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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第261回】

Apple Music ロスレス/ハイレゾ配信を徹底解説! 基礎知識からおすすめ再生デバイスまで

公開日 2021/07/03 07:00 高橋 敦
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最後にAcoustune「AS2000 Lightning Adapter」。メーカー希望小売価格税込1万4,980円程度とお高めだが、それも納得の音質と機能性を備えている。イヤホンジャック部分が妙に大柄だが、実はそこに各種プラグに対応するイヤホンジャック交換機能が搭載されているのだ。

左から4.4mm/2.5mm/3.5mmのプラグに対応するジャック部分

このような機構で交換できるようになっている

前述のORB製品が3.5mm/4.4mm/2.5mmそれぞれに対応するバリエーションを展開しているのに対して、こちらは端子部交換機能によって1パッケージで全てのイヤホン端子に対応。どちらのアプローチが優れていると一概には言えないが、例えば様々な端子のイヤホンを取っ替え引っ替え楽しんでいるなんてマニアには、それに合わせてジャックをさっと交換できるこちらの製品の方が合うかもしれない。

もちろん利便性だけではなく音質や耐久性も強化されている。ジャック部を2重の異型金属シェル構造によるデュアルメタルジャケットとして外部ノイズの侵入を低減。ケーブルは高純度8芯OFC導体で信号の損失を最小限に。ケーブル皮膜は耐久性を高める特殊ケブラーとなっている。

DACヘッドホンアンプは音質ロスなし+音質アップ!

48kHz/24bitのロスレスまでにしか対応しないヘッドフォンジャックアダプタでも、音質スペック不足による音質ロスはそんな気にするほどじゃない?だったら96kHz/24bitなどのハイレゾも、そのスペックを維持したまま再生できるDACヘッドホンアンプを使う意味は何?そう疑問に思うかたもいらっしゃるかもしれない。

答えとしてはまずは、「僅かであっても音質ロスはないに越したことはない」というのは当然ある。

だがもうひとつ、より大きな意味がある要素は、対応サンプリング周波数などのスペックとはまた別の、DACやアンプといったオーディオ回路の作り込み等によるオーディオ性能の高さ。それによる音質向上だ。

ヘッドフォンジャックアダプタは前述のように、Appleの定めた仕様に沿ったAppleが用意したチップを使ったものにならざるを得ない。対してDACヘッドホンアンプにはそういった制約はなく、各メーカーが厳選したパーツと工夫を凝らした設計でその音質を高めることができる。

その差がオーディオ機器としての総合的な音質の差を生み出す。より高音質なハイエンドイヤホンと組み合わせて使う場合などには、その違いをより顕著に感じられることだろう。

実際に使用する際にはiPhoneとの接続方法に注意が必要だ。DACヘッドホンアンプ側のUSB-C端子とiPhone側のLightning端子をつなぐケーブルに普通のUSB-Lightningケーブルを使うと接続認識が行われないため、「OTG対応」ケーブルが必須となる。

ここの接続に使うケーブルはUSB OTG(On-The-Go)規格への対応が必須

その点も含め、基本的には「iPhone対応が明記されていてOTGのLightningケーブルが付属する製品」を選んでおくのが無難だろう。そうしておけば「せっかく買ったのにiPhoneとの接続がうまくいかない……」なんて悲しみを回避できる。

上の写真でも利用しているFiiO「LT-LT1」は実売3000円ほどのOTGショートケーブル。ポータブルオーディオ定番ブランドの製品なので安心!

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