多機能一体型レシーバー
新生ティアック初フルサイズ機の出来映えとは? “Reference 7”第一弾「NR-7CD」レビュー
■「物凄い音が出てきた」
いよいよ試聴に入りたい。用意したスピーカーはELACの「FS249 BE」。アンプ内蔵の本機はスピーカーケーブルとつなぐだけ。あとはLANケーブルを接続すればセッティング完了だ。
まずはネットワーク再生を行う。女性シンガーの、「エミリー・クレア・バーロウ 『クリアーデイ』 (5.6MHz/1bit DSF)」を聞いた。機能的には優れているが、一体型でどこまでの音が出せるのか、少し疑心を感じながら再生ボタンを押した。
すると、物凄い音が出てきた。
彼女のボーカルは自然で実体感を伴って左右スピーカーの中央に定位する。筐体内部の左右を完全にセパレートした効果が出ているのか、広い音場にピタッと等身大に彼女の姿が立ち表れる。そしてその口元は、今までほとんど聞いたことのないほどコンパクトなのだ。
微小レベルの再現性が高く、左右に現れる余韻は飛び交う方向さえ見えてくるようだ。音楽性もとても高く、オーディオ的な再生能力とかなり高い次元で両立している。国産の一体型モデルで、こんな音は聞いたことがない。
操作アプリにも触れておきたい。NR-7CDには、iPad/iPhoneにインストール可能な専用アプリ「TEAC HR Streamer」が用意されている。OpenHomeに対応し、NAS内の音源を選択して再生するまで、動作は非常にスムーズだ。
アルバムアートは美しくタイル表示され、拡大縮小も自由自在。ネットワーク再生の利便性をパーフェクトに味わえる。
またロスレスストリーミングサービスのTIDAL、Qobuz(両サービスは日本でサービスインしていない)やUSBストレージ内の音源再生も、このアプリから再生可能だ。