「赤いシリコンバレー」を訪ねた

優秀すぎて話題、超小型DAP「M0」はここで生まれた − 中国・深センのSHANLINGを訪問

鴻池賢三

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2018年08月14日
ここ最近、コンパクトなハイレゾDAPが豊作だ。FiiO, ACTIVO, Lotoo, audio-opusなど多数のブランドが躍進し、優秀製品が続々と登場している。

そんな中、特に注目したいのが、SHANLING(シャンリン)の「M0」である。他とは全く異なる指先サイズのコンパクトさと、LDACで送信のみならず受信も可能なBluetooth機能を搭載するなど異彩を放つ。そうしたユニークさとクオリティーが認められ、「VGP2018SUMMER」では、特別賞の1つである企画賞に輝いた。

じっくり試聴を重ねると、パワフルかつしっとりとした音調にすっかり魅了されてしまった。特にCDをリッピングしたWAVファイルの再生音は尋常ではない。そんな類い希なる魅力的な製品が誕生した背景に興味が湧き、中国は深センにあるSHANLINGの本拠地を訪問取材することにした。

M0が成功した裏には、技術の蓄積と、音楽を愛する若き担当者の情熱があった。

世界的ハイエンドオーディオメーカー「SHANLING」

「シャンリン」は日本で馴染みが薄いが、海外では名の通ったハイエンドメーカーだ。30年の歴史を持つ老舗で、OEM/ODM供給実績を持つ。かつてオーディオメーカーで商品企画に携わっていた筆者も、その名を耳にすることが度々あった。

今回訪問した同社の本拠地は、今や「赤いシリコンバレー」とも呼ばれる伸び盛りの深セン市にある。そもそも深センは、AV機器やその周辺の電子部品製造で発展した歴史があり、モノ作りを行ってきたシャンリンは、同市が発展した礎の1つと言っても過言ではないだろう。エレクトロニクス製品や部品の製造で集まってきた人達が、さらなる飛躍を求めて試行錯誤を繰り返し、今の深センを築いてきたからだ。

写真(左)中央奥がShanlingの本拠地。(右)建物の傍らに「山灵」が刻まれた山型のオブジェ。

敷地内に入ると「山灵」の文字が刻まれた石のオブジェが目に入る。日本語では「山霊」と不思議な名前だが、中国のことわざ「山不在高,有仙则名。水不在深,有龙则灵。」に由来しているという。

社屋は2階建てで、かつては1階で製造も行っていたそうだが、近年は深セン市の公害規制が厳しくなったために転出。現在は、製造以外の部門が集積し、研究開発も継続して行われている。

「シャンリン」を総本山で試聴した

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