LUXMANプリメインアンプ現行モデル レビュー
週刊で注目製品のレビューをお届けするPhile-webの人気コンテンツ「週刊製品批評」に掲載されたラックスマンのプリメインアンプ現行モデルの評価記事を特別掲載で紹介しよう。
 
操作する悦びを追求したフルマニュアル機 ラックスマンの本命プリメインアンプ
文/井上千岳
L-509u LUXMAN
プリメインアンプ

L-509u

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最新パーツと設計技術で磨かれた高音質を実現

L-590AやL-550Aなど純A級アンプが人気を集めているラックスマンだが、こちらはAB級アンプで120W×2/8Ωのハイパワータイプ。名実ともにプリメインアンプではラックスマンの最高峰となるモデルである。

回路技術の中心となるのがODNF2.2。従来のNFBと違って音楽信号自体には手を付けず、歪み成分だけをフィードバックする独自の技術である。これにより、エネルギーを保ちながら歪みの大幅な低減が可能となった。また音量調節には左右連動誤差0.5dB以内という精密な真鍮製アルティメイト・ボリュームを採用。ラックスマンとしてはプリメインアンプへの搭載は4年ぶりのことである。

電源は580VAの容量を持つEI型トランスと、カスタムメイドの10000μFブロック・コンデンサーを4本搭載。強力な電源ブロックを形成することで、駆動力を保証している。また、回路基板には信号ラインを被覆するレジストを全廃したピールコートPCBを使用。70μmの銅箔に金メッキを施し、純度向上を図った。

こうした設計内容が反映され、音質も最高度に磨き上げられていると感じた。S/Nの高さ、レンジの広さはいうまでもなく、上から下まで位相の揃った再現性は音場空間を隅々まで丁寧に把握する。アカペラでは一人一人がそこに立つかのような素晴らしさだ。ジャズでも楽器の存在感が高い。オーケストラの見事な分解能とダイナミズムも秀逸。本機はラックスマンの本命といってもいい仕上がりになっている。

 
<この製品の情報は「AVレビュー」2007年3月号にも掲載されています>
スペック
【SPEC】●連続実効出力:120W+120W/8Ω、240W+240W/4Ω ●全高調波歪率:0.003%以下(8Ω、1KHz)、0.03%以下(8Ω、20Hz〜20KHz) ●音声入力:LINE4系統(RCA)、PHONO1系統(RCA)、バランスLINE2系統(XLR) ●REC入出力:REC OUT、MONITOR IN(RCA)各1系統 ●セパレート:PRE OUT、MAIN IN(RCA)各1系統 ●スピーカー出力:1系統A、B 独立出力 ●消費電力:330W ●外形寸法:467W×179H×428Dmm ●質量:27.5kg ●問い合わせ:ラックスマン(株) TEL/045-470-6993
リンク
ラックスマンの製品情報
「AVレビュー」2007年3月号のご購入はこちら
Phile-webニュース【ラックスマン、プリメインアンプの最高級モデル「L-509u」を発売】
 
筆者プロフィール
井上 千岳  Chitake Inoue

東京都大田区出身。慶應大学法学部・大学院修了。有名オーディオメーカーの勤務を経て、翻訳(英語)・オーディオ評論をはじめる。神奈川県葉山に構える自宅視聴室でのシビアな評論活動を展開、ハイエンドオーディオはもちろん高級オーディオケーブルなどの評価も定評がある。主な著書は『デジタルオーディオのすべて:DA変換技術をわかりやすく解説』(電波新聞社刊)。翻訳では、海外オーディオブランドの国内向けカタログを多数手がける。趣味は5歳より始めたピアノで、本格的な演奏を楽しむ。ほかに、登山をたしなみ、鮮魚料理(いわし)、日本酒にも目がない。