[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第206回】凄いデスクトップオーディオが現れた。Astell&Kern「ACRO」は “覇権獲り” 級
高橋 敦
2018年04月23日
■理想のデスクトップシステムの中核か!?
広義には「デスクトップオーディオ」とは「スペース的にデスクの上に設置できる範疇のオーディオ」という意味でしかない。そこさえクリアできるのなら、最後に音を出すのはスピーカーでもヘッドホン/イヤホンでも良いわけだ。
そしてデスクの広さは人それぞれだが、少なくともポータブル環境よりはスペースにも電源にも余裕がある。せっかくだからそれを生かして、
「ポータブルでは本領を発揮しにくい大型ヘッドホンもしっかり駆動できる!」
「ポータブルとは無縁のステレオスピーカーシステムによる立体的な空間表現を満喫できる!」
「ポータブルで楽しんでいるハイエンドイヤホンを家でも楽しめちゃう!」
そんなオールラウンドなシステムを組めたら理想的だ。
しかし、あれもこれもと考えていくとシステムは煩雑で大規模になりがちである。それは「デスクの上に設置できる」という根本的かつ最低限の条件と相反する。
そこに先日、理想的なデスクトップシステムをこれ一つ!……に適当なスピーカーを追加するだけで実現できてしまう、ほぼオールインワンでコンパクトでオールラウンドなアイテムが登場した。それがこちら「ACRO L1000」(実売11万円程度)だ。同シリーズでスピーカー「ACRO S1000」(実売12万円程度)も用意されている!
見た目からすると「まあ、据え置きにしてはコンパクトな部類のヘッドホンアンプでしょ」といった程度の印象かと思う。しかしこれのポイントはヘッドホンアンプ機能に加え、USB接続のDAC機能はもちろん、スピーカーアンプの機能も搭載していること。
ポータブルプレーヤーで評価を得ているAstell&Kernによる製品なので、DACからヘッドホンアンプ段については「安心安定の」と期待できる。当面はヘッドホンアンプとしてだけ使う見込みで導入するのもありだろう。その上で将来的にはスピーカーまで鳴らせちゃうとなれば、デスクトップの覇権を握る!……かもしれないので、早速その実力をチェックだ!
■ボリュームノブ筆頭にとにかく使いやすいデザイン
最大の特徴はその“フォルム”と言って良いだろう。とにかくでっかいボリュームノブを手を置きやすいようにスラントさせて配置、このノブありきでその下の本体に機能や端子等をまとめてあるといった印象だ。ヘッドホンにせよスピーカーにせよ、ユーザーがアンプに触れる機会の多くは音量操作であるので、そのインターフェースであるボリュームノブの大きさや配置を優先するのは実に納得できる。
そしてこのボリュームノブ、実際にとても使いやすい。大きさと角度に加えて、回し心地に適度な重みが設定されており、そっと微妙に動かすこともできるし、回り始めればすすっと滑らかに動くので、ぐいっと一気にも動かしやすい。
いわゆる電子ボリュームなので、アナログ的に無段階に音量が変化するわけではないが、その増減のステップはかなり細やかだ。高感度なイヤモニとの組み合わせでも「ちょっと動かしただけで音量がどんと上がってしまって、ちょうど良い音量を選べない」みたいなことはない。
据え置きヘッドホンアンプでは、イヤホン/イヤモニとの組み合わせまでは想定していない製品も多いが、そこはさすがポータブルに軸足を置くトップブランドの製品。自宅でもハイエンドイヤホンを堪能したい!というユーザーにも安心だ。
広義には「デスクトップオーディオ」とは「スペース的にデスクの上に設置できる範疇のオーディオ」という意味でしかない。そこさえクリアできるのなら、最後に音を出すのはスピーカーでもヘッドホン/イヤホンでも良いわけだ。
そしてデスクの広さは人それぞれだが、少なくともポータブル環境よりはスペースにも電源にも余裕がある。せっかくだからそれを生かして、
「ポータブルでは本領を発揮しにくい大型ヘッドホンもしっかり駆動できる!」
「ポータブルとは無縁のステレオスピーカーシステムによる立体的な空間表現を満喫できる!」
「ポータブルで楽しんでいるハイエンドイヤホンを家でも楽しめちゃう!」
そんなオールラウンドなシステムを組めたら理想的だ。
しかし、あれもこれもと考えていくとシステムは煩雑で大規模になりがちである。それは「デスクの上に設置できる」という根本的かつ最低限の条件と相反する。
そこに先日、理想的なデスクトップシステムをこれ一つ!……に適当なスピーカーを追加するだけで実現できてしまう、ほぼオールインワンでコンパクトでオールラウンドなアイテムが登場した。それがこちら「ACRO L1000」(実売11万円程度)だ。同シリーズでスピーカー「ACRO S1000」(実売12万円程度)も用意されている!
見た目からすると「まあ、据え置きにしてはコンパクトな部類のヘッドホンアンプでしょ」といった程度の印象かと思う。しかしこれのポイントはヘッドホンアンプ機能に加え、USB接続のDAC機能はもちろん、スピーカーアンプの機能も搭載していること。
ポータブルプレーヤーで評価を得ているAstell&Kernによる製品なので、DACからヘッドホンアンプ段については「安心安定の」と期待できる。当面はヘッドホンアンプとしてだけ使う見込みで導入するのもありだろう。その上で将来的にはスピーカーまで鳴らせちゃうとなれば、デスクトップの覇権を握る!……かもしれないので、早速その実力をチェックだ!
■ボリュームノブ筆頭にとにかく使いやすいデザイン
最大の特徴はその“フォルム”と言って良いだろう。とにかくでっかいボリュームノブを手を置きやすいようにスラントさせて配置、このノブありきでその下の本体に機能や端子等をまとめてあるといった印象だ。ヘッドホンにせよスピーカーにせよ、ユーザーがアンプに触れる機会の多くは音量操作であるので、そのインターフェースであるボリュームノブの大きさや配置を優先するのは実に納得できる。
そしてこのボリュームノブ、実際にとても使いやすい。大きさと角度に加えて、回し心地に適度な重みが設定されており、そっと微妙に動かすこともできるし、回り始めればすすっと滑らかに動くので、ぐいっと一気にも動かしやすい。
いわゆる電子ボリュームなので、アナログ的に無段階に音量が変化するわけではないが、その増減のステップはかなり細やかだ。高感度なイヤモニとの組み合わせでも「ちょっと動かしただけで音量がどんと上がってしまって、ちょうど良い音量を選べない」みたいなことはない。
据え置きヘッドホンアンプでは、イヤホン/イヤモニとの組み合わせまでは想定していない製品も多いが、そこはさすがポータブルに軸足を置くトップブランドの製品。自宅でもハイエンドイヤホンを堪能したい!というユーザーにも安心だ。
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