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PRブランド60周年記念限定モデルがさらに進化

オーディオテクニカ「AT-MCD1」を聴く。スタイラスチップ一体型ダイヤモンドカンチレバー採用カートリッジの実力に迫る!

公開日 2026/06/11 06:30 角田郁雄
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限定モデル「AT-MC2022」からの進化点は?

音楽の臨場感を鮮明にする技術とも捉えることができる。しかし、実際にチャレンジすると、変更点も多かったそうである。

そのなかで、まず、進化させたことは、音溝に対して、さらなる針先の追従性を実現し、高精度な情報量が引き出されるよう、針先一体のカンチレバーの軽量化を考えだしたことだ。

それは、カンチレバーの先端部を記念モデルの35°のカットから50°のカットに変更するという絶妙な工夫であった。

大きさを10倍にした模型でのカンチレバー周辺の様子。先端部のカットが「AT-MC2022」の35度から今回は50度に変更されている

さらに踏み込んだのは、針先の変更であった。それは、同社初となる新規形状のシバタ針を開発したことである。同社の従来モデルでは、「R2.7×r0.26mil」の針先形状であったが、今回は、さらに細い「R2.7×r0.08mil」に変更された。先端曲率半径を小さくした。

これにより、高域の機械的共振のピークを抑制でき、さらにレコードの音溝に忠実に追従することを可能にし、繊細かつ精密な情報量を引き出している。とりわけ、高域の再現性を高めることにも成功している。

磁気回路は、コイルを左右独立させたデュアル・ムービング・コイル磁気回路である。この構造により、セパレーションが向上し左右コイルの音質的な干渉も低減し、歪み感のない、明瞭な音像定位を実現している。

針先形状が従来モデルよりも細い 「R2.7×r0.08mil」に。 磁気回路は、コイルを左右独立させたデュアル・ムービング・コイル磁気回路を採用

ここにも改良を加え、今回は、フロントヨークの厚みを “AT-ART9Xシリーズ” より0.6mm増やし、磁束密度を強化。出力電圧を約15%向上させ、0.55mVを達成した。コイル線には、PCOCC(単結晶状高純度無酸素銅線)を採用した。

なかでもチタン・ハウジングは重要であり、使い方次第で音響的にも豊かな響きを出す、と同社は考え、その軽量化を行なった。その理由は、本体質量が重すぎると、アームを含めた最低共振周波数は低下し、アーム自体の動作が不安定になる可能性があるからである。

実際のチタン製ハウジングの製造に当たっては、最先端の5軸切削加工機を導入し、複雑かつ美しい曲面を実現すると同時に、チタン肉厚を最小限とし、軽量かつ高い剛性も実現。

表面処理は、手作業の鏡面仕上げで研磨され、イオン・プレーティングで耐食性も向上させている。仕上がりは光沢のある美しいブラック・グロスである。

その他の特徴としては、真鍮製の出力ピンの金メッキを同社従来品の約30倍(3μ)に増やし、接触抵抗の低減と音質強化を図っている。

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