【特別企画】真空技術を音に活かす

あのサーモスが真空技術で作った“本気のオーディオ” 。VECLOS「SSB-380S」レビュー

山本 敦

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2018年05月25日
サーモスが、その真空技術を投入したデジタルオーディオシステム「SSB-380S」。本モデルは、同社が展開するブランド “VECLOS” からリリースされている。このVECLOSが手がける製品は、決してアクサリー的なものではない。純粋なオーディオ機器としての姿勢で開発されている。本稿では、VECLOSのヒストリー、最新モデルであるSSB-380Sに注ぎ込まれたテクノロジー、そしてそのサウンドについてご紹介したい。


「VECLOS」のオーディオブランドとしてのルーツ

VECLOS(ヴェクロス)は、あの魔法びんのサーモスをルーツに持つ新進気鋭のオーディオブランドだ。

ほかのどこにもない独自の素材と構造を活かしたスピーカーを作りたいという、ヴェクロスのエンジニアたちによる情熱は、コンパクトなBluetoothスピーカー「SSA-40」として2015年に結実した。その飾らないクリアなサウンドと高いユーティリティは、一般の音楽ファンだけでなく音楽制作に関わるプロフェッショナルまでも魅了。ヴェクロスのエンジニアが次の一歩に踏み出すきっかけをつくった。それがプロ用アクティブモニタースピーカーの「MSA-380」だ。

VECLOS初の製品となるBluetoothスピーカー「SSA-40」

MSA-380は、SSA-40が特徴としていた圧倒的に透明で解像度の高いサウンドに加えて、デスクトップリスニングに最適化したサイズアップを図りながら豊かな低音再生を獲得した。音楽が持つ感動を忠実に再現できるだけでなく、“持ち運べるモニタースピーカー”としてプロの創作活動を支える、汎用性の高いアナログ接続専用の本格派アクティブスピーカーだ。

プロ向けモデル「MSA-380」

本機が登場したことにより、ヴェクロスはオーディオブランドとしてさらなる高みに到達したことを証明してみせた。そして今度は、コンシューマー向けのハイレゾ対応USB-DACを搭載したアクティブスピーカーのハイエンドモデル「SSB-380S」がラインナップに加わった。

「SSB-380S」

ヴェクロスのMSA-380とSSB-380Sは、同一のコンセプトを起点に開発された兄弟機だ。本体の設計思想、あるいは使われているパーツにマテリアル、そしてヴェクロスが辿り着いた最先端のオーディオ技術など多くの部分を共有している。それぞれの違いについても触れながら、SSB-380Sがどんなスピーカーなのかみていこう。

唯一無二の「真空エンクロージャー」とオーディオ的作り込み

長い円筒形のエンクロージャーは、ヴェクロスのスピーカーのアイコンだ。ここにサーモスの魔法びんから派生した要素技術が応用されている。同社ではこれを「真空エンクロージャー」と呼んでいる。

エンクロージャーの素材であるステンレスは、アルミニウムなどのほかの金属に比べて硬く、加工が難しいぶん、音響面と堅牢性の両方に優れた特性を備えている。サーモスが魔法びんの開発で培った加工・溶接のノウハウを活かすことで、わずか1mm以下という真空層のギャップを持つスピーカー用のエンクロージャーが完成した。

「真空エンクロージャー」を活かすための設計

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