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PRブランド60周年記念限定モデルがさらに進化

オーディオテクニカ「AT-MCD1」を聴く。スタイラスチップ一体型ダイヤモンドカンチレバー採用カートリッジの実力に迫る!

公開日 2026/06/11 06:30 角田郁雄
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「AT-MCD1」音質レビュー:「生演奏のような空間描写力」

このように音質向上のための変更点は多く、長く継続生産できることも考慮したとのこと。実際の製作にあたっては、経験豊富な職人により、精密に行われ、天然無垢チェリー材の専用ウッドケースに収容され、販売される。

ヘッドシェルをつけたまま収容できるウッドケースが付属する

その音質は、音溝から徹底的に情報量を引き出し、奏者や歌い手の表情を、あたかも生演奏のように空間描写することが大きな特徴と魅力である。周波数レンジは、広く高解像度特性であり、特に弱音再生能力が高い。

それだけに、リファレンス盤であるヴォーカル曲、 ホフ・アンサンブルの「Quiet Winter Night」では、録音場所である教会の残響豊かな空気感や奏者の実在感が感激するほど鮮明である。

声質は、まさに肉声で、巧みな声使いや、時折、身体の向きを変える様子まで再現される。これを囲む、ピアノ、トランペット、ギター、ドラムス、金属パーカッションの響きも、実に豊潤。細かな微細音が重畳され、奥行き感のある立体空間を創出してくる。弱音再生にも優れているため、音楽全体に深みを感じさせてくれる。

 オーディオ評論家の角田郁雄氏

ECMの名盤、チック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を再生すると、古い録音とは思えない、生々しい音や演奏の臨場感が体験できた。

特に右側から聴こえるシンバルは、その場で鳴っている感覚になり、左側から中央付近に響く、エレクトリック・ピアノの一音一音が、明瞭かつ滑らかに響いてくる。

さらにベースに厚みが加わる。女性ヴォーカルの歌唱やエコーに透明感が増し、ECMの録音の良さを引き立ててくれる。

スクラッチ音も極小で静けさを引き立て、楽器や声の倍音も実に豊潤で、情報量が豊富であるため、録音で使ったリヴァーブの効果までも鮮明になる。実に音に透明感があり、高解像度であるため、音がダイレクトに伝わってくる。

また、録音に優れたシェフィールド・ラボのフュージョン「James Newton Howard & Friend」を再生すると、一音一音に美音が加わった印象を受け、そのレンジの広い躍動感ゆえに、音楽に引き込まれてしまう。

クラシックの弦楽パートでは、音の立ち上がりを強調しない、膨らみのある木質感たっぷりの響きが聴け、極めて空間描写性が高いことも理解できた。

このように、「AT-MCD1」は、同社技術の粋を結集したフラグシップモデルなのである。空芯MCカートリッジのフラグシップ、「AT-ART1000X」とともに、オーディオテクニカの金字塔の登場となった。愛用のプレーヤーとアームを引き立てることであろう。

(提供:オーディオテクニカ)

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