…でもどうせ買うならこのマルチっていうやつを買ってしまおう。ヤマハのが格好いい、無理して買おう!というわけで「DVD-S2300」も我が家にくることになったのでした。

その後、SACDとDVDオーディオのことはすっかり忘れて、たまにしか行かないAVフェスタに行った時のこと。とあるブースのおじさんが僕を呼んでいます。

「DVDオーディオブース…ああ、あれか。ヒマだから聞いていくか。…なるほど、なかなかいい音だな。そういえば1枚もディスク持ってないや。DVDオーディオもSACDも。目をつぶって1枚買っていくか」

そして、ふと握った初めてのDVDオーディオディスク、それがドナルド・フェイゲンの『The NightFly』でした。

その日の夜、何気なくそのDVDオーディオディスクをかけてみました。「2chだってセッティング難しいのに、5chもどーするんだ?」などと考えてるその時…曲が鳴り始めてすぐ、頭の中は『?』でいっぱいに。そんなはずはない、そんなばかな。何回も曲をリピートして、曲の冒頭を再生してみます。クリアに澄み切った音色、壁を通り越して広がる音場。自分の部屋に、インターナショナルオーディオショウのあの会場の雰囲気が蘇ってきたのです。

2chの凄いオーディオとは違うが、この独特のクリアな感じと音場感は凄すぎる。こんな安い装置からここまでの音が出て良いのかと驚き、気がつくと時計は深夜1時半を回っていました。それ以来、気に入ったDVDオーディオやSACDを探して少しずつ数を増やしています。
(神奈川県 小山明彦さん 36歳・男性)


マランツのユニバーサルプレーヤー「UD9004」

このほかにも多数のご意見を頂戴しましたが、スペースの都合で全てを掲載できず非常に申し訳なく思っています。AVファンの皆さんの熱い思いを拝見できて編集部も思いを新たにしました。これからの10年に向けて、もっともっと皆さんに有意義な情報をお届けできるように頑張っていきますので、今後もPhile-webをよろしくお願いします!

 

 

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