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【特別企画】人気イヤホンと組み合わせテスト

HiByの最新DAP「R5」レビュー。実売4.5万円で4.4mmバランス搭載、Google Play対応の注目機

公開日 2019/08/29 06:00 野村ケンジ
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そのほか、機能面ではBluetoothワイヤレスとWi-Fiのどちらも搭載し、アプリと組み合わせて様々な活用を行えるなど、多彩な機能性を持ち合わせている。また、「HiByMusic Player」アプリはイコライザーに加えて「MSEB」と呼ばれる独自の音質チューニング機能も搭載していて、直感的かつ自由にサウンドキャラクターをカスタマイズすることができる。こちらの機能も、HiByならではの魅力のひとつといえる。


フォーカス感を確保しつつ音楽的な響きを聴かせてくれる

さて、肝心のサウンドはいかなるものだろう。まずは筆者がリファレンスとして使用しているイヤホンのひとつ、JVC「SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)」を使って3.5mm、4.4mmバランス出力のサウンドを確認してみた。

「HiBy Music」アプリの再生中画面

「HiBy Music」アプリのアルバム一覧の画面

一聴して感じたのは、先の製品とはやや方向性が異なっているサウンドキャラクターを持っている、ということだ。「R6Pro」などがどちらかというとフォーカス感の高さが際立つ、ソリッドな印象のサウンドだったのに対して、「R5」は、品のいい柔らかな低域を持ち、緩やかに自然に広がる豊かな響きを描いてくれるようになった。フォーカス感はしっかり確保されているのだが、どことなくやさしさを感じる響きを持ち合わせている。

この傾向は、4.4mmバランス接続によってさらに顕著になる。低域が単に柔らかく豊かなだけでなく、しっかりとした解像感を持ち合わせるようになるため、前後左右への音場的な広がり感、定位の確かさが出現。結果として、ライブ演奏などではホールの広さや響きの違いまでしっかり把握できるようになった。また、中高域もピュアさが増し、アコースティック楽器が一段とリアルに感じられる点も好ましい。こと音質に関しては、かなりの良質さであるのは確かだ。

JVC「SOLIDEGE 01 inner(HA-FD01)」


人気のCampfire Audioのイヤホンで音質をチェック

続いて、今回は「R5」のサウンドをチェックするために、Campfire Audioの最新製品「ANDROMEDA」「POLARIS II」「IO」の3モデルを使っての試聴も行ってみる。ちなみにこちらの3製品、ANDROMEDAが同ブランドのラインナップのなかでも高い人気を誇る5BAドライバー搭載モデル、POLARIS IIがBA+ダイナミック型のハイブリッド構成モデル、IOが2BAモデルと、三者三様のドライバー構成とサウンドキャラクターなので、イヤホンとの相性などにも大いに参考になってくれるだろう。

まずはANDROMEDAから。結論を先にいってしまえば、今回組み合わせたCampfire Audio 3製品のなかで最も相性が良かったのがこちら。これまでのANDROMEDAは、キレの良さ至上主義というか、突き抜け感のあるフレッシュなサウンドを持っていたが、最新バージョンではキレの良さやフレッシュさを保ちつつも、帯域バランスの整ったジェントルな高域表現へとシフト。さらに、歪み感も抑えられたことから、かなり聴き心地の良い印象となった。

ANDROMEDA(予想実売価格129,300円前後)との組み合わせ

このサウンドキャラクターが「R5」と抜群の相性を示し、音数が多く、音場的な広がり感も大きい壮大な表現のサウンドを聴かせてくれる。ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は、芯の強い、躍動感溢れる演奏が耳に飛び込む。ピアノの音も、凜とした基音の響きや普段より存在を強く感じる倍音成分、それにほどよい付帯音が加わることで、軽やかなタッチの、伸びやかな演奏が楽しめる。ヴォーカルもいい。男性・女性ともにややハスキーで、大人っぽい印象となるが、質感のリアルさを伴っているため、まるで歌っている位置が近くなったかのような、臨場感溢れる歌声を楽しめる。なかなかにベストマッチな組み合わせといえる。

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